山野哲也選手×124スパイダー、2連勝とリベンジをかけた闘い

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全日本ジムカーナ選手権2019の初戦を優勝で飾った山野哲也選手と124スパイダー。幸先の良いスタートを切ったが、ここ第2戦目となるツインリンクもてぎ南コースは、かつて苦渋を味わったステージ。リベンジを狙うチームの闘いを追った。

悪天候に翻弄された逆転必須の闘い

その日、チームのテントには熱気が渦巻いていた。果たさなければならないリベンジ。2年前、アバルト124スパイダーにとってのデビュー戦の舞台は、ここツインリンクもてぎ南コースだった。山野哲也選手と124スパイダーは、決勝レースで9位と戦績が振るわず、苦戦を強いられたのだ。

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アバルト124スパイダーでの参戦3年目となる山野哲也選手。

山野哲也選手と124スパイダーはその年、シリーズチャンピオンの獲得に成功しているが、山野選手は序盤のその戦いを「負け」と口にした。常に冷静な山野選手は、今回のレースでもやれることのひとつひとつを淡々と積み重ねていたが、自身のなかで静かな炎を燃やしていたのだった。

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マシンに乗り込むその姿には静かな闘志がみなぎっていた。

一方、この日のもてぎの天気が不安定だった。未明に降った雨で路面はハーフウェット。山野選手の闘うPN2クラスが走る頃には、路面はほぼ乾いていたが、気温は低く先が見渡しづらい天気だった。そうしたなか1回目の走行で山野選手はコーナーのひとつひとつを丁寧に走りきり、1’31.954をマーク。ダントツの1位で午前の走りを終えることができた。ダブルエントリーで出場した実弟の山野直也選手も2位でゴール。完璧なレース運びだったが、その後、もてぎは強いにわか雨に見舞われ、さらに直後に太陽が燦々と輝く、移り変わりの激しい天気となった。この気まぐれの天気が午後の走行の読みを難しくしていた。

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1回目の走行はほぼドライ。ミスなく、ダントツのトップタイムで駆け抜けた。

午後の路面はウェットへ。しかし空は曇りから晴れに変わっていた。ライバルたちは、路面気温の上昇により午前のタイムを次々と更新。ついには午前の山野選手のタイムを上回る選手も現れた。再び最速タイムを更新しなければ勝てない逆転必須の状況のなかで、山野選手は124スパイダーのアクセルを踏み込みコースに躍り出た。

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午後はドライとウェットが入り混じる難コースへと化した。

時折水たまりに足を取られながら、突き進む124スパイダー。細かな修正舵を連続しながらFRマシンを操る山野選手の走りは、動画に収められている。冷静にしてダイナミックなその走りは、山野選手のこのレースへの意気込みそのもののように映った。

■動画「山野哲也選手×124スパイダーの走り in ツインリンクもてぎ南コース」

見事、優勝を果たすことに成功した山野選手は、今回のリベンジ戦を次のように振り返った。
「ここツインリンクもてぎ南コースでの開催は2年ぶりになります。過去に悔しい思いをしているので、そういう意味ではリベンジのチャンスと思って挑みました。結果的に優勝することができたので、124スパイダーにとってはこのコースでは初の勝利ということになります。それを実現できてよかったです」

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──今回のコースの特徴と、そこでの闘いを振り返ってよかった点を教えてください

「通常のジムカーナコースは1速と2速中心で、たまに3速に入るというコースが多いのですが、ここは2速と3速中心で、たまに4速に入る、超ハイスピード パイロンジムカーナコースです。そうしたなかで、ライバルには300馬力を超えるクルマもあるし、逆に車重が1000kgを切っている軽いクルマもある。そうしたなか124スパイダーはミドルサイズに位置しますが、ミドルサイズでもこれだけ速さが発揮できる。オールマイティに強さを発揮できる点が、124スパイダーの強みだと思います。まして今回は路面が濡れているところと乾いているところが連続していて、非常に難しい状況でした。そういうなかでは、クルマに高い安定感がないと速く走ることはできませんが、そういう状況でも速く走れてしまうのが124スパイダーです。心強いパートナーですね」

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第一戦に続き、1-2フィニッシュを成し遂げたチームドライビングマジック。ちなみに3位の選手のマシンも124スパイダーだった。

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