アバルトをイメージしたオリジナルピリ辛パスタ「パスタ・アッラ・“カルロ・アバルト”」 レシピも公開!

アバルトファンに捧げる絶品イタリアン

アバルトファンに向けた美味しいイタリアンを作りたい。そんな想いから、この「アバルトオリジナルメニューを作ろう!」プロジェクトはスタートしました。やるからには、本格的な味を追求したいということで、まずはその道のプロフェッショナルに相談してみることに。白羽の矢が立ったのは、東京・四谷三丁目で営まれているイタリア料理の『LA VITA(ラ・ビータ)』。オーナーシェフの須田祐司さんにお願いしたところ、快くご協力いただけることになりました。ここで紹介するアバルトオリジナルメニューは、LA VITAに行けば実際に食べられます。さらに自宅で作れるようにレシピも公開していただきました。

『LA VITA』は、フィレンツェで3年間過ごした須田さんが帰国してからオープンしたトラットリア。1993年創業のリピーターに愛される人気店です。お客さんの中には日本に滞在中のイタリア人が多いことからも察せられるように、須田さんの作る料理は、イタリアの“おふくろの味”。イタリアのマンマが作る料理を日本人向けにアレンジすることなく、そのまま受け継いだ味なのです。誰かに連れていってもらった人が次は別の誰かを連れて行きたくなるようなお店。下町の馴染みの食堂といった感じの気取りのない雰囲気が魅力のトラットリアです。


「LA VITA」の外観。本場イタリアの味を気軽に楽しむことができる。最寄駅は東京メトロ丸の内線「四谷三丁目」。3番出口から徒歩2分。近隣に有料駐車場があり、クルマで訪れる場合はそちらのご利用を。

もうひとつ。LA VITAはイタリア車好きの間でも、とりわけ特別な存在。須田さんはイタリアに渡る前にはアバルトを中心としたスペシャルショップでメカニックをしていた経歴をお持ちで、フィアット、アルファ ロメオ、フェラーリ、そしてもちろんアバルトも乗り継いでこられたクルマ好き。現在も趣味のクルマ3台と足としてのクルマのすべてがイタリア車。お客さんの中にもイタリア車好きが多いのはいうまでもありません。

カルロ・アバルトに捧げるパスタ

「料理はアートだっていう考え方でそれを追求するのもいいと思うし、ミシュランの星を狙いたいのならそれもいいと思う。でも、僕はそっちじゃないんです。たまたま3年間居着くことになっちゃったフィレンツェの下町に、地元の人達の溜まり場になってる大衆食堂があって、ほとんど毎日通ってるうちに大変そうだからってちょっと手伝ったところから店のマンマに料理を教えてもらうようになって……。そういうあっちでの生活の中で知って感動した味や、出逢って一緒に遊んだり時にはケンカしたりっていう時間を過ごした人との間柄みたいなものが、この店のベースになってるんです。お客さんには、イタリアのお母さんの味をできるだけ忠実に再現して、それを楽しんでいただきたいな、って思ってるんです。だから僕はオリジナルのレシピを作って店に出したことはほとんどなかったし、これからもないでしょうね。でも今回は例外。アバルトのことですからね(笑)。クルマのことはなぜか断れないんですよ」と須田さん。


LA VITAのシェフ、須田祐司さん。
「 “食”っていうのは文化で、その土地その土地に美味しい料理があって、その料理が生まれた理由も実はちゃんとある。イタリア料理って地産地消が基本で、その土地の料理にはその土地の食材が活かされてるんです」とは須田さんの弁。お店で提供する料理もイタリアの食材を使用。

さて、そんな須田さんが考案してくれたのは、『パスタ・アッラ“カルロ・アバルト”』。カルロ・アバルトに捧げるパスタ、という意味を込めたメニューです。
「アバルトって、ものすごくホットじゃないですか。ピリッとくるクルマ。だから、トリノからは遠いからカルロさんには縁は少なかったかもしれないけど南の方の素材を使って、アバルトの熱い走りをイメージしたパスタを考えました。イタリアのレシピの中にはない料理だから、オリジナリティが強いっていう意味でもアバルトっぽい。それにアバルトはやっぱり普通のクルマじゃないから、素材もちょっと普通じゃないものをあえて選んじゃいました。そういうわけでレシピを公開しますが、材料はちょっと手に入れにくいものもあります(笑)」


須田さんに考案いただいた『パスタ・アッラ“カルロ・アバルト”』(カルロ・アバルトに捧げるパスタ)。

というわけで作っていただいたのは、カラブリア州の「ンドゥイヤ」という辛いサラミと、トロペア産の玉ねぎ、それにシチリア産アーモンドをトッピングしたトマトベースのパスタ。使うパスタそのものも、ナポリで300年間変わらない製法で作られている手作り品。さっそく使う食材を教えていただくことにしましょう。分量はそれぞれ、2人前を前提としたものです。

使用する食材


『パスタ・アッラ“カルロ・アバルト”』の食材。パスタは、ナポリで手作りされるSetaro(セタロ)のオルガナッティを使用。

◎パスタ・オルガネッティ/160グラム
セタロというナポリのブランドのパスタ。ナポリの小麦粉とナポリの湧き水を使った、捏ねるところから自然乾燥させるまで100%手作りで行うメーカーです。ちょっと手に入れにくいかもしれません。須田さんいわく……
「カルロ・アバルトをイメージすると、ありきたりのペンネとかにはならないよな、って思ったんです。手作りのパスタなのでタイミングによっては欠品してることがあるのですが、もしお店に来ていただいて欠品している場合には、よく似た味で第2候補だったシチリアのブジアーテで提供させていただきます。パスタって地域ごとに違っていて、その地域のソースに合ったパスタが一番いいですから」

