オーナー同士でアバルトを語らい合う座談会レポート(第1部)

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5月27日(日)、アバルトオーナー同士でアバルトについて語らい合う「アバルト座談会」を都内で実施しました。ご参加者の口から飛び出した意見は、同じクルマに乗るがゆえの同意があったり、時に意見が分かれたりと興味津々。午前に行われた第1部と午後の第2部から、まずは第1部の模様をお届けします。

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アバルト座談会第1部の参加者は以下の4名。進行役は自動車ライターの嶋田智之氏です。
大島正行さん 所有車:アバルト500/124スパイダー
松井 慎さん 所有車:アバルト595
間野 豊さん 所有車:アバルト595コンペティツィオーネ
渡辺昌明さん 所有車:アバルト595コンペティツィオーネ

まずはアバルトを知ったきっかけ、入手された経緯をうかがいたいと思います。

大島さん「もともとランチア デルタ インテグラーレを所有していて、歴史などを調べているうちにアバルトがデルタの開発にも関与していることを知って、そこから興味を持ちました。モータースポーツでアバルトが強かったことを知って、なおさらでしたね。2009年にディーラーで500の試乗をしたとき、スポーツモードに入れたら予想していたより楽しくて、そこでハマりましたね。それからずっと500を楽しんでいますけど、124スパイダーが出ると聞いたとき、実車に試乗することなく買い足しました。25年前にも屋根が開くクルマを持っていて、その楽しさを知ってたし、それをアバルトで楽しめるっていうだけで欲しくなりましたから」

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アバルト500と124スパイダーの2匹のサソリを多頭飼いされている大島さん。

松井さん「ずっとドイツ車にばかり乗っていたんですけど、実はうちの奥さんはラテンのクルマが好きなんです。デザインの好きなクルマが多いみたいで……。そして最初はフィアット500のツインエアを買ったんですけど、乗ってみたら面白くて、夫婦で取り合いになりました(笑)。さらにディーラーでアバルトにも試乗してみたら、やっぱりハマって今年の2月に乗り換えることになったんです。あえてベースグレードを選びました。本当はMTに乗りたかったんですけど、奥さんが乗るのでMTA(ATモード付5速シーケンシャルトランスミッション)仕様にしました。仕事で必要なこともあるのでドイツ車のステーションワゴンも所有していますけど、アルファロメオ ジュリアあたりのワゴンが出たら買いたいですね。もうドイツ車じゃなくていいです(笑)」

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もともとはドイツ車に乗っていらして、最近はイタリア車をひいきしているという松井さん。

間野さん「アバルトの存在は若い頃から知っていました。ラリーが好きで、WRCが好きだったから。ただ、当時は“アバルト”と読めなくて、何て読むんだろうと思ってましたね。そしてだいぶ時間が経って、イタリアが好きになり、イタリア車も好きになり……。最初のイタリア車はアルファロメオ155でした。その後、子供もいたので日本車のミニバンに乗っていたんですけど、4年前に中古のアルファロメオ156 V6を手に入れまして、それを趣味のクルマにしていたのですが……。実はミニバンが不慮の出来事で廃車になっちゃったんです。それでもう1台必要ということになって、ちょうど黄色いボディカラーが導入されたこともキッカケになって、595の試乗に妻と一緒に行ったんです。私は小さいクルマと黄色いクルマが好きなものですから……。そうしたら妻も“これは楽しいわね”と気に入って、コンペティツィオーネの黄色、左ハンドルのMTを購入することになりました。今は走りが楽しいアバルト595、音が気持ちいいアルファ156 V6、家族で使えるジュリエッタの3台です。子供も大きくなったので、エスカレートしてますね(笑)」

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最初のイタリア車はアルファロメオで、その後アバルト595を買い足されたという間野さん。

