20代で手にした“上がりのクルマ”。抹茶さんとほうじ茶さんと695 BIPOSTOフルスペック仕様
想像を遥かに超えていた
購入前と後でカーライフはどのように変化しましたか?
ご主人
「買う前は高嶺の花すぎて、ネット上にもほとんど情報がなかったのでどんなクルマなのか、正直あまりわかっていなかったんです。それが逆に妄想を掻き立てたところはありました。実際に購入しハンドルを握ってみると、度肝を抜かれましたね。想像をはるかに超えたレベルのクルマでした。色々乗ってきて最後に選ぶクルマを“上がりのクルマ”と言うじゃないですか。それを20代のうちに手に入れた感覚です。免許を取って9年目なんですけど、とんでもないクルマを手に入れてしまったと思っています」
奥さま
「695 BIPOSTOを手に入れられたことで、これ以上欲しいクルマがなくなったと思います。買う前はあれもこれもと欲しいクルマは沢山あったんですよ。でも695 BIPOSTOは手放す気はありませんので、結果的に欲しいクルマが減りましたね。すでに余生を楽しんでいる感覚です(笑)」
今後の目標があれば教えてください。
ご主人
「695 BIPOSTOのフルスペック仕様は日本に10台あるはずなので、いずれお金持ちになったら10台入れられる倉庫を作り、そこにフルスペック仕様を10台並べたいですね」
奥さま
「そんなにいらない(笑)」
そこまで思わせる魅力とは何なのでしょう?
ご主人
「イタリア車にはパッションを感じるんですよね。抽象的な言い方になってしまうのですが、情熱的でありながら、適度に抜けた感覚もある気がします。クルマが好きな人たちが集まって楽観的なクルマを作るとこういうクルマが完成するのかなと。気軽に乗れる一方で、しっかりしているところはしっかりしている。刺さる人には刺さるみたいな、そういうクルマだと思いますね」
リアバンパー下にはカーボン製のリアディフューザーが備わる。
夫婦でそのような価値感を共有できると、その先には何が見えてくるのですか。
ご主人
「増車です(笑)」
奥さま
「アバルトにフィアット、アルファ ロメオなど我が家には5台のクルマが住んでおります。でも2人とも普通の会社員なので、維持するために本当に色々とがんばっているんです。周りもクルマが好きで、がんばって欲しいクルマを購入して維持している若い子もいますし、我が家も今なんとか維持できているのだから、これからもがんばればどうにかなるだろうという気持ちです」
最後に“究極”を手にいれた今だからこそ感じる、アバルトの好きなところを教えてください。
ご主人
「よく言われる“サソリの毒”は、現代のアバルトにも息づいていると思います。男の人って年を重ねても、ずっと男の子のままだと思うんです。そういうクルマ好きな人を、ピンポイントで狙い打ちしてくるクルマだと思いますね。乗った時の高揚感だとか情熱とか、きっとクルマの作り手の人達も同じ気持ちなのだろうなと。そういうところが、メーカーに対してもとても愛らしく感じますね」
奥さま
「私は見た目から入った人間なので、一番はかわいいところ。次に好きなのは、走りです。運転していて楽しいし、足も硬いからこそダイレクトに自分の手に伝わってきて、道路の状況に合わせて運転の仕方を変えたり、クルマに合わせてあげたりできる。こんなにかわいいくせに、しっかり走ってくれて高速道路でも怖くない。そういうところが魅力的なのかなと思いますね。フィアットとアバルトにはこれからもこういう変わったクルマを輸入してもらいたいです(笑)」
日本に10台の希少にして究極のモデル。その良さは「口で説明するよりも、一緒に乗ってもらった方がわかりますよ」と、助手席に同乗させてくれた抹茶さん。難しいドグミッションの扱いもお手のもので自在に操っていました。乗り味は確かに硬いというよりもしっかり路面に吸い付く感覚で、レーシングカーのような雰囲気を垣間見ることができました。いいオーナーさんに巡り合ってクルマも幸せだと思います。これからも大切に695 BIPOSTOとのアバルトライフを楽しんでください!
文 曽宮岳大