アバルトで走りたいドライブルート【紅葉狩りにもおすすめ 霧降高原道路(栃木県)】

ドライビングも景色も両方楽しめる

四季がはっきりしている日本。紅葉が美しい季節の到来です。大自然が紡ぎ出すパッチワークのような美しい山々の風景を堪能しに出掛けたくなりますね。そしてその道すがらたっぷりとクルマの持ち味を楽しむことができたら最高です。


今回のドライブの目的地は、紅葉が楽しめる栃木県・日光。首都圏から日帰りでも十分にアクセスでき、非日常感が味わえる。

今回はそうした紅葉狩りのドライブにふさわしい道を紹介します。通称「霧降高原道路」。栃木県日光市から川俣湖の方へと北上する県道169号線栗山日光線の一部、霧降大橋辺りから大笹牧場辺りまでの19km弱ほどの区間です。日光宇都宮道路の日光インターチェンジから15〜20分ほどのアクセスのいい道でもあります。


日光宇都宮道路・日光ICから栃木県道169号を北上していくと、ワインディングロードにたどり着く。途中には「霧降高原道路」の看板が出てくる。

日光エリアは、いわずと知れた観光地。霧降高原道路も、かつては有料の観光道路でした。それだけに景観の美しさは特筆すべきレベル。標高が上がるにつれて木々の彩りが変わっていく様子に心は浮き立ち、コーナーを抜けるといきなり目に飛び込んでくる美しい光景に驚き、クルマを停めて目の前に大きな広がりを見せるパノラマに感動し……と、サラッと走っているだけでも十分に目と心が満たされていきます。


道中、通過する六方沢橋。この近くの六方沢展望台からは、絶景が眺められる。

ゴールの大笹牧場では食も堪能できる

それに19km弱のルートに沿うようにして、霧降の滝や玉簾の滝といった景勝地も点在しており、温泉やキャンプ場もあります。途中のキスゲ平にはレストハウスがあり、標高1434mの山肌の美しいところを抜けていく高さ約130mに長さ約320mの六方沢橋も。いくつか見晴らしのいいパーキングもあり、数十台が集まってクルマを停められる場所もあります。また大笹牧場では、ジンギスカンや焼き肉などでおなかを満たせるなど、仲間とのツーリングにも家族やカップルでのドライブにも単独ショートトリップにも最適なルートです。


大笹牧場付近では、放牧された牛が見られる。大笹牧場では牛乳やソフトクリーム、バターなどの販売のほか、ジンギスカンハウスがあり、食を楽しめる。詳細は大笹牧場のwebサイトでチェックを。

道そのものも、抜群に楽しむことができます。低速、中速、高速とそのほとんどが複合コーナーで、クルマの操縦をみっちりと堪能できます。道幅はアバルトには十分な広さで、アップ&ダウンも激しくなく、路面の荒れている場所もそれほどないため、走りやすい道といえるでしょう。


ワインディングロードがお目当てでも十分に楽しめる。

今回の取材には595 esseesse(エッセエッセ)で向かったのですが、コースのあまりの楽しさに最初から最後までスポーツモードとTTC(トルク トランスファー コントロール)のスイッチは入れっぱなし。曲率の異なるコーナーひとつひとつをリズムを作りながらクリアして、実はざっと2往復半もしてしまったほど。道そのものは飽きることなく、短いノーズが気持ちよくインを突いてコーナーをピタリとトレースしてくれるので、癖になっちゃうほどでした。


今回のドライブのお供は、595 esseesse。パワフルな180psエンジンが勾配路でも頼もしい走りを発揮。シートのホールド性もよく、体をしっかり支えてくれた。

走ってよし、眺めてよし、遊んでよし。これほど充実している道も、そうはありません。ちょうどこの記事が公開される頃に、紅葉は一番の見頃を向かえそうなタイミング。週末には混雑することも予想されます。またルートはほぼ全域にわたって追い越し禁止のイエローライン、地元の方の生活道路としても機能しているので、時間帯によっては交通量もそれなりにありそうです。走りを楽しむためには曜日や時間帯を考える必要もあるでしょう。冬期にはタイヤの滑り止めが必要になることもあるようですが、基本、季節による通行止めはありません。けれど晩秋になると路面に落ち葉が舞うことになるでしょうから、ツルリと足元をすくわれないようにご注意を。名前のとおり霧が降って、視界が鈍くなることもあるようです。


撮影日は10月中旬で紅葉が見頃に差し掛かったぐらいの時期。今年は10月中旬から11月初旬頃までがピークとなる見通し。

一度走ってみたら何度も通いたくなるような道ですが、今の時期は、週末は多少混雑するかもしれません。まずは下見のつもりで紅葉や景観、地元の味を楽しみにのんびりとルートの散策や仲間とのツーリングを楽しんでみては。ドライビングを楽しみたい人は、走りに相応しい季節が来たらあらためてトライ、というのもありかもしれませんね。
くれぐれも安全運転で!

関連記事
「595エッセエッセ」に装着されている“アクラポビッチ”の排気音は?

595 esseesseの詳細はコチラ

文 嶋田智之