プロドライバー山野哲也選手&石川紗織選手がマンツーマンでレクチャー。昨日までの自分を超える特別なドライブに密着

二人のプロドライバーがそれぞれの目線からアドバイス

初めにりんごちゃんが今井さんのクルマに、山野選手は中島さんのクルマに乗り込み、2台のアバルトは、ビーナスラインの終着点「道の駅 美ヶ原高原」を目指す。片道約35分の道中はすべてワインディングロード。秋の爽やかな紅葉のドライブを期待していたが、前夜に流れ込んだ寒気のいたずらで、景色はまさかの銀世界に。幸い、アスファルトに積雪はなかったが、取り囲む木々は表面に雪化粧をまとっていた。

今井さん&りんごちゃんの女子組は、お互いのマスクを褒め合うところからコミュニケーションを取り始め、まずは今井さんのスマホで記念撮影。その写真を見て「あー、撮れてるー!」といきなり車内は大盛り上がり。発車時間になり、今井さんがスタート時にクラッチ&シフト操作を無難にこなすと、その操作をさり気なくチェックしていたりんごちゃんから、「運転ダメなんです〜って言っていたけど、ぜんぜん問題ないじゃん! 上手上手」と褒めてもらい、楽しいムードでドライブへ。


記念撮影を楽しむ今井さんとりんごちゃん。

一方の山野選手は、中島さんのドライビングポジションをチェックするところからレクチャーを開始。「シートのスライド位置の調整は、クラッチを基準に決めるのではなく、ブレーキを基準に決めていきましょう。特にスポーツドライビングほどブレーキングは大事で、ブレーキング時にかかるGというのは、コーナーでかかる横Gやアクセルを踏み込んだときに発生するGよりも遥かに強いのです。だから最も強いGがかかるブレーキをベースにシートポジションを決めたほうが安全運転にもつながるんですね」と説明し、中島さんのポジションを正していた。


山野選手からドライビングポジションのレクチャーを受ける中島さん。

一方、りんごちゃんは、景色の話や日常会話を交えつつ、要所要所で今井さんにスキルアップのコツをアドバイス。コーナーの進入から立ち上がりまでの速度コントロールについてや、スムーズに走れるライン取り、コーナーでの目線といった、ドライビングの基本をアドバイスしていた。今井さんは教えてもらったコツを吸収していきながら、普段の移動と異なる美しい景色の中のドライブに、「おとぎの国みたい〜」とテンションは上がりっぱなしだ。


りんごちゃんからレクチャーを受けながら、ドライブを楽しむ今井さん。

次に、中島さん号の車内を覗いてみよう。さすが日常生活でワインディングロードを走り慣れているだけあって運転はスムーズ。山野選手からも「クラッチ操作が上手ですね」とお褒めの言葉をもらっていた。運転中に背中が少し浮き気味になるクセがあるのか、山野選手から「手のひらでハンドルを押しながら回していく意識で、肩にシートが密着するように」とアドバイスを受けると、すぐにポジションを改善。次々と現れるコーナーを適切なハンドルワークで曲がっていく中島さんに、「ハンドルの切り始めるタイミングが適切で、どのコーナーでも切り遅れることなくイン側に付けられていますね。初めての道でも臆することなく走れているところに運転に対する自信を感じます」と太鼓判を押されていた。後席に乗るお父さんは積極的に話していた一方、中島さんが少し緊張の面持ちで口数が少なかったのは、子どもの頃から知る大物ドライバーが助手席に座っていたからだろうか。


助手席に山野選手、後席にお父さんを乗せてドライブする中島さん。聞いたアドバイスを即座に吸収していた。

こうして2台のアバルトは、美ヶ原高原に到着。標高2000mと国内で最も高い位置にある道の駅で、一行はランチをとりながらしばしの休憩。ゲストの皆さんは山野選手やりんごちゃんにレースやそれにまつわるよもやま話を聞いたり、質問したりと、普段はなかなか経験できない貴重な会話を楽しまれている様子だった。


美ヶ原高原でランチタイム。リラックスしながら会話を楽しんでいた。

今井さんと中島さんにここまでの感想を聞いてみた。

今井さん
「そんなに運転が上手じゃないかも〜って思っていたので、不安で一杯だったんですけど、石川さんから“緊張しないでいいよ”と声を掛けてもらえて、気が楽になりました。山道に慣れていなかったのでアクセルやブレーキを踏み換えるタイミングや、カーブを何速で走ればいいかわからなかったんですけど、石川さんが“今は3速の方がいいよ”とか“2速のまま耐えたほうがいいんじゃない?”と一つひとつ教えてくれて、すごく走りやすかったですし、めちゃくちゃ楽しい〜と思えたんです」


今井さんはりんごちゃんからアドバイスを受けながら、「運転を楽しむ」という感覚を掴まれた様子。

中島さん
「コーナーが結構多かったんですけど、山野さんからシフトアップやダウンのコツを丁寧に教えてもらえました。私は最初のうちはフットブレーキを多用していたんですけど、早めにシフトダウンしたほうがクルマが安定していいよというアドバイスを受け、それを実践してみたら“上手だね”って褒めていただけました。あとコーナリング時の細かなハンドル操作や、次のコーナーに怖れずに入って行けるところを褒めていただけたのも嬉しかったですね」


お嬢ちゃんの桜永ちゃんとランチタイムを楽しむ中島さん。

帰路は担当ドライバーが入れ替わり、今井さんのクルマに山野選手が、中島さんのクルマにりんごちゃんが同乗し、来た道を折り返した。午後には木々の表面を覆っていた雪もだいぶ溶け、往路とは違った景色の中をドライブできた。

途中展望駐車場で記念撮影を行い、その後もそれぞれプロドライバーから往路とは違った視点のアドバイスを受けながら、あっという間に時間は過ぎていった。走行シーンの記念撮影では適度な車間をキープしながら、息の合ったドライビングを披露してくれた。さすがアバルティスタ!


走行中の記念撮影にも上手に応えてくれた今井さんと中島さん。


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