アバルト 500eは“よく曲がる”! 現役ラリードライバー、りんごちゃんが語る電動サソリの走りの楽しさ

アバルト初の電気自動車として登場した「500e」。スポーツエキゾーストシステム「レコードモンツァ」を模したスポーティなサウンドを奏でるサウンドジェネレーターに目が行きがちだが、肝心な走りのほうはどうなのか。前回に続き、アバルトが本来こだわっている“走りの楽しさ”という観点から、りんごちゃんに500eの印象を語ってもらう。

曲がるのが楽しいクルマ

ドライビングレッスンなどでアバルトオーナーさんとお話すると、“ハンドルを切るのが楽しい”とおっしゃる方が多いんです。私もその意見に同感です。もちろん、レコードモンツァやノーマルのエキゾーストシステムが奏でるサウンドも魅力的ではあるのですが、極論を言えば、私は排気音がなくても、アバルトは楽しいクルマだと思っていました。


ラリードライバーのりんごちゃんこと石川紗織さん。

ですから、オーナーさんが“ハンドルを切るのが楽しい”とおっしゃるのは的を射ていると思うのです。ハンドルを切るのが楽しいということは、エンジンの音やパワーだけでなく、クイクイ曲がっていくアバルト特有の感覚を楽しんでいるということですから。

個人的には、電気自動車になったことで、音よりもむしろ振動がなくなることの方が、楽しさを削いでしまうのではないか、という懸念がありました。長年、アクセルを踏んだ時のエンジンの鼓動に慣れ親しんできましたので(笑)。でも今回500eに試乗し、安心しました。もちろん電気自動車なのでエンジン振動はないのですが、いざ走らせてみると、タイヤを通じて伝わってくる路面からの振動はありますし、音についてもサウンドジェネレーターが演出してくれる。そして何より、ハンドルを切る楽しさ、走る喜びが健在であることが確認できたからです。


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