外した選択をする人生もおもしろい。アバルトライフFile.67 久保さんファミリーと695C Turismo

GTカー好きを魅了した4座オープン

Grigio Recordのボディカラーに、ブラウンのレザーシート。そんなクールな695C Turismoを小粋に乗り回す久保さんファミリー。聞けば、これまでは大排気量モデルを好んで乗り継いできたとのこと。そんな慣例(?)を覆し、アバルトを選んだワケは? 久保さんのアバルトライフに迫った。

アバルトのことはいつ頃から知っていましたか?

ご主人(以下、智さん)
「アバルトのことは現行型が2009年にデビューして以来、ずっと追いかけていました。それこそご先祖にあたるヌオーヴァ 500の頃から好きなクルマだったので、ずっと欲しいという思いはあったんです。ショールームにも何度か行き、試乗もさせてもらいましたね。一方で、乗りたいクルマは沢山あって、実はこれまでは家族で乗るメインのクルマは、サイズが大きく、エンジン排気量が3リッター級のものが多かったんです。1日に300kmとか500km走っても疲れないクルマが好きで、そういう基準でクルマ選びをしてきました」


695C Turismo(2023年モデル)を所有されている久保智さん。

その基準からするとアバルトは少しキャラクターが異なるような気もしますね。

智さん
「それまで乗っていたクルマが車検のタイミングだったこともあり、乗り換えるクルマをなんとなく探し始めていた時期だったんです。家族で使えるクルマを探していたんですけど、よくよく考えたらもう子どもは大学生で大きくなったし、家族3人で出掛ける機会も少なくなるかと思っていました。であれば、小さなクルマでもいいかもしれないと考えたんです。アバルトのことは昔から好きだったこともあり、調べていくうちに自分の中で存在が大きくなっていき、ショールームに見に行ったところ、結局買ってしまったんです」


久保さんが選んだ695C Turismo。

購入の決め手となったのは、どのあたりですか?

智さん
「購入したのは695C Turismoですが、マイナーチェンジで上位グレードの695 Competizioneと同じ180psエンジンが搭載され、ブレーキもブレンボ製になり、値上がりはしたものの、お得感を感じたというところですかね。あとは、外観は走りっぽい演出があり、内装は高級感がある落ち着いた雰囲気のクルマが好みだったので、その辺も合致しました。かつオープンにできるっていうところですかね。4座のオープンカーって日本で買おうとすると、現実的なところではほとんど選択肢がないですよね。そう考えると、手に入れられる価格で、自分の求める条件がこれだけ揃っていたというところが購入を決意した決め手ですかね」

「和瓦のようなドロっとした色味のグレーメタリックに、ブラウンのダイヤモンドキルティングのシートがお気に入り」と久保さん。「バサッと折り畳まれる幌」も気に入っているという。

奥さまはアバルトについていかがでしたか?

奥さま(以下、泰子さん)
「主人がクルマに詳しいので、私はその影響でただ車種を色々と知るようになっただけで、クルマのことはよく分からないんです。ショールームについて行き、“かわいいね”とか、“カッコいいね”とか会話をするぐらいで(笑)。ただ、オープンカーは以前にも乗っていたことがあるので、“屋根が開いたら気持ちいいね”という期待はありました」


奥さまの泰子さん。

オーナーになって初めて気づいたことなどはありますか?

智さん
「実は自分はクルマ関係の仕事をしていて、自動車の車体に関わる開発エンジニアをしているのですが、そういう立場から仕事目線で見てしまうと、目に付く粗もあります。その一方で、細かいところを気にしなければ、乗り味についてもスタイリングについても、非常に魅力的なクルマではありますね。この大きさであれだけのパワーが出るし、正直、購入前は長距離を走ると疲れると思っていたんですけど、1日に300kmや500 km走っても思っていたほど疲れず、案外大丈夫だなと。あとは運転ポジションが僕の体型でも意外に問題なかったです」


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