アバルティスタたちが熱き想いを語る! スコーピオン座談会が開催

気づいたらサーキットにいた

アバルトにとって特別な意味を持つスコーピオンマンス。創始者カルロ・アバルトの誕生月であるこの時期に毎年繰り広げられる恒例の「ABARTH DAY」が今年も開催された。会場となった代官山T-SITEでは、オーナーさん同士の集い「モーニングクルーズ」や、限定車「695 TRIBUTO 131 RALLY」の国内初披露など、ファンの皆さまの交流の場として、またプレミアイベントの発信の機会として、秋が深まる東京の青空のもと繰り広げられた。

「ABARTH DAY 2022」では、もうひとつ特別な催しが用意されていた。それが「スコーピオン座談会」。アバルトと日常を共にされているオーナーさまと日頃から様々なクルマに接している経験豊富なジャーナリスト、アバルト関係者がそれぞれの視点からアバルトに対する意見や想いをぶつけ合い、情報交換を図る場として実施された。はたして座談会ではどのような内容が語られたのか。その模様をご報告しよう。

アバルトオーナー代表として参加されたのは、595 Competizioneを所有されている武田友香さん、500に乗られている高山昭男さん、同じく500を所有されている金子友睦さんの3名。司会は、Scorpion Magazineでもお馴染みのモータージャーナリスト嶋田智之さんが務め、ゲストとしてジャーナリストの若林葉子さん、プロドライバー&インストラクターのりんごちゃんこと石川紗織さんが参加してくれた。若林さんはクルマとバイクの雑誌『ahead』の編集長を務めた後、現在はフリーランスとして活躍中。りんごちゃんは今年、ラリー参戦2年目にして中部地区のシリーズチャンピオンを獲得するなど腕を振るっている。そしてステランティス・ジャパン(株)からはブランド担当の熊崎陽子氏とプロダクト担当の児玉英之氏が参加した。

簡単な自己紹介の後は、嶋田さんの進行のもと、オーナーさんに質問が投げかけられた。最初の質問は、アバルトを選んだ理由。

武田さん(以下敬称略)
私がアバルトを知ることになったきっかけは、「リトモ アバルト」だったんです。「かわいい、このクルマ何だろう?」という興味から始まり、アバルトについて調べてみたんです。その頃アバルトのショールームでは、試乗した人に特典として特製のブルドックソースを配っているキャンペーンをやっていて、それに興味があったのと、何より現代のアバルトを見たいという思いからショールームに足を運んでみたんです。試乗もさせてもらい、最初は普通にノーマルモードで走っていたんですけど、スポーツボタンを押したところ、ガラッとクルマの性格が変わって。「コレだ!」と。すぐに欲しくなりましたね。一緒にいた主人にアバルトが欲しいと訴え、彼は最初ベースモデルを想定していたようなのですが、私が595 Competizioneの見積もりをください、と営業の方にお願いしたのを見て、びっくりしていました(笑)。いざ購入し、最初の頃、運転に慣れるまでは駐車場で真っ直ぐに駐車するのも大変でしたけど、今ではクルマにダメージを与えないように、タイヤ留めのブロックにタイヤを当てず、寸止めができるようになりました(笑)


595 Competizioneオーナーの武田さん。

石川
すごい! クルマへの思いやり(笑)。大事ですね。

嶋田
アバルトのどんなところが気に入っていますか?

武田
アバルトの女性向けの会を通じて知り合った方の中にサーキットを走っている方がいらして、「サーキット走行には運転を学べる要素がたくさん詰まっているから一度試しにやってみようよ」とお誘いを受けたんです。それがきっかけで何名かの女性と一緒に参加したんです。そこからすべてが変わりましたね(笑)。

嶋田
話を聞いていて思ったんですけど、アバルトに乗り始めて人生がかなり変わったのでは?


モータージャーナリストの嶋田智之さん。

武田
まったく変わりましたね。それまではサーキットに行くことなんて考えたこともなかったですし、ある程度の歳になると新しいお友達ができる機会も限られるじゃないですか。アバルトに乗るようになって、サーキット走行なども構えてチャレンジするのではなく、興味を持ってスッと試せるようになり、新しいことを試す土壌がたくさんあるなというのを感じています。

アバルト乗り同士に芽生える仲間意識

嶋田
次は高山さん、アバルトとの出会いから教えてください。

高山
以前は国産の高性能スポーツカーやアルファ ロメオを乗り継ぎ、アバルトに乗り換えて今年で4年目になります。アバルトのことは街中で見掛けて、最初のうちは特に気になっていたというわけではなく何気なく見ていただけだったんですけど、何かちっちゃいクルマが物凄い音を出しているなと段々気になり出したんです。そういうギャップのあるクルマって大好きなんですよね。それでクルマ屋さんに足を運び今の愛車と出会いまして。オーナーになってからはアバルトのイベントにもちょくちょく参加するようになりました。会場で出会うアバルトは同じ車種のはずなのに1台ずつ違う。そこも楽しくて。気づいたらもう抜け出せなくなってましたね。


500オーナーの高山さん。

嶋田
そういう感情は以前に乗っていたクルマの時は感じなかったんですか?

高山
あるにはあったんですけど、そこまでの仲間意識というのは感じなかったですね。アバルトだと、すれ違っただけで手を上げたくなるような仲間意識を感じるんですけど、以前に乗っていたクルマの時はただ一緒だなと感じるだけで、仲間意識は持たなかったですね。

嶋田
アバルトのどんなところが気に入っていますか?

高山
小さくて機敏な割にすごいパワーを秘めているところや、あとは音にやられています。普通っぽい見た目のクルマであんな音を出すクルマって、他にはなかなかないですよね。あとサーキットもちょこちょこ行っているのですが、サーキットを走っても楽しいですね。


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