オーナー同士でアバルトを語らい合う座談会レポート(第2部)

180720_Abarth_01

アバルトオーナー同士でアバルトについて語らい合う「アバルト座談会」。第1部に続き、今回は同日午後に実施した第2部の模様をお届けします。6名が参加し、アバルトの魅力や趣味、ライフスタイルなどについて語らい合いました。

180720_Abarth_02
自動車ライター嶋田智之氏の進行にて行われたアバルト座談会。「595」の所有者6名が集まり、それぞれの想いを口にしました。
縣(あがた)暁さん 所有車:595コンペティツィオーネ
伊藤公彦さん 所有車:595Cツーリズモ
土屋誠一さん 所有車:595コンペティツィオーネ
滝本一夫さん 所有車:595コンペティツィオーネ
小泉圭司さん 所有車:595コンペティツィオーネ
宮岡宏司さん 所有車:595ツーリズモ

まずはアバルトを知ったきっかけ、入手された経緯をうかがいたいと思います。

縣さん「以前からフィアット500のことは知っていたのですが、ある日、都内で走っていた500のようなかたちで、音がすごいクルマを見たのです。それがいまになって思えばアバルトだったんでしょうね。その後、ディーラーでフィアットとアバルトの違いを聞いてさらに興味が強くなりました。じつはうちの家内は以前からラテンのクルマが好きで、アバルトがいいと言い出したんです。それなら僕もぜひ乗りたいと(笑)。でも僕は免許取ってから30年間、MTしか乗ったことがなかったし、家内はMTが運転できない。それでかなり悩んだんですけど、最終的に家内も納得し、“MTの左ハンドル仕様がいいんじゃない?”といってくれました。あと、購入段階になって行ったディーラーの人の対応も良かった。クルマの魅力をていねいに教えてくれたんです。やはりクルマを買うときは、そのクルマのことをよく知っている人から買いたいですからね」

180720_Abarth_03
595コンペティツィオーネに乗られている縣さん。

滝本さん「アバルトのことは小さい頃から知っていました。近所にフィアット500に乗っている方がいて、その横にアバルトが停まっていたんです。同じようなかたちをしているのにエンブレムが違う。そのエンブレムに惹かれたのを今でも覚えています。子供の頃から輸入車に興味があり、なかなか見ないクルマだなと思って、それからずっと頭の片隅にありました。自分はステーションワゴンが好きなんですけど、家族用のクルマとして別に1台あるので、自分用のクルマは小さくて楽しいクルマにしようと思って。小さいけど馬力がある、そういうクルマが好きなんです」

180720_Abarth_04
滝本さんは、サイズが小さい割に、見た目以上の性能を秘めているところに惹かれているようです。

伊藤さん「僕も子供の頃からクルマが好きで、中学生の頃には『CG』などの雑誌を読んでいました。最初は“ABARTH”を“アバルト”とは読めなかったけど(笑)、それでも130TCだとかA112といったモデルが特別な存在だということぐらいは知っていました。だから、2008年にアバルトブランドが復活したときは、かなり衝撃を受けました。もう、“買うぞ!”モード全開でした。でも、その時は海外に赴任していて購入することはできず、ずっとチェックだけは欠かさなかったんです。その後、帰国してすぐに飛びつきました。人と違うクルマに乗りたいし、オープンを所有したかったという理由から、595Cツーリズモを選びました。普段は奥さんが乗っているんですけど、ときどき取り合いになるくらいです」

180720_Abarth_05
595Cツーリズモ・オーナーの伊藤さん。アバルトは2008年のブランド復活(国内販売は2009年)の時から、購入を決意していたという。

小泉さん「ぼくは最初、輸入車が嫌いだったんです。お金持ちがスカして乗っている感じに思えたので。ところが社会人になって最初の会社の社長がクルマ好きで、輸入車に触れる機会がありまして、それ以来、どっぷり輸入車の世界に浸かっています。最初にアバルトを見たのはデビューしたばかりの頃でしたけど、そのときはあまり小さなクルマに興味はなかったんです。でも去年、別のクルマを名古屋まで買いに行ったときに、お店の方が迎えに来てくれたクルマが黄色い595コンペティツィオーネだったんです。それが何だかとても楽しそうなクルマに思えて……。実は少し前に、プライベートで嫌なことがあって、楽しいことがしたいと思ったんです。そのタイミングでうっかりアバルトのディーラーに寄ってしまったら、ニタニタしている自分がいた(笑)。彼女もクルマ好きだから“買っちゃえばいいんじゃん!”ってディーラーの人とふたりで勧めてきて、契約書にハンコを押してしまいました。楽しいことを求めていたので、結果的に良かったと思っています」