渡辺さん「インターネットのバナー広告で見たのが、直接のキッカケだったと思います。当時はディーラーが県内にひとつしかなかったので、子供と一緒に試乗に出掛けて、帰ってからも“楽しいクルマ”だったなんて話をしてたんです。その頃は日本車のミニバンに乗っていて、12〜13年も乗り続けていたので、そろそろ買い換えようとしました。でも、4人家族でおばあちゃんもいる。アバルト1台だと無理かなぁと思いながら、次は奥さんも連れていって試乗させたら、奥さんも気に入ってハンコを押すことになったんですよ。後で注文書の控えを見て“オプションのブレンボってなに? 40万円?”って怒られましたけどね(笑)。やっぱりスポーツモードの激変ぶりが決め手でした。結局、ミニバンは下取りに出さず、まだ所有しています。アバルトにおばあちゃんを乗せようとすると、“クッション悪いし、2ドアで乗りづらい”なんて言われますから(笑)」

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ディーラーで奥さまにも595コンペティツィオーネに乗ってもらい、注文書にハンコを押すことができたという渡辺さん。

皆さんはクルマの情報をどんなところから得ていますか?

松井さん「いろんなところからですね。雑誌、インターネット、友人・知人とほぼ全部。自動車雑誌はだいたい目を通してます。一般誌も見ています」
渡辺さん「私は雑誌をまったく読まないですね。鉄道が好きだった頃は、たまに鉄道雑誌を買ってましたけど」
間野さん「最初にアルファロメオを買った頃は、『Tipo』を読んでました。最近はインターネットが多いですね。『みんカラ』とか、コミュニティサイトも見ます。何か情報を調べたいときには、Googleで興味を引いたところを検索しています」

大島さん『カーマガジン』と『Tipo』は読んでます。あと写真が綺麗なので『CG』も。雑誌の記事は実際に乗った感覚がイメージしやすいです。ただし、その試乗記が信頼できるかどうかは、文を書いているライターさんにもよりますね。ライターさんの名前は必ずチェックしています」
渡辺さん「私は雑誌もインターネット媒体も、ほとんど見ません」
松井さん「インターネットは、めぼしいところを全部、お気に入りに入れてます。で、気になるクルマの情報があったら読む。お風呂に入りながらiPhoneで見たり。スマホで見るのがほとんどですね。Yahooニュースからの繋がりで見たりとか」

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自動車ライターの嶋田智之氏。

アバルトを購入するときに比較したクルマはありましたか?

大島さん「BMWミニ。それからルノーも選択肢に入ってきますね。どちらも購入の候補というよりライバルとして、という意味合いの方が強かったかも。124スパイダーを買うときは、まったく比較しませんでした」
松井さん「プジョー208 GTIとルノー ルーテシア RSは気になりましたね。親は足が悪いので、車椅子を畳まないで後ろに入れられることも重要なんです。124スパイダーも欲しいんですけどね。奥さんの許可が出たら、アバルト2台持ちしたいぐらい」
渡辺さん「他のクルマとは比べないで即決でした。ミニも候補には挙がらなかったですね」
間野さん「一択でアバルト、でした(笑)」

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クルマ以外にはどんな趣味をお持ちですか?

大島「時計ですね。15本くらい所有しています。メカニカルなものが好きなんですよ」
松井さん「鉄道かな。電車は新しい路線が繋がると乗りに行ったりしています。あと、温泉。秘湯巡りにはクルマで向かいます。休みになったら自然の中に行きたくなりますね。行きと帰りとで、運転を奥さんと分担しています。温泉もクルマも、ふたりで楽しめるのがいいです」
間野さん「わたしは多趣味で、温泉も好きだし、スポーツは観戦もやる方も好きです。あとは釣りも、写真も好きだし。釣りは小学校の低学年ぐらいからずっと好きで、今は息子と一緒に海釣りをすることが多いですね。写真はカメラ歴20数年で、一眼レフもミラーレスも使います。競馬の一口馬主もやっているので、馬を撮ったりも……」
渡辺さん「釣り歴20数年で、渓流釣りをやっています。戦略を立てて攻略するのが面白いのと、山歩きの感覚に近いのもいいですね。ほとんどの場合は日帰りですけど、結構遠くまで行きます。行き帰りの山道はアバルトを楽しめますしね。以前はバイクにも乗っていて、最近はちょっと自転車もやっています」

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温泉、スポーツ観戦、釣り、写真、競馬の一口馬主とアクティブにライフスタイルを楽しまれている間野さん。

アバルトを購入する前と後とで、何か変わったことはありましたか?

