「前向きな気持ちを支えてくれる相棒」 アバルトライフFile.34 高橋さんと595 Competizione

7年間想い続けた初めてのマイカー

「生まれも育ちも東京。沖縄が大好きで移住してみたいって憧れたことはありましたけど、本気で東京から出ることは、前には考えたことはありませんでした。まさか毎年のように家族旅行で来ていた伊豆半島に自分が住むことになるなんて(笑)。でも、本当にものすごくいい環境にいるんだなって、毎日のように実感してるんです」

そうニコやかに語ってくださったのは、アバルトカレンダー2021の3月号にご登場いただいた、イエローの595 Competizioneに乗る高橋仁美さん。都内の職場で知り合った方と結婚することになったのをきっかけに静岡県に移住、結婚してからは旦那さんの実家のある伊豆半島の入口といえるところに居を移して暮らしておられます。聞けばアバルトが納車になったのは昨年7月、静岡への移住が8月、結婚が11月。アバルトは、もしかしていわゆる嫁入り道具?


595 Competizioneオーナーの高橋仁美さん。

「そういうわけじゃないです(笑)。でも、無関係ともいえないかな。実は7年ぐらい前から欲しいと思っていたんです。ただ実家にはクルマがあったし、安い買い物でもないので、なかなか踏ん切りがつけられなかったんですね。でも去年の3月、まだ結婚前の話ですけど、旦那がクルマを買うということで一緒にいろいろなところを回っていて、アバルトのショールームにも行ったんです。そこでクルマを間近で見て、後戻りできなくなっちゃったんですよ。後戻りする気もなかったんですけど(笑)。アバルトは、私が生まれて初めて自分で購入したクルマ。結局、旦那は別のクルマを買うことになったんですけど、内心では先にアバルトを買われちゃったらどうしよう? なんて思ったりしてました(笑)」

踏ん切りがつかなかったとはいえ、7年も想い続けたというのは相当なこと。高橋さんはアバルトのどこに、そこまで惹かれたのでしょう。

「7年前に自動車雑誌のイベントで初めてアバルトに接する機会があったんです。そのときのインパクトがずっと心に残っていたんです。前から見るとかわいくて、後から見ると踏ん張ってる感じがちょっと勇ましいけど、やっぱりかわいくて。だけどエンジンがかかった途端に、一気にかわいいだけのクルマじゃなくなるんですよね。エンジンやマフラーのサウンドが迫力たっぷりで、普通のクルマとは全然違う。その日は同乗試乗だったんですけど、4人フル乗車なのに登りのワインディングロードをグイグイと力強く駆け上がっていって、小さいのにものすごいパワーがあるんだな、って思わされました。そのギャップに惹かれましたね。それにそのときのドライバーが女性で、女性がこういうクルマに乗ってるのも素敵だな、と感じたことも大きかったですね。この日を境に、いつかはアバルトって思うようになりました。クルマが欲しいっていうよりアバルトが欲しい、っていう気持ちです」


自動車雑誌のイベントでアバルトと出会ったという高橋さん。可愛さと力強さに惹かれ、“いつかはアバルト”という気持ちを強めたのだとか。

なくてはならない大切な相棒

高橋さんがそのイベントに参加したのも、そこでアバルトの魅力を一発で感じ取ったのも大きな要因がありました。お父さんの存在です。

「父はものすごくクルマが好きで、レーシングカーみたいなオープンスポーツカーに乗ったりイタリア車を乗り継いだりしてきていて、その影響を受けてきたところはあるかもしれません。私のイタリア車好きは、間違いなく多感だった時期に父がイタリア車に乗っていたせい。おかげでアバルトというブランドも自然に覚えました。それにまだ幼かった頃、クルマの運転なんてまだまだ全然先なのに、車間距離をとって走らなきゃダメなんだよとか、延々レクチャーされたりもしてました(笑)。それが今になって活きているので、感謝してるんですけどね。考えれば考えるほど、父の影響は大きいと感じます。世代的なものもあるのかな、本当にクルマが好きという友達は今も地元にはいなくて、地元では父と弟がクルマ仲間。家での会話は7〜8割、クルマかも(笑)。父もアバルトに乗ったときには“速いな”とか“すごいな”っていいながら楽しんでいて、かなり気に入ってるみたいです」


