「695 Tributo 131 Rally(695 トリビュート 131 ラリー)」登場。ラリードライバー石川紗織選手がインプレッション! シリーズ5の乗り心地の解説も

足の動きがしなやかに

ここからは石川紗織選手に報告してもらおう。

こんにちは。石川紗織です。695 Tributo 131 Rallyは往年の131 Rallyから受け継ぐストーリー性があり、また、それにちなんだ数々の専用パーツが採用されたクルマで、見た目は尖っているのに、乗り味はとてもまろやかないいクルマでした。今回はワインディングロードで走らせた印象を報告したいと思います。

エンジン&トランスミッションについて
エンジンパワーについては、ノーマルモードでは排気音が静かなことに加え、アクセルのツキ(※アクセル操作に対するエンジンの反応)もゆったりとした設定になるので、ゆっくりドライブを楽しむシチュエーションにはピッタリだと思いました。ただ、ワインデンングでのスポーツ走行では、特に上り坂の加速でちょっと物足りないと感じる場面もあり、そういう時はスコーピオンモードの出番です。

ダッシュボードのボタンを押し、スコーピオンモードに入れた途端、暴れるようなトルクが湧き出てきて、アクセルを踏む楽しさが増します。まさに“やる気”のモードですね。

試乗コースは、2速と3速を多用するワインディングロードでした。5MTのギア比はショートではない(※守備範囲が広い)ので、2速と3速、あるいは3速と4速のどちらでも走れてしまうというシチュエーションが多かったのですが、上のギアでは勾配によってパワーバンドから外れてしまう場面もありました。そういう時はドライバーの判断で適切なギアを選ぶ必要がありますが、シフトダウンした時の猛々しいサウンドがとにかく気持ちがいい。クルマ任せではなく、自ら操る感覚が強く感じられるのがこのクルマの魅力ですよね!

サスペンションについて
久々に180ps仕様のモデルに乗ったんですけど、シリーズ4では、ステアリング操作に対してクルマが向きを変える反応がもっと早い印象だったのが、シリーズ5でマイルドになっている感じを受けました。例えば、コーナーに進入する際、以前はステアリングを切ったら敏感に反応してクッと曲がり始めていたのが、現行モデルはすごくまろやかで、挙動変化が伝わってきやすいところが好印象です。また、コーナリング中にタイヤが路面にピタっと張り付いている感じが以前より強くなり、路面変化に対しても粘り強くなった印象です。

ショックアブソーバーの初期の反応が変わったのかもしれません。段差を乗り越えた際も、以前ならバンッと突き上げる感じだったのが、一旦ギュッと吸収してから突き上げてくる感じで、少しクッションとなる時間差が生まれたことが、乗り心地やドライバーへの伝わりやすさにつながっている印象です。このセッティングでは、高速でコーナーに進入していくような場面でも、ステアリングの切り初めの操作にそれほど神経を使わずに済むので、ドライバーに優しくなったと思います。もちろんいい走りができそうな感触です。


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