180720_Abarth_06
小泉さんは楽しいことを求めた結果、アバルトの購入に結びついたそうです。

宮岡さん「僕はアバルトを知ったのは小学生の頃だったと思います。箱根にフェラーリやポルシェのミュージアムがあることや、同じように山中湖の方にアバルトのミュージアムがあることも知っていました。アバルトは小さなイタ車を改造したクルマというイメージがあって、その記憶がずっと残っていました。でも、今のアバルトを選ぶきっかけになったのはボディカラーなんです。黄色い595を見て“これだ!”と思って見に行ったんです。奥さんもアバルトの購入には賛成してくれたんですけど、赤い内装がいいという奥さんの意見があり、結果的にボディカラーはグレーになりました。人生で買ったクルマのなかで一番地味な色(笑)。ボディカラーと内装色の組み合わせが決まってしまっているのは残念だと思ったんですけど、黄色のボディだと目立ってしまい、知り合いに“あそこにいたでしょ?”とかいわれるので、今はグレーでよかったのかなと思っています。黄色をまだ気になっている自分もいるんですけどね(笑)」

180720_Abarth_07
子供のころの記憶が頭の片隅に残っていて、アバルトの購入に至ったという宮岡さん。

土屋さん「130系のクラウン、M3、R34とR35のGT-R、マーチ・ニスモと、そのときの好みで色々なクルマに乗り継いできたんですけど、アバルトのことは、実は知りませんでした。初めて知ったのは、124スパイダーがデビューした頃です。ノリで奥さんとディーラーに行って、124スパイダーを見に行ったはずなのに、595コンペティツィオーネが気になりエンジンの音を聞いて、その場で奥さんとこれを買おうって決めました。特にエンジンが冷えた状態のときに始動したときの音がたまらないですね」

180720_Abarth_08
ディーラーでエンジン音を聞き、595コンペティツィオーネをほぼ即決したという土屋さん。

皆さんはクルマの情報をどんなところから得ていますか?

滝本さん「雑誌も見ますけど、YouTubeで検索することが多いですね。車名で検索して、インプレッションなどを見たりしています」
縣さん「Webが多いですね。Googleで車名を入れて検索したり、『webCG』を見たり。それから友人にプロのレーシングドライバーがいて、その人から“アバルトはおもしろいよ”と、教えてもらいました」
伊藤さん「8年間海外にいたので、その頃はインターネットで調べることが多かったですね。それ以前から、雑誌は『Tipo』とか『Car Magazine』を読んでいました。ほかもライバル比較が出ていたりとかすると、そういうのは読みますね。さらに深く知りたくなったら、インターネットで色々調べてみたりとか。雑誌とネット、両方チェックしています」

180720_Abarth_09
縣さんは、なんと知人にプロのレーシングドライバーがいて、その方からのお墨付きがもあり、アバルトを所有するに至ったそうです。

小泉さん「95%は“みんから”です。ユーザーレビューや整備手帳を参考にしています。実際に使っている人の目線で書かれているので、 とても参考になると思うんです。例えば、レビューではダメなところあるのに星が5つだったりすると、それはなぜだろう? みたいな理由を探ることができますから。もちろんメディアのプロの方の記事も参考にはなるんですけど、それはどっちかというと興味を持つきっかけで、購入の参考にするのはユーザーレビューの方ですね」
宮岡さん「子供の頃からずっと雑誌です。インターネットで調べてクルマを買ったことはないですね。自分がいいと思ったら周りの意見は気にしないので、今もあんまりクルマ関係のWebとかは見ないです」
土屋さん「情報の元は、本屋での立ち読み(笑)。おもしろいと思ったものは買いますけどね。それとカタログを集めるのが好きなので、ディーラーにもらいに行きます。でもパーツの情報はネットで入手することが多いかな」

アバルトを購入したときに比較したクルマはありましたか?

伊藤さん「ルノー・トゥインゴGTですね」
宮岡さん「アウディのS1も検討しました」
縣さん「MINIのジョンクーパー・ワークスを検討しました」
小泉さん「ポルシェのボクスターもちょっと考えてたけど、比較したり悩んだりするほどではなかったですね」
滝本さん「ありません」
土屋さん「私もないです」

180720_Abarth_10
滝本さんは購入時に「アバルト一択だった」という硬派ぶりを披露してくれました。

クルマ以外にどんな趣味をお持ちですか?

