ゲームの世界を離れ、アバルト沼へ。アバルトライフFile.91 シュンさんと595

最終的に行き着いた純正というチョイス

クルマのおかげで生活そのものが変わったんですね。

「はい。今では身だしなみに気を遣うようになりましたが、ゲーム漬けだった頃はほとんど気にしていなかったので、今とは別人に見えたかもしれません。“アバルトからこんな人が降りてきたらカッコ悪いよな”と思われたくなくて、自分を変えようと思ったんです。ヒゲ脱毛をしたり、ファッションに気をつけたり、内面からも変わろうとして。自分をつくり直せたのは、本当にアバルトのおかげだと思っています」

周りの反応はいかがですか?

「昔の知り合いには『なんか変わったな』とよく言われます。高校の友だちと会っても『お前こんなやつだったっけ?』と言われたり。小学校の友だちと久々に会ったときなんて、もう何十年ぶりだったので本当に驚かれました。会社でも上司とよく話しますし、クルマをカスタムしていたら社内でちょっと有名になって。『あそこ変えた?』『ここもイジった?』と声をかけてもらったり。なんだかクルマと自分がセットになってきていて、切っても切れない存在ですね」

アバルトのどこに惚れ込んでいるのですか?

「やっぱり“走り”と“排気音”、そして“ボーイズレーサー感”ですね。すっかり魅了されちゃいました。以前はボーイズレーサーという言葉すら知らなかったと思うんですが、今ではその雰囲気にすごく惹かれています」

デザインについてはどう感じていますか?

「ちっちゃくてかわいい。アバルトって軽の駐車枠に入るサイズ感なんですよね。そんな小さなサイズで、595 / 695 Competizioneの場合は180馬力。そんなクルマ、なかなか作れないと思うんです。唯一無二ですよね。デザイン、パッケージング、サイズ感、すべて100点。内装はそこまでスポーツに特化していないけれど、排気音は純正でも爆音級。あの空間でハンドル握ってシフトノブを持てば、興奮しないひとはいないと思います」

もはや愛車を見ない日はないですか?

「ないですね。自宅の駐車場で止まっている姿を見ると“やっぱ俺のクルマ、かっこいい”と思います。外食に行っても、店から出ると必ず振り返って“うん、やっぱりかっこいい”。どこで見ても、自分のクルマが一番かっこいいですね(笑)」

マフラーは純正のレコードモンツァですね?

「はい。実は以前はマフラーをワンオフで作ってもらったこともあり、これまでに10本くらい試しました。でも最終的にはレコードモンツァが一番でした。純正でデザインもよくて、バルブ排圧式で、あんな小さなフラップひとつで低速トルクを確保しているのは本当にすごい。よくこんなこと思いつくなと感動して、技術者への敬意もあってレコードモンツァを選んでいます。そういうところから工業的な仕事にも興味が出てきて……。音もあのゲロゲロっとした独特の音で、他のマフラーとは少し音色が違う。行き着く先はやっぱりレコードモンツァでしたね」

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