ゲームの世界を離れ、アバルト沼へ。アバルトライフFile.91 シュンさんと595

ゲーム漬けの日々から、人生を変える“1台”との出会いへ。アバルトに魅せられ、走りや排気音、そして温かなコミュニティのなかで自分を磨いていったシュンさん。内向的だった彼は、クルマとともに大きく変わっていった。アバルトが開いた新しい世界と、そこから確かな一歩を踏み出した、24歳の物語。

もともとはそれほどクルマが好きではなかったと聞きましたが、以前は何か別の趣味をお持ちだったのですか?

「以前の趣味は、何といってもゲームでした。小学生のとき、とあるオンラインゲームにハマってしまい、睡眠時間を削ってまで遊んでいたほどです。その後もゲーム中心の生活は続き、社会人になってからもゲーム漬け。親が心配するくらいだったんですが、家にこもっていたぶん貯金だけは溜まりました(笑)。
そんな頃、会社の上司がフィアット 500に乗っていて、その上司とペアで仕事をすることになり、何度か隣に乗せてもらったんです。そして、その上司が『シュン君もフィアット 500どう?』と勧めてくれて」

その時、シュンさんにとってクルマとはどんな存在だったんですか?

「完全に“移動手段”としか思っていなかったですね。当時は軽自動車に乗っていたんですが、汚れた服のまま乗っても全然気にならないくらい、ただの足でした」

アバルトに乗り換えたのはどういう経緯だったんですか?

「その上司の影響でフィアットにしようと思っていたんですよ。デザインがかわいいし、僕自身ちょっと目立ちたがり屋なところがあるので、人と違うクルマに惹かれたのもありました。それで販売店に行ったんですが、お店の人がなぜかアバルト推しで(笑)。アバルトがどんなクルマか全然知らなかったんですが、父に相談したら父の会社の人もアバルトに乗っているらしく、いろいろ調べるうちに“アバルトって面白そうだな”と思い始めました。クルマに興味がなくても、男子ってスポーツカーへの憧れがどこかあるじゃないですか。実際にアバルトを見てみたら、もう買いたい気持ちが膨らんでしまいましたね。それで結局595 Competizioneを購入することにしたんです」

購入後もさらにクルマに対する価値観は変わっていったんですか?

「最初は楽しい移動手段くらいの感覚でした。でも乗っていくうちに、走り、排気音、そして“そこらで見ないクルマ”に乗っているという高揚感。さらにカスタムをしていくうちに、自分だけのクルマになっていくのが本当に楽しくて。僕は昔から、一度ハマったら徹底的に突き詰めるタイプなんですよ。ゲームでは世界何位とか、そういうレベルまでやり込んだこともありました。その情熱がそのままクルマに流れていった感じです。実際、最初に595 Competizioneの右ハンドルを購入し、その後、595 左ハンドルへと乗り換えて、すでにアバルトは2台目になります」

今一番大切なものはなんですか?

「“一番はクルマ!”と言いたいところですが……やっぱり友だちですかね(笑)。実は僕、昔はかなり内向的だったんです。でもクルマを買って初めてイベントに行ったとき、SNSで繋がっていた島根県の子に『え、シュンくん?』と声をかけてもらって、そこで友だちができたんです。“ネットの人と会うのって怖くないんだ”と思えた瞬間でした。そこからその友だちや櫻井くんとイベントに行きまくって、人脈が一気に広がりました。年上のアバルトオーナーの方にも可愛がってもらって。クルマをきっかけに、本当に人生が変わったと思います」

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