「695 Tributo 131 Rally（695 トリビュート 131 ラリー）」登場。ラリードライバー石川紗織選手がインプレッション！ シリーズ5の乗り心地の解説も
シリーズ5で足のセッティングに変化あり!?
1970年代後半〜80年代初頭にかけて世界ラリー選手権（WRC）でタイトルを獲得した「フィアット・アバルト 131 Rally」。市販車をベースとしながら高度なチューニングにより頂点に上り詰めたそのコンパクトスポーツにインスピレーションを受け、2023年6月16日に発売された限定車が「695 Tributo 131 Rally」だ。前編では、131 Rallyの当時の活躍や、695 Tributo 131 Rallyの専用パーツについて紹介したが、続編ではワインディングロードを走らせた印象を、現役ラリードライバーの“りんごちゃん”こと石川紗織選手に報告してもらう。
まずは695 Tributo 131 Rallyの機能系パーツをざっと振り返っておこう。同モデルは、シリーズのハイエンドモデルである695 Competizioneをベースに、12段階に角度調整が可能なアジャスタブルスポイラーや、Sabelt製の専用表皮を纏ったスポーツシートを採用。エンジンはベース車と共通の1.4リッター直4シングルターボを搭載し、最高出力180ps、最大トルクはノーマルモードで230Nm、スコーピオンモードでは250Nmを生み出す。
トランスミッションは5MTのみ。高性能エキゾーストシステム「レコードモンツァ」のエキゾーストエンドが片側2本ずつ、上下に配置されるのが695 Tributo 131 Rallyの特徴となる。
内外装に限定車ならではの演出が施された695 Tributo 131 Rallyだが、メカニズム面はベース車である695 Competizioneを踏襲しており、乗り味は基本的にベース車と同様のはず。ただ、2009年のアバルト 500誕生以来、同シリーズはマイナーチェンジや仕様変更を重ね、現在販売されているモデルは第5世代、通称“シリーズ5”と呼ばれる。石川紗織選手はワインディングロードでの試乗を通じて、シリーズ4とシリーズ5の乗り味の違いをはっきり感じ取ったのだった。