モータースポーツの歓びに大興奮。「ABARTH DAY 2017 SCORPION CHALLENGE」イベントレポート

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2017年11月11日、東京・お台場の青海臨時駐車場で、アバルト初となる「ABARTH DAY 2017 SCORPION CHALLENGE」が開催された。

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その名の通り、アバルトの刺激的な魅力を体験できるとあって、朝から多くの人々が訪れて賑わった。そんなイベントの様子をリポートする。

個性豊かな愛車が集結した「オーナーズミーティング」

7時のゲートオープンとともに多くのアバルトとオーナーが会場入り。愛車の展示スペースとなる「オーナーズミーティング」の会場には、納車されたばかりの現行モデルから希少な限定車、こだわりのカスタマイズで個性を放つドレスアップ車両、そして往年のクラシックモデルまで、バリエーション豊かなモデルが勢揃いした。

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会場にはアバルト 695 トリブート フェラーリをはじめとする限定車も多く見られた。

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現代のアバルトに混じって、なんとアウトビアンキ A112 アバルトの姿も。美しい状態に保たれたクラシックモデルと現代のアバルトとの共演に来場者も驚く。

共通するのは、どのクルマにもオーナーの愛情がたっぷり注がれていること。 そして気さくで明るいクルマ好きのオーナーが多く、ピストン西沢さんのオーナーインタビューも笑いが絶えないものとなった。

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会場を盛り上げたイベントナビゲーターのピストン西沢さん

愛車の限界を引き出す、目からウロコの「オートテスト」

今回大好評だったのが、愛車の性能と自身のドライビング・スキルが試せる「オートテスト」。これはジムカーナのようにパイロンで区切られたコースを、自分の愛車でタイムアタックするもの。インストラクター同乗によるレクチャーに続いて自分自身でタイムアタックを行うため、スタート前の緊張感はレースさながら。同伴者の方も同乗できることもあり、会場一体となって盛り上がった。

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参加者ひとりひとりにレクチャーを行うインストラクターは大忙し。その甲斐あって、ガッツリ走れた参加者はみんな大喜びだった。

「オートテスト」で参加者がなにより驚いていたのが、インストラクターの走り。いつも自分が走らせているクルマなのに、インストラクターが操ると速度域やブレーキング、通るラインなどすべてが異なり、まったく別の動きをすることに大きな刺激を受けていた。普段では試せない領域の走りを体験できたことで、愛車のポテンシャルの高さに改めて感心した様子が印象的だった。

アバルトのマシンで快挙を達成した2人の選手を表彰

モータースポーツとともに長い歴史を歩んできたアバルト。2017年シーズンでは、アバルト 124 スパイダーを駆る山野哲也選手が全日本ジムカーナ選手権で自身17回目のシリーズチャンピオンを獲得。さらに2014年よりmCrt(ムゼオチンクエチェントレーシングチーム)からアバルト 500 Rally R3Tで全日本ラリーに参戦する眞貝知志選手が、ヨーロッパ・ラリー選手権の「ローマ・ラリー」でクラス優勝という快挙を成し遂げた。

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FCAジャパン マーケティング本部長 ティツィアナ・アランプレセの表彰を受けた山野哲也選手(写真右)と眞貝知志選手(写真左)

イタリア車が全日本ジムカーナ選手権でタイトルを獲得するのは今回が初めて。そんな快挙を実現できた理由として、山野選手は車両の素性の良さを挙げた。静止からの加速やブレーキを踏んだ感触、それに交差点を曲がるなど、街乗りだけでも重量バランスやサスペンションのスムーズな動きが体感できるという。そのため、山野選手はたった5分程度の試乗だけで、アバルト 124 スパイダーを参戦車両に決めたそうだ。

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アバルトで2017年の全日本ラリー選手権に参戦した竹岡圭さんのトークショーでは、ナビゲーターの嶋田智之さんと一緒にモータースポーツ談義が止まらなくなる場面も。

一方の眞貝選手は、「ローマ・ラリー」での優勝について、2回目の遠征ということで現地の難しい路面状況などに対応でき、的確な状況判断が勝利につながったと語った。また、イタリア車のアバルトを日本人がドライブして優勝したことで、現地の人たちが大喜びしてくれたのがとても嬉しかったそうだ。

