イタリア車界の大ベテラン、大倉哲也さんが語るイタリア車の醍醐味とアバルトの魅力

所有したイタリア車の数は30台以上

さまざまな世界に“この人あり”といわれる方がいらっしゃるものですが、今回登場いただく大倉哲也さんもそうした方のひとり。京都界隈のイタリア車好き、とりわけ“通”の間では誰もが知っている、といわれる人物です。

大倉さんはアバルト京都、フィアット京都、アルファ ロメオ京都などを運営している大黒商会の輸入自動車事業部で、事業統括責任者をなさっています。いわばイタリア車を売る人。輸入車販売の老舗である大黒商会に古くから在籍し、事業の立ち上げにも力を注いでこられました。京の街には親子で大倉さんからイタリア車を買った、大倉さんから何台ものイタリア車を買った、という人も少なくありません。


様々なイタリア車に実体験として乗り、その魅力を感じ取ってきたフィアット・アバルト京都の大倉哲也さん。同社の事業統括責任者を務める。

けれど、実は大倉さんはイタリア車を売るだけの人ではなく、イタリア車を“買う人”でもあったのです。これまでの40台を越える車歴の中で、イタリア車が占めるのは驚くことに33台。その中には今や歴史的名車と呼ばれる貴重なモデルたちも何台か含まれます。そして今も、2台のクラシック・アバルトを含む5台のイタリア車を所有されています。さまざまなモデルを乗り継ぎながらイタリア車と長くつきあってこられ、クルマを通じた同好の士とのおつきあいも深く広くなり、一方ではイタリア車にまつわるプロフェッショナルとして多くの人たちのお悩み解決に尽力してこられての現在。どんなときも笑顔の穏やかなお人柄もあって、今や“京都にこの人あり”と慕われる存在、なのです。


大倉さんが所有するフィアット・アバルト 695 SS。フィアット 500をベースとするアバルトの中でもチューンの範囲が広く、レースの世界ではツーリングカー選手権を席巻。自動車好きの憧れの存在となった。

今回はイタリア車乗りの大ベテランであり、公私ともにアバルトに関わる大倉さんにお話をうかがっていきたいと思います。

まずは大倉さんご自身についてうかがいたいのですが、大倉さんはいつからイタリア車に興味を持ち始めたのですか?

「クルマそのものに興味を持ちはじめたのは本当に幼い頃からだったと思うんですけど、イタリアのクルマというものを意識しはじめたのは、スーパーカーブームからです。とにかくデザインがカッコよかった。子ども心にも美しいって感じていましたね。今から考えればあたり前のことなんですけど、街を走っているクルマとはまったく違っていて、こんなクルマがあるのか、って感じてましたよ。そう思わせられたクルマのほとんどが、イタリア生まれだったんです。それに、性能の公称値もすごかった。1970年代に最高速度300km/hですよ。想像もつかない世界だけど、すごいってことだけはわかるじゃないですか(笑)。そこからイタリアのクルマ全般に興味が広がったんでしょうね。いつの間にかイタリア車に乗るようになって、好きなクルマといつも一緒にいたいと考えて今の会社に入り、販売の仕事に携わるようになりました」


695 SSのインテリア。

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