アバルトで走り続ける、海苔屋としてのこだわり。アバルトライフFile.90 古市さんと500

海苔屋としての職人魂とアバルトの共鳴

海苔が美味しいことも好評の要因と思います。海苔づくりのこだわりについて教えていただけますか。

「海苔の流通は、養殖から市場に出すまでは漁師さんの仕事で、そこから加工・販売までは私たち、海苔屋の仕事です。市場では漁師さんがいくつかにグレード分けされた海苔を我々が仕入れるのですが、吉田商店では一枚一枚丁寧に見極め、さらに細かく選別しています。その“目利きの力”が代々受け継がれているからこそ、品質を一定に保てるんです。もちろん加工も海苔屋の腕の見せどころですから、そこにも力を注いでいます。吉田商店の海苔は、銀座久兵衛さんや東京吉兆さんにも使っていただいているのですが、そうしたこだわりが老舗料理屋さんにもご評価いただけているのだと思います」

その職人魂はアバルトに通じるところがありそうですね。

「職人魂というところでいえば、自分たちが本当に良いと思うものを売る、という姿勢ですかね。正直、そこまでのクオリティを求めないお客さんも沢山いらっしゃると思います。手間を省けば、もっと安価に販売できるので、利益は出るかもしれません。ただ、自分たちはこのやり方がいいと思ってやっています。そういうところはアバルトのクルマづくりにも通じるかもしれませんね。例えば、500eのサウンドジェネレーターは、開発に6000時間以上もかけられたんですよね。普通に考えれば、時間かけ過ぎじゃないですか(笑)。でもそこには彼らの、“電気自動車をつまらないと言わせない”というこだわりが詰まっているのだと思います。そういうところにすごくシンパシーを感じますね。優先順位の付け方が商売重視ではない。すごく職人気質を感じますよ」

お仕事でもクルマを使うことはありますか?

「普段は仕事用のクルマで移動することが多いですが、あえてアバルトを乗っていくこともあります。個人でやっている小さなお寿司屋さんにクルマ好きの大将がいて、行くたびにクルマの話をするんです。またスーパーのお兄さんにもクルマ好きな人がいて、“あのアバルト、自分の?”と聞かれて、“そうです”と答えたところから仲良くなりました。クルマが共通言語となって、会話が広がるのはアバルトならではだと思います」

プライベートではどのような使い方をしていますか?

「海から山まで、どこに行くのもほとんどアバルトです。朝起きて思いつきでふと箱根に行ったり、伊豆に走りに行ったりすることもあります。結婚してからはだいぶ減りましたけど。アバルト仲間と月島にある喫茶店に集まり、ただ会話を楽しむこともあります。あとはイベント行ったり、ゴルフに行ったりとかですかね。僕のアバルトは2009年式なんですけど、走行距離はもうすぐ18万kmに達するんですよ」

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