クルマ好きのお父さまの影響を受けて育ったという高橋さん。今でもお会いした時には、よくクルマの話をするそうです。

ところで初めてのクルマということですから、ベーシックな595や595 Turismoといったもう少しマイルドな選択肢もあったと思うんですが、最もハードコアな595 Competizioneを選ばれたのはなぜですか?

「最初は595 Turismoでパワーは充分だし、長距離でも快適そうだから、レコードモンツァをつけて乗ろうかとも考えたんですけど、595 Competizioneに試乗したら、やっぱりこっちだな、と。ほかの595よりパワーがあるし、高回転で伸びるのが楽しいんです。こんなにかわいいのに、なにこれ? っていうくらい速いですし。足回りもしっかりしていて、ここまでいけるんだ! って驚かされちゃうくらいよく曲がってくれます。不満らしい不満がなくて後からいじる必要もないから、意外とコスパもいいと思うんですよね。特にここに住むようになってから、595 Competizioneにして正解! って強く実感してます。週末には旦那と交替交替でアバルトを走らせて、伊豆半島の中や箱根の気持ちいい道をドライブしています。ここは走るには最高の環境で、ワインディングロードばっかりだし道幅の狭いところも結構あって、アバルトはこういう環境にものすごーく合ってるんですよ。たぶん私、旦那よりも元気よく走るタイプだと思うんですけど、買って何ひとつ後悔がないんです。なくてはならない大切な私の相棒、ですね。“あいぼう”の“あい”は愛情の“愛”(笑)。ずっと乗り続けていきたいって思ってます。自分がアバルトを買う前は、アバルトからアバルトへ乗り換えたりとか、そういう人が不思議でたまらなかった。でも、今はよくわかります。代わりになるものがないんですよね」

どうにかなるでしょ! という気持ちを大切に

ものすごく自然体で穏やかで、ポジティブな言葉で想いを語ってくださる高橋さん。新しい環境にひとりで飛び込んできて数ヶ月、つらかったり思い悩んだりすることもあったんじゃないかと思うのですが。

「静岡に来て暮らしはじめた頃、旦那以外に知り合いがゼロで誰とも話さない日があったりしたのは、ちょっと淋しかったですね。コロナ禍でなかなか外に出られないこともあって、今も家族や勤め先の人以外は美容室の方とかカーショップに併設されてるカフェの方ぐらいしか知り合いはいないし、東京の実家にも半年以上帰ることができてなくて、少し心細さを感じたりすることは確かにありますね。それに旅行が大好きなのに今はどこにも行けなくて、それもつらいです。でも、後ろ向きな気持ちで物事を考えるのは時間の無駄なので、くよくよ思い悩まないようにしています。自分が笑顔でいるように心掛けて、どうにかなるでしょ! って考えていたら、いい方向に行くものだと思ってるんです。基本的には私は幸せだと感じているし、何よりアバルトと一緒なのも大きいです(笑)。本当にかなりの励みになってるんですよ。ちょっと買い物に行こうとか軽くドライブに行こうとか、そんなふとしたときに自然に力が湧いてきます。そういうところのあるクルマですよね。そういえば、旦那は一緒にアバルトのショールームに行くまではアバルトのことをあまり知らなかったみたいなんですけど、今ではアバルトのことがかなり好きになったみたいで。最近になって左ハンドルでマニュアルのアバルトが欲しいっていいはじめているんです(笑)。旦那がアバルトを買っても私はこのクルマを手放す気は全くないので、夫婦でアバルト1台ずつ、なんてことになったらどうしましょう(笑)」

ぜひぜひ、遠慮なさらずに。そうなったときには、またお話を聞きに来ますから。

文 嶋田智之

595 Competizioneの詳細はコチラ