名古屋のフレンチシェフが腕をふるうアバルトオリジナルメニュー 「ムッシュ・カルロ・アバルト オマールでオマージュ」

アバルトオリジナルメニュー第四弾はフランス料理

アバルトをイメージした料理をその道のプロに作ってもらい、アバルトファンの皆さんに特別メニューとして提供していただく「アバルトオリジナルメニュー」企画。前回まではパスタ、リゾット、ピッツァとイタリア料理が続いてきましたが、第4弾は初めて異なる国の文化で表現していただくことになりました。フランス料理です。

名古屋の文教地区で、“住みたい街”としての人気の高い、いりなかの駅近くにある『アプランドル』は、抜群のクラシックフレンチを肩肘張らずに堪能できる隠れ家的なレストラン。中部エリアを中心とする食通の間でよく知られているお店です。テーブル8人+カウンター4人の12席という小さなお店ですが、ここをひとりで切り盛りするオーナーシェフの小林 学さんの料理に魅せられたリピーターさんは多く、常連さん達の間では“あんまり教えたくない店”といわれたりもしています。


アプランドルのシェフ、小林学さん。国内の有名店やフランスの三ツ星レストランでの経験を生かし、伝統的な料理を現代風にアレンジした料理を提供している。

小林シェフは少年時代から料理が好きで、高校時代のアルバイトで地元・高山のホテルの厨房に入ったことで料理人としてのキャリアをスタート、料理長に誘われて卒業と同時にそのまま就職。より本格的に料理を学びたくなって20歳で上京、日本のフランス料理を牽引してきた名店で修行を重ね、支店の料理長を務めた後に渡仏。ロレーヌ地方にお店を構える三ツ星シェフに数年間師事し、本場のフランス料理を学んで帰国しました。日本での修行は日本人好みの伝統的なジャパニーズ・フレンチ。フランスではミシュランの目を引きやすい革新的なヌーヴェル・キュイジーヌ(新しい料理のスタイル)を展開。そのどちらにも精通してるというわけです。アプランドルのオープンは2014年。以来、「僕が好きなのは、どちらかといえばクラシック。伝統的なフレンチの世界から外れない範囲で、日本人の味覚に合わせて調整したりオリジナリティを効かせたり、といった感じですね」という考え方に基づいたレシピで、着実にファンを増やしてきたのです。


アプランドルの店内。テーブルがひとつと、あとはカウンター。丁寧な料理と温かい接客でお客さんをおもてなし。

じつは小林シェフは、名古屋を中心とするクルマ好きの間でも、相当な有名人。25年のつきあいになる旧いイタリア車に乗り続けています。それが縁を作り、長年の間に縁が縁を生み、アプランドルはイタリア車乗りを筆頭とするクルマ好き達の間でもよく知られるお店に。美食家とクルマ好きの集まるお店、なのです。そうしたたくさんのクルマ仲間とのおつきあいもあって、アバルトの世界観もよくご存じです。

その小林シェフが作ってくださるのは──?

「Monsieur Carlo Abarth, Homard De Hommage(ムッシュ・カルロ・アバルト オマールでオマージュ)。名前はちょっとした洒落(笑)ですけど、オマールのフリットです。アバルトと聞いてパッと思い浮かぶ象徴的なものは、やっぱりあのエンブレム。それをフレンチで考えていくとこうなる、という一皿です」


小林シェフが今回の企画のために作ってくれた「ムッシュ・カルロ・アバルト オマールでオマージュ」。

実は小林シェフにこの企画の相談をしたのは、第2回のトラットリア築地トミーナの冨山シェフにお話をしたのとほぼ同じタイミング。こちらの相談を受けて小林シェフも即座にエンブレムをモチーフにすることを着想していて、フレンチ流のアレンジで、その想いを一皿に込めてくれたのでした。

「僕は他のメニューと並行して楽しんでいただけるアラカルトとして考えたので、となるとこれ一皿では完結しにくいですよね。だから値段を抑えたいということもあって、オマールはあえての冷凍です。でも最近は冷凍技術がかなり進んでいるので、味も食感も落ちないんですよ。小さい細工をたくさん盛り込み、フレンチとして仕上げました。見る人が見れば何をモチーフにしているかわかるでしょう(笑)」


日本の有名やフランスの三つ星レストランで培った確かな技術をベースに、アバルトオリジナルメニューを快く手がけてくださった小林シェフ。

その辺り、フィアット500とアバルト595の違いは見る人が見れば一発でわかる、というのに共通してる気がします。小林シェフのフレンチ流のエスプリ、といったところでしょう。