アバルトのマシンで戦うプロドライバーの走りに目が釘付け

そんな山野選手と眞貝選手のマシンをはじめ、プロドライバーのジムカーナコース走行に同乗できる「ジムカーナ同乗試乗」も大盛況。コースを自由自在に操るプロドライバーの異次元の走りを体験し、アバルトのパッションを全身で感じていた。

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プロドライバーの超絶テクニックを間近で体験し、参加者のテンションはMAXに達した。

チャレンジ精神を刺激する、さまざまなアクティビティ

会場にはアバルトにちなんだアクティビティが用意され、大人から子供まで多くの来場者で賑わっていた。

●ペーパークラフト教室
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人気のアーティスト 溝呂木陽さんと一緒に、自分だけのアバルト 595 ペーパークラフトを製作するアクティビティが大人気。親子連れの姿も多く、真剣な眼差しでペーパークラフトをつくっていた。緻密なつくりなので難易度は高め。まさにイベント名の「SCORPION CHALLENGE」にふさわしい内容だった。

●スロットカー タイムチャレンジ
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全長30mのコースでスロットカーのタイムを競うコーナーも、挑戦者のレース魂に火をつけていた。熱くなりすぎて、マシンが場外に転げてしまうシーンも。

●アバルト/フィアット テスト ドライブ
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インストラクターと一緒に最新モデルをテストコースで試乗できるイベントは、あまりの人気に早々に予約終了。アバルト 695 ビポストの同乗走行というサプライズもあった。

●MAKE YOUR SCORPION 体験ブース
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カラーを自由に組み合わせて、自分好みのアバルト 595をカスタマイズできる大画面のコンフィギュレーターも用意されていた。WEBサイトでも実施できる。
(2017年11月30日まで)

●アバルト ミュージアム
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貴重なアバルトのヒストリックモデルが5台も展示された「アバルト ミュージアム」。これだけのコレクションが一堂に会するのは世界的にも稀で、日本のクラシックカー文化の豊かさを感じさせた。

「激辛パスタチャレンジ選手権」で思わぬ展開が

さまざまな「チャレンジ」がテーマとなった今回のイベントのなかでも、最高の盛り上がりを見せたのが「激辛パスタチャレンジ選手権」。テレビでお馴染みのフードファイター・ジャイアント白田さんと、大食い選手・もえのあずきさんが登場し、一般参加となる20人の挑戦者と一緒に激辛パスタの早食いに挑戦したのだ。

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スペシャルゲストのジャイアント白田さんと、もえのあずきさんがステージに登場すると、会場の興奮は最高潮に。

このパスタは、人気のイタリア料理店「DAL-MATTO」が調理する、イタリア・カラブリア産の激辛唐辛子を使った激辛アラビアータの「アラビアーティッスィモ」。このイベントのために、通常提供されている料理に比べ、辛さを3倍から10倍にした特製パスタが提供された。

しかし、予想をはるかに超えた辛さのため、ジャイアント白田さんが準々決勝でまさかの敗退。もえのあずきさんも準決勝で敗退という予想外の展開に会場は大きくどよめく。まさに筋書きなしの過酷なチャレンジだ。

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決勝戦では、2倍の量を食べることを条件に、もえのあずきさんが敗者復活。しかし、辛さ10倍のパスタの前にあえなく撃沈。

アバルトはかつて、小さな大衆車フィアット500を高度にチューニングし、格上のレースカーを次々に打ち負かしてきた。それゆえアバルトには「ジャイアントキラー」「ピッコロモンスター」(ピッコロ=イタリア語で “小さい” )の異名で知られている。

今回、百戦錬磨のジャイアント白田さん、もえのあずきさんを見事に打ち破ったアバルト・オーナーたちの姿は、まさにギリシャ神話でオリオンをひと刺しにしたサソリそのもの。アバルトの伝説を体現する展開だった。

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朝から大いに盛り上がった「ABARTH DAY 2017 SCORPION CHALLENGE」。アバルトの刺激的な世界を誰もが体験できるユニークなイベントだった。

[ライター・写真/北沢剛司]

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