滝本さん「折りたたみ自転車を8台持っています。20インチ以下のミニベロで、アバルトに積んで走りに行っています」
縣さん「月並みだけど、ゴルフです。もちろんアバルトでもゴルフに行きますよ。アバルトだと一緒に行く人から乗せていってくれとかいわれないのがいいですね(笑)。あと、美味しいものを食べるのが好きなので、京都や宮城までクルマで行くのも好きです。レースを観に行ったりもします」
伊藤さん「人に引かれちゃうぐらい多趣味なんです(笑)。メインはクルマですけど、ほかに鉄道、飛行機、自転車と、メカニカルなものはほぼ何でも好きですね。それ以外にも模型、釣り、観賞魚とか。ゴルフも付き合い程度にはやります。忙しくて仕事する暇がないです(笑)。盆栽にいく人の気持ちもわかります。これまでオートバイはやったことがないんですけど、ハーレーはいまだに憧れています。子供の手が離れたらバイクにも乗りたいですね」

180720_Abarth_11
伊藤さんは趣味が豊富で、特にメカニカルなものが好きとのこと。それでも一番はやっぱりクルマのようです。

小泉さん「クルマ以外のものは、熱の度数ではだいぶ下がりますね。ゲームとか、自宅でPCに向かっていることが多く、インドア系が多いです。美味しい食事をしに行くのも好きですけど、それもクルマで行くことが多いですね」
宮岡さん「ぼくは明るいオタクを目指していて(笑)、特にミニカーが好きでずっと収集をしています。今は600〜700台くらいはあるんじゃないかな。実家の自分の部屋に飾ってあるんですけど、見たら皆、引くと思いますね。アバルトのパーツが欲しいときにはミニカーを売って資金にしています」
土屋さん「色々なことをやっています。チョロQを一度に3万円分くらい買って後で買いすぎたと落ち込んだりすることも(笑)、ジーンズにこだわったときは岡山まで行ったし。時計もそんな感じです。今はハワイ関連。ビザをとって滞在して、ガイドブックを自費出版したりもしました。一時はAMAZONで1位になったこともあるんですよ」

180720_Abarth_12
小泉さんにとってもクルマは特別な存在で、他の趣味に比べて熱の度数が高いとのこと。

アバルトを購入する前と後とで、何か変わったことはありましたか?

小泉さん「イタリア人になれた気がします(笑)。あと、後ろのクルマから煽られることが増えたような気が……。まあ、そういう時は相手にしないでスピードを落としちゃいますけどね」
縣さん「窓を開けて走ることが増えました。音がいいので。単調な高速道路を使わないで、下道を走ることも増えましたね」
伊藤さん「周りの子どもが反応するようになりました。小学生が指差してきたりとかも。だからアバルトは乗るときにはシャキッとします」
土屋さん「交差点とか駐車場で並んだときに、隣のクルマからタイヤのあたりを見られることが多くなりましたね」
宮岡さん「あります。自分もです。最初のうちはタイヤに何かついているのかな、と思いました(笑)」
滝本さん「通勤が楽しくなりました。きつい仕事なので、そういうのはとても重要なんです。あとアバルトだとクルマで音楽を聴くときに、ハードな曲とも合うんですよね」

180720_Abarth_13
アバルトに乗るようになって、クルマの足回りに視線を感じるようになったという宮岡さん。アバルトのホイールやブレーキキャリパーが視線を集めているようです。

ご自身が所有されているアバルトは、100点満点で何点ぐらいですか?

縣さん「100点です。多少不満に感じることはあっても、やっぱり100点」
土屋さん「100点以上、ですね。ずっと乗っていたいです。GT-Rと較べても、アバルトの方が楽しい」
宮岡さん「僕も100点以上です。クルマを買い換えるとしても、もう一度同じアバルトに乗りたい」
小泉さん「点数はつけられないですね。代わりになるクルマがないですから」
伊藤さん「2人用のセカンドカーとしてなら100点。娘ふたりも乗せるファーストカーとしてだともう少し点数は下がるけど、奥さんも気に入っていますし、ぜんぜん壊れないところもいいですね」

180720_Abarth_01_2

アバルトの魅力を表現するとどんな言葉がぴったりきますか?

伊藤さん「小さいのに、喜びはものすごく大きい。他にない面白さを持ったクルマですね。電動格納ミラーがないとか小さい不満があったりもしますけど許せちゃう気がします」
縣さん「見かけは小さなハコだけど、走るとすごい。大人のオモチャ、ですね」
小泉さん「ラジコンみたいな存在、ですかね。好きなようにできるから。というか、言葉にできない魅力があるんですよね……」
土屋さん「試乗したら欲しくなるクルマ。友人を連れて行ったら、その人も買ってしまった」
滝本さん「元気になれるクルマ。燃費もいいですしね」
宮岡さん「世界平和のツール、ですね。知らない人に声をかけられることが増えました。クルマ好きの人と仲良くなれるし、人と人を繋いでくれるクルマです」

180720_Abarth_14
座談会をリードしてくれた自動車ライターの嶋田さん。

──2回にわたってお送りした「アバルト座談会」。いかがだったでしょうか? 同じクルマに乗るオーナーだからこそ賛同できたり、新鮮な意見を聞くことができたり、なかなか興味深かったのではないかと思います。参加いただいた皆さんがご自身のアバルトに満足しているのがわかり、とてもうれしく、有意義な座談会となりました。皆さん、ありがとうございました!

関連記事
オーナー同士でアバルトを語らい合う座談会レポート(第1部)