電気ならではの面白さを味わっています File.69 茂木さんと500e Scorpionissima

マニュアルともオートマチックとも違う

その点は運転してみていかがでしたか?

「実際に乗ってみると、マニュアルではないですけど、そのぶんステアリング操作とアクセルワークに集中できるので、より扱いやすくなったと感じました。実際にいつもと同じ道を走ったところ、車体の違いもあるのかもしれないですけど、同じ速度でコーナーに入って行ってもすごく余裕があるんです。やっぱり新しいものはいいデキに仕上がっているんだと実感しました。まだ納車されて間もないですが、今のところ不安要素をかき消すぐらいの面白さを味わえていますね」


少しずつカスタマイズも楽しんでいきたいとのこと。ステアリングにはブルーのカバーを取り付け、ボディカラーとコーディネート。

デザイン面ではどうですか?

「そうですね。やっぱり一番の違いはフロントマスクですね。595を踏襲しているけど、ちょっとやんちゃな感じが増したつり目っぽいヘッドライト。あと、ボンネットの盛り上がりのプレスラインがはっきりしたところもいいと思いますし、ロアインテークはダミーではなく、その奥にモーターを冷やすラジエターが搭載されていて機能美を感じますね」


ボンネットの膨らみ、いわゆるパワーバルジが強調されたのも500eの特徴。

「細かなところでは、サイドデカールが従来モデルでははっきり見えていましたが、500eはパッと見では見えづらいんですが、離れて見ると立体的な見え方をするんです。あとはサイドスカートに、アバルトのレンダリングがエンボス処理されているのも、なかなか粋だなと思います。オーナーにしか分からないところかもしれませんが、以前のモデルも所有していた身としては、その違いを視覚的に楽しむことができて気に入っています」


サイドのABARTHレタリングは文字が立体的に浮かび上がるデザイン(左)。サイドスカートのエンボス処理されたABARTHロゴ(右)。

500eに新たに搭載された機能で、よく使っているものとかありますか?

「0-60km/hや0-100km/hの加速タイムを計測できる機能があるのですが、それを実際に試してみました。坂道の勾配などによりタイムが変化するので、そうした違いが目に見えるのが面白いですね」

カタログで0-100km/h加速7秒と謳われていますね。

「特にすごいのは0-60km/h加速です。これは595の時と比べてもかなり違うので、実際体感してみて低速からのトルクの大きさに驚きました。これはやっぱり電気自動車ならではですよね。しかもアクセルをポンと開ければもうフルにトルクが発揮されるという……」

やはりそういうEVならではの走りだったり機能が楽しめたりすると、運転スタイルが変わったりするものですか?

「そうですね。特に回生ブレーキをかける時は、後続車を気にしながら運転しています。初めてアクセルオフだけで制動するワンペダル走行が可能なクルマに乗ったんですけど、これまでマニュアル車では、アクセルを完全に離してから、ブレーキを踏んでシフトダウンの操作を行なったりしていましたが、そうじゃなくてアクセルを緩めるだけで減速するので、気を遣うポイントが変わりましたね。だんだん慣れてきてはいるんですけど、その辺はやっぱりマニュアル車ともオートマチック車とも違いますね」

それがマニュアル操作に代わる楽しみになっている部分も?

「そうですね。アクセルオフで綺麗に止まるように心掛けて運転を楽しんでいます。カーブを曲がっている時にちょっとアクセルを緩めることで減速がかかるんですけど、それが扱いやすいと感じるようになってきました。まだ試せてはいないんですけど、サーキットでは、アクセルワークだけで向きを変えられるのかなと、興味があるところです」

ブレーキを踏まないとなると、ホイールの汚れはどうですか。

「汚れはやっぱりある程度は付きますね。ブレーキをだいぶ踏まないようになったとはいえ、多少は使っていますので。ただ、前の595よりは断然少ないです。駐車場所が屋根付きガレージのためもあるんですが、まだ1度も洗車してない程ですから(笑)。ただブレーキについていえば、595の時はフロントにブレンボが入っていたんですけど、それがなくなったのは少し寂しいですね。必要なくなったということなんでしょうけど、ブランド好きなのでそこはちょっと残念だなと思います(笑)」


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