◎トロペアータ/1個
カラブリア州トロペア産の玉ねぎ。一般的にはちょっと手に入りにくいかもしれません。
「イタリアは玉ねぎをあんまり水にさらさずに、その辛味も旨味として考えます。これはナマで食べるとピリッとしますよ。でも、日本の玉ねぎみたいに尖った辛さじゃないです」

◎ンドゥイヤ/100グラムが基本
ピリ辛の豚のサラミのようなもの。カラブリアはトウガラシが有名で、それが織り込まれたソフトなサラミです。
「これは辛いので、使う量はお好みで調整してください。うちでは注文のときにいっていただければ調整します」

◎シチリア産アーモンド/ひとにぎり
アーモンドはシチリアの名産。カラブリアではアーモンドはあまり使わないそうですが、南の素材つながりということで選んでいます。
「軽く粉砕して、ソースにも入れるし上からトッピングもします。シチリアでよくやる方法ですね」

◎サンマルツァーノ/6個
イタリアでポピュラーなトマト。生ではちょっと手に入れにくいかもしれませんが、ホール缶の中身もサンマルツァーノであることが多いです。

◎にんにく/半カケ
これは日本のモノでも構いません。

◎オリーブオイル/適量
なるべく品質のよいものを。

◎イタリア産の塩/適量
イタリアの塩は日本のものと比べて少ししょっぱいので、できればイタリア産を。
「今回はエミリア・ロマーニャの塩を使ってますが、シチリアの塩はわりと手に入れやすいので、そちらでもいいと思います。

◎バジル/適量
最後の飾り、香り付け用。

そしてそれらの食材が手に入らない場合は、以下のもので「同じモノにはならないですけど、同じ方向のモノはできると思います」とのこと。

オルガネッティ →フリッジ
トロペアータ → 赤玉ねぎを水にさらさず使う
ンドゥイヤ → チョリソのような辛いものを細かく刻んで使う
シチリア産アーモンド → 普通のアーモンド
サンマルツァーノ → イタリア産のホール缶


写真は、シチリア産アーモンド(左上)、トロペアータ(右上)、ンドゥイヤ(左下)、サンマルツァーノ(右下)。

自宅で作ってみよう! レシピを公開

玉ねぎとにんにくを一緒に炒めます。玉ねぎもにんにくも普通のスライスで。

火入れ用にオリーブオイルを使います。オイルの量は目分量。
火加減は弱火にて、じっくりと。玉ねぎは弱火の方がちょっと甘さが増すからです。
炒め具合は玉ねぎが飴色にはならず、ちょっとシナシナしてくるぐらいまで。ニンニクに色がつくぐらいまで、が目安です。

トマトを半分ぐらいにカットして、カタチのまま入れます。
ここで火を少し強くして、ちょっとだけ水を入れ、ソースをなじませます。水の量は適量で。

煮込み具合は、トマトソースになるちょっと手前、カタチがちょっと残って崩れるかどうかというぐらいが目安。火を入れてるうちにトマトが柔らかくなってくるので、柔らかくなったら少し背中を押してやって、ソースにしていきます。完全につぶして粉砕しちゃうんじゃなくて、カタチは残しつつ。そして、塩を3つまみ。

オルガネッティのゆで時間は強火で10分が基本ですが、茹で具合はお好みで。

アーモンドを砕いて、フライパンの中にも少しだけ入れます。3つまみぐらいが適量。

ンドゥイヤを指先で千切って入れて、ソースに混ぜていきます。トマトを余分に崩したくないので、かき混ぜ方には注意しましょう。

オリーブオイルを少々足します。

茹で上がったパスタをフライパンに入れて、ソースとあえます。

最後にアーモンドとバジルをトッピングして、オリーブオイルを適量おとす。

完成!

できればお店で味わって!

『パスタ・アッラ“カルロ・アバルト”』、いただきました。トマトの甘味と酸味、玉ねぎの甘味と辛味、そしてンドゥイヤのピリッとした嫌味のない辛さが加わった、これまでに食べたことない味。めちゃめちゃ美味しかったです。

感想はこのくらいにしておきます。何しろ、世界でここにしかない貴重なメニュー。須田さんがアバルトに造詣が深くなければ生まれなかった特別なパスタです。未知の味との遭遇をぜひお店で味わってみてください!


店内は、やや照明を落としたくつろげる雰囲気。随所にクルマ好きが反応するようなアイテムも。

ちなみにこのパスタは店内でもオーダーできますが、食材の中に手に入りにくいものが一部あるので、可能であれば予約をしていただけるとありがたいです、とのこと。ちなみに価格は1,600円。使ってる食材を考えたら、バーゲンプライスかもしれませんね。

LA VITAにはもちろん通常メニューもあるので、辛いモノが苦手な友人・知人と訪ねても何の心配もありません。アバルト好きがアバルト好きと連れ立って、お店を訪ねていただけると嬉しく思います。


LA VITAのスタッフの方々。左から須田さん、中村さん、小林さん。

LA VITA
ランチ:11:30-14:00(L.O)(火・水・木のみ営業)
ディナー:18:00-22:00(L.O)
定休日:日・祝日
住所:東京都新宿区四谷3-4-9
TEL:03-3359-0456
URL:http://trattoria-lavita.com/

文 嶋田智之

アバルトオフィシャルWEBサイト