「これが使う材料です。黒いのがオマールで、塩と胡椒をさっと振ったあとに、竹炭を練り込んで焼いたパンで作ったパン粉をまぶしてあります。パンは竹炭とオリーブオイルと塩を練り込んだフォカッチャのような生地なんですけど、僕はフレンチの人間なので、その生地を一度成形してから焼く、フランスパンのような作り方で焼いています。ここはちょっとハードルが高いかもしれませんけど、パンを焼くのが好きな人ならできると思います。竹炭の代わりにイカ墨でもいいでしょうし、普通のパン粉でももちろんだいじょうぶです。オマールは食感を考えて太めのものを選んでいただいて、ひとり分は半身ぐらいがちょうどいいでしょうね。

赤いのはラタトゥイユ。パプリカ2種、ズッキーニ、タマネギ、トマトを煮込んであります。これは標準的な作り方でいいと思いますよ。黄色いのはスクランブルエッグ。分量としては全卵と生クリームを、だいたい1対1ぐらいで。それにバターと塩ですね。それに飾りに使うハーブ。ディルとイタリアンパセリ、セルフィーユ、ローズマリーです。ここはお好みで。

ラタトゥイユとスクランブルエッグがソース代わりにもなります。小さな白い器に入ってる3色は、飾りでもあり、味を変えるソースでもあります。緑はグリーンマスタードを酢やオリーブオイルで少し伸ばしたもの。白はタマネギと白ワインを煮詰めたものに魚の出汁。今回、出汁は金目鯛を使ってますけど、白身魚のアラを香味野菜と一緒に煮出したシンプルなものですね。そして赤いのはトマトソースです」

レシピを公開!

「スクランブルエッグは弱火でやらないとすぐに固まっちゃうし、焦げる部分ができちゃったら綺麗な黄色にならなりません。それにトロトロに仕上げたいので、ボウルを氷水に当てて温度を冷まします。60℃以上だと、どんどん固まっちゃうんですよ」


スクランブルエッグを作ったあと、固まらないようにボウルごと氷水に浸しておく。

「オマールを揚げる温度は180℃、揚げる時間は1本まるまるなら1分弱くらい、半身だったらパン粉がパリッとしたあたりでちょうどいいくらい、っていう感じでしょうか。このあたりはオマールの太さにもよりますけど。ただ揚げた後の余熱でも火が入るので、それを考えて早めに上げるくらいでいいと思います。中が少し半ナマなくらいの方が美味しかったりしますしね」


オマールを180度ほどで揚げる。

「ラタトゥイユとスクランブルエッグを、半々ぐらいに円形に盛り付けます。赤と黄色が半々なのがアバルトですからね。その上に黒のオマール。これが基本的な部分です」


ラタトゥイユとスクランブルエッグで、アバルトエンブレムと赤と黄色を表現。

「そしてソースをイタリアのトリコローレになるようにレイアウトします。今のエンブレムには黄色の部分の上に薄いけどトリコローレがあしらわれていますからね。そして飾りのハーブを置いたら出来上がり、です」


トリコローレをあしらって完成!

そのルックスは、見るからに伝統的なフランス料理。それでいて、見るからにアバルト料理。お皿の上のまとまり具合の美しいこと! それに何より味と食感です。衣の部分のカリッサクッ、オマールの中身はプリッ。軽やかな香ばしさに柔らかい甘さとほんのりとした塩味の絶妙なバランス。そのまま食べても抜群に美味しいフリットです。酸味と甘味と野菜の香りが溶け込んでるラタトゥイユや、卵と生クリームの甘さとバターの優しい塩味と香りのよさが綺麗に釣り合ってるスクランブルエッグをつけて食べる、贅沢な味の広がり。おまけに3種類のソースによる味変まで楽しめちゃうのです。こうした細かいけれど効果的な技が幾重にもなって繰り出されること、それにシンプルな味わいから複雑で深みのある味わいまでシームレスに享受できること。まさにフランス料理の醍醐味そのものです。


お値段は1500円でご提供いただけるとのこと。ぜひ他のお料理と一緒にお楽しみを!

このMonsieur Carlo Abarth, Homard De Hommageはアラカルトのメニューに加わることになり、なんと1500円で提供していただけることになりました。前準備まで含めた手間暇を考えたら、これはバーゲンプライス以外のなにものでもありません。遠くからアバルトを飛ばして食べにいっても後悔はないのがアプランドルのフレンチ。お店の対面にはほどほどの広さの民間有料駐車場もありますので、ぜひ試しに出掛けてみてくださいね。

アプランドル
ランチ 11:30〜13:30(L.O.)
ディナー 18:00〜21:00(L.O.)
*新型コロナウイルス感染症対策の期間は営業時間が異なる場合があります。詳しくはお店にお問い合わせください。
定休日 日曜日
住所 愛知県名古屋市昭和区隼人町7-13 サンシャインいりなか1A&1B
電話 052-836-1616
URL https://www.apprendre-nagoya.com

文 嶋田智之

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