鉄道を動かす運転士さんの次なる夢。アバルトライフFile.82 大野さんと595C Turismo
子どもに手を振ってもらえる運転士へ
抑制が効いていますね(笑)。
「自分はそこまで派手なものやきらびやかなものが好きかというとそうでもなくて、どちらかというと落ち着いたなかにさりげない主張があるようなものが好きで、着る洋服もワンポイントの特徴があるぐらいがちょうどいいというか、多分そういう性格なのだと思います(笑)」
そんなご自身の性格にアバルトはぴったりだと思いますか。
「あっていると思います(笑)。カスタムも嫌いではありませんが、個人的にはあまり派手にするというよりは、屋根が開くことや丸目のかわいい見た目らしからぬエキゾースト音を発する純正の状態でも程よく個性的だと思いますので、自分にはちょうどいいと思います」
お乗り換えの時にマニュアルも捨てがたかったと話されていましたが、MTAの印象はいかがですか?
「MTAはシングルクラッチ式なので一般的なオートマチックとは違って変速する際に一瞬加速が止まる感覚はありますが、僕はマニュアルからの乗り換えなので違和感は感じないですね。変速する瞬間にやんわりアクセルを緩めるという動作を自然とやっているので気にならないです。一方、高速道路の合流で加速したり、素早い動きをしたいときは、マニュアルモードにしてパドルシフトでエンジンを引っ張ってあげると楽しく扱うことができます。パドルでの操作感にも、シフトレバーを動かすのとはまた別の楽しみがあると思っています」
スコーピオンモードも使いますか。
「スコーピオンモードにすると加速感も増しますし、周囲のクルマの流れにスムーズに乗れたりというメリットもあります。何よりアクセルをグッと踏んだ時にターボが立ち上がって加速していくフィーリングが楽しいですね。ただ、それを楽しみたいのが本心ではあるのですが、街中で緩急激しい運転はできないですし、走るステージによって使い分けをしています」
安全第一で運転されている様子が伝わってきます。
「渋滞していたり、交差点が多いところでは気持ちを切り替えてやさしく運転するということを心がけています。周りのクルマに乗っている方も、駅のホームで電車を待っているお客さまも一緒だと思うんですけど、急ブレーキをするような運転だと、この運転士さん運転が粗そうだなという印象を与えてしまうと思うんです。なのでどういう動きをするかを、第三者の目で見られるような運転を心掛けているところはあるかもしれません」
いま挑戦していることについて教えてください。
「今の夢は立派な運転士になることです。一人前になり、日々の安全を自分が最前線で守る、そういう人物になりたいと思っています。よく子どもが電車に手を振る姿を見掛けますが、ああいうことをやってくれるのは、憧れや事故を起こさず運転していることへの信頼があるからだと思うのです。自分もそうした信頼される運転士になりたいですね。それが今の挑戦というか夢です」
大変な使命感を背負われていそうですね。
「そうですね。仕事ですので辛いと思うこともありますけれど、根底には乗り物を操ることが好きな気持ちがあります。仕事もそうですしプライベートも含め、好きであることが自分の原動力なのかなと思います。仕事がオフの時にはアバルトを相棒のような存在に感じており、運転しているときが最も気分をリフレッシュできる時間になっている気がします。そんなアバルトに乗って景色のいい所に行き、クルマと一緒に写真を撮ったり、眺めている時間が好きなんです」
鉄道の運転士さんにお話を伺うのは初めてでしたが、安全に対する強い使命感を持たれていることが伝わってきました。鉄道を運転している時だけでなくクルマを運転するときにも抑制の効いた、安全第一を心掛けているところに強いプロ意識を感じました。多くの子どもに手を振ってもらえる立派な運転士さんを目指しながら、オフの時はアバルトと共に楽しい日常をお過ごしください!
文 曽宮岳大
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