松井さん「用がなくてもクルマに乗るようになりました。なんか乗りたくなるんですよ。近所を30分走るだけでもいい。ドイツ車は、楽だから乗っていたという感じです。昔はゴルフをカリカリにいじって乗ってたりもしてたんですけど、それも落ち着いて仕事も忙しくなって、楽なクルマがいいや、なんて思ってたんですね。そこへ来て奥さんがチンクエチェントがいいって言い出して、ツインエアに乗って限られたパワーを使い切る感覚が蘇った。今でもアバルトを奥さんと取り合いしています(笑)。アバルトに乗ると、出かけたときの気分が違いますね。アクティブな気持ちになれます。嫌な打ち合わせに行かなきゃいけないときとかも、仕事のモチベーションが上がります」
大島さん「どこに行くのもアバルト、になりました。500の方はすでに15万キロです。クルマで出かけるので飲み会にも行かなくなりましたし、仲間の集まりに行っても飲まなくなりました。今、500と124は半々ぐらい、ですかね。500はやんちゃなところが面白いし、124は全方位的に出来がよくて大人な感じ。同じアバルトでも、違うんですよね」
間野さん「アバルトに乗って、ヘアピンカーブとかが好きになりました(笑)。タックインを使って走るのが面白いですね。アバルトは交差点ひとつ曲がるのでも楽しいです。アルファロメオ156の方は味わうように走る感じで、アバルトではちょっとハイペースで走るようになったかもしれないです。楽しいので」
渡辺さん「走りに行く場所は変わりましたね。渓流釣りに出掛けるキッカケにもなっているかもしれない。夜中に自宅を出るので、走るのが楽しくてしょうがないですから(笑)」

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アバルトに乗るようになって「どこへ出掛けるときもクルマを使うようになった」と話す大島さん。もう1台の愛車アバルト500の走行距離は15万キロに達しているという。

ご自身が所有されているアバルト、100点満点で何点ぐらいですか?

松井さん「走りは95点。使い勝手の面で注文があるとすれば、ドアを開けた時にカチッと止まってくれるといいなと思うのと、あとサイドミラーがたためるようになると嬉しいですね」
渡辺さん「ドアはカチッと止まるポイントが遠いんですよね。点数に関しては、家族の評判もいいし、95点かな。燃費もいいし、フィアット500と扱いが同じだから車両保険も安い」
大島さん「124スパイダーは85点ぐらい。マイナスがあるのは、荷物が乗らないことかな。ゴルフバッグを積みたいんですよ」
間野さん「満足しているので、点数は100点。ワイパーが間欠式じゃないのはちょっと……と思うけど、壊れないし疲れないし。燃費もよくて、千葉から那智勝山(和歌山県)まで無給油で行けちゃうし」
松井さん「燃費は、普段は13〜14km/Lぐらい。最高は22km/Lでした」

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松井さんのお気に入りのポイントはズバリ走り。「用がなくてもクルマに乗るようになりました」という。

アバルトの魅力を表現するとどんな言葉になりますか?

松井さん「一言では言いづらいですねぇ。感じて初めてわかるクルマだと思うから。首都高の環状線を試乗すれば、買いたい人が増えると思います。
大島さん「五感で味わうクルマ。例えばトンネルの音、とか」
間野さん「納得です。音が弾けてますもんね。言葉にするとしたら……セカンドカーを探している人におすすめ、かな」
渡辺さん「色々な魅力のあるクルマで、家族も“こんなの買ったの?”とはならないから、そういう意味ではおすすめしやすいクルマだと思いますね。維持費もそれほどかかる感覚はありませんし」

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SCORPION MAGAZINEの記事に期待されることがあれば、教えてください。

渡辺「ヒストリーに関する記事、でしょうかね。自分のクルマのバックボーンがわかるとうれしいですね」
松井さん「古いアバルトの取材記事は読みたいですね。最近、雑誌とかでもあんまり見ないので」
大島「歴史にももちろん興味はあるんですけど、ほら、クルマって細かな改良が繰り返されながら生産が続くわけでしょう? それらがいつのどのタイミングで行われて、前と後ではどう違うかとか、そういう情報も知りたいですね。……マニアック過ぎるかな(笑)」

皆さま、今日はお越しいただきありがとうございました。

第2回のアバルト座談会の模様も近々お届けしますのでそちらもぜひ楽しみに。

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