アバルト 500eは“よく曲がる”! 現役ラリードライバー、りんごちゃんが語る電動サソリの走りの楽しさ


ドライブモードを上手く使いこなそう

500eでは3つのドライブモードがあり、モードによりモーターや回生ブレーキの特性が変化します。「ツーリズモ」は、最高出力と最大トルクを抑え、回生ブレーキを効かせるモードです。これはバッテリーをセーブするモードと捉えられがちですが、確かにそういう使い方もできますが、カーブの急な峠道や渋滞路のような、パワーがあり過ぎない方が走りやすいシーンでも効果を発揮します。

次に「スコーピオンストリート」ですが、こちらは最高出力と最大トルクが発揮され、回生ブレーキが効くモードです。パワーが増すため、勾配のあるワインディングロードも気持ちよく走れます。

そして「スコーピオントラック」は、最高出力と最大トルクを発生しつつ、回生ブレーキの効きを抑えたモードです。これはハイスピードサーキットや交通量の少ない高速道路を走る時に向いていると思います。

私はワインディングロードでは、回生ブレーキが効く「ツーリズモ」か「スコーピオンストリート」が走りやすいと感じました。アクセルオフでピッチング(前のめりの姿勢)やローリング(横方向への傾き)の動きを作り出せるため、リズム良く運転ができるからです。私は今回のワインディングでの試乗中に、コーナーの手前で一度もブレーキを踏まなかったほどです。回生ブレーキONではそれだけ強い減速力が得られます。

では逆に回生ブレーキの効きが弱い「スコーピオントラック」はどうかというと、微妙なアクセルのON/OFFを繰り返すようなハイスピードサーキットの走行や、惰性を使って動かしたい車庫入れなどで有効だと思います。また、土砂降りの時や路面凍結の恐れがある場面では、急なアクセルオフにより挙動が乱れてしまう危険がありますので、そういう時も「スコーピオントラック」を選ぶと走りやすいと思います。

このように用途や自分のペダルワークに応じてドライブモードを使い分けることができますし、使いこなせばその使い分けそのものも楽しく感じられると思います。ぜひ、ご自身でも試してみてはいかがでしょう?

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パワートレインがエンジンからモーターに変わった500eだが、りんごちゃんによると、走りの楽しさは健在とのこと。よく粘る足回り、制動力だけでなく運転のリズムを生み出すうえでも役立つ回生ブレーキなど、最新モデルにふさわしい新たな進化を遂げているようだ。メーカーが「これまでで最高のアバルト」と謳う自信の秘密は、トータルバランスの良さにあるのかもしれない。

【アバルト 500e インプレッション動画 後編】

レポート 石川紗織/まとめ 曽宮岳大

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