電気ならではの面白さを味わっています File.69 茂木さんと500e Scorpionissima
茂木(もてぎ)英之さんと初めてお会いしたのは、フジスピードフェスティバル2023の会場となった富士スピードウェイのパドック。生憎の雨模様のなか、愛車の595C esseesseでレーシングコースを走りにいらしていた。その後、まもなくして茂木さんから、500eに乗り換えたとのご報告をいただき、取材させていただくことに。サーキット好きの茂木さんがEVを選んだ理由は? 待ち合わせ場所には、Poison Blueの「500e Scorpionissima」の姿があった。
3台目のアバルト
茂木さんは、595 Competizione、595C esseesseを乗り継いで、今回500eを選ばれたのですよね?
「はい、数年前にマニュアルトランスミッションで走りを楽しめるライトウェイトスポーツが欲しいと思い、できればオープンカーがいいなと、愛車探しをしていたんです。色々見た結果、レコードモンツァの迫力ある排気音に魅了されて595 Competizioneに行き着きました。そのクルマに7ヶ月ぐらい乗ったところで、ディーラーの方から“限定車で595 esseesseというモデルが登場し、オープン仕様もありますよ”と案内をもらい、まだ購入したばかりではあったのですが、“今なら下取り額もがんばれます。いかがですか”と甘い声に誘われて、とりあえずディーラーに足を運んでみたんです(笑)。そのクルマはまさに“595 Competizioneのオープン版”ともいえる仕様で、さらにアクラポビッチのマフラーのほか、ホイールやその他のパーツも専用品になっていたんですよね。自分にとってベストな仕様が図ったかのようにメーカーから登場し、条件も良かったので決めてしまったんです」
その595C esseesseはどれぐらいの期間乗られたんですか。
「ちょうど車検の時だったので3年乗りましたね。これがまたタイムリーな話で、ちょうど車検でショールームにうかがったのが、500eが発表された昨年(2023年)の10月だったんですよ。それで “試乗してみますか?”とお誘いを受けたので、軽い気持ちで乗ってみたんですけど、これがすばらしい(笑)。マニュアル車ではないですがそれを考慮しても、アクセルのレスポンスの良さや、車体の安定性、乗り心地の良さ、そして最新の電子デバイスなど、余りある魅力を感じたんです。その時はショールームの近所を試乗しただけだったのですが、その後、家に乗って帰る機会をもらい、自宅に充電設備があったのでそれを試して問題ないことを確認したんです。そんな気持ちが揺らいでいるときに、担当の方から“今だったら2週間で納車できますよ”というオファーをいただき、数日間考えた結果、よし買おう!という結論に至ったというわけです(笑)」
購入を悩んでいる時、どのようなことを考えたのですか?
「EVということで、航続距離が一番引っかかったところですね。実は去年の夏休みにアバルトで6泊7日の旅行をしまして。1回の旅で2400km、四国、九州、広島とぐるっと回る長期旅行をしたんです。年に1、2回はそういう旅をしたいなと思っていたので、充電が必要な電気自動車だとどうなのかなと。果たして自分のカーライフに合うのかどうかが一番不安でしたね」
日常ではどのような使われ方をしているのですか。
「普段は週末に100km圏内を走るぐらいなので、その点、500eは満充電で実用220kmは走るので、ほぼほぼマッチするかなと考えました」
プラスの要素としてはどういうことが頭に浮かびましたか?
「プラスの要素としてはやはり乗り心地ですね。595と比べても直進安定性が良く、あとコーナーでの挙動もすごく良くて、立ち上がりもすごい気持ちいいところに惹かれました。やっぱりターボ車と比べると、アクセルレスポンスにアドバンテージがあって、これだったらショートサーキットはすごく速いんじゃないかという期待がありましたね。反面、マニュアルではなくなるので、操作するというより、操作させられている感が出ちゃうのかなと不安ではありました」