アバルトに「695 Tributo 131 Rally(695 トリビュート 131 ラリー)」登場。往年モデルの概要や、新型の専用装備&標準モデルとの違いを詳報

市販車ベースでWRCに挑んだアバルトの本気

栄光がいま、蘇る。「アバルト 695 Tributo 131 Rally(695 トリビュート 131 ラリー)」。世界695台限定で送り出されるこのリミテッドエディションは、日本に200台が割り当てられる。同限定車がオマージュを捧げるアバルト「131 Rally」は、ボクシーな2ドアセダンボディをまとって1976年に登場した。ここではその131 Rallyの軌跡を振り返りながら、往年のモデルと新型695 Tributo 131 Rallyとの繋がりを見ていきたい。

まずは131 Rallyの誕生背景から。アバルトは1971年にフィアットグループの傘下に入り、同グループ内でラリー用競技車両の開発や市販スポーツモデルの開発を担当した。アバルト「124 Rally」(1972年)やアウトビアンキ「A112アバルト」(1973年)が登場したのもこの時代だ。

1970年代半ば、世界ラリー選手権(WRC)では、同じフィアットグループに属するランチア・ストラトスが猛威を振るっていた。ランチアの競技部門HFスクアドラ・コルセにより、WRCで勝つことを目的に作られたパーパス・ビルド・マシンのストラトスは、1974年から1976年にかけて3年連続でワールドチャンピオンを獲得していた。


フィアット・アバルト 124 Rally

フィアットは1973年から市販モデルのフィアット124スパイダーをベースとしたフィアット・アバルト「124 Rally」でWRCに挑んだ。初年からマニュファクチャラー部門でシリーズ2位の戦績をあげ、続く74年、75年シーズンも同部門でシリーズランキング2位に着けた。そして76年に、124 Rallyの後を継ぐかたちで投入されたのが「131 Rally」である。


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