ABARTH RICAMBI ACCESSORI|アバルトの歴史を刻んだモデル No.065

ABARTH RICAMBI ACCESSORI
アバルトのパーツとアクセサリー

自動車好きを魅了したアバルトパーツ

創業期のアバルトはレースの活動資金を得るために、フィアット用のチューニングパーツや、ブランド躍進の源となった「マルミッタ・アバルト(エキゾーストシステム)」を手掛け、世界中のエンスージァストから大きな支持を得た。のちにフィアットをベースとするコンプリートカーや、自社開発のレーシングマシンを製作するようになるが、チューニングパーツやマルミッタ・アバルトの生産は継続した。

そこで今回はアバルトが手掛けたチューニングパーツに着目し、1970年代後半に発行されたアバルトのパフォーマンスパーツやアクセサリーカタログを見ていこう。


●MARMITTE SPECIALI
マルミッテ・スペチアーリ

アバルトの看板商品といえるマルミッタ・アバルトの総合カタログ。A4判 8ページ
のカタログには、フィアット、アルファ ロメオ、ランチア、アウトビアンキなどのイタリア車はもちろんのこと、ドイツ車やイギリス車、フランス車、スウェーデン車といったヨーロッパ車用も掲載されていた。日本車についても、ダットサン1600、240Z、トヨタ・コロナ・マークII用が用意されていたのが興味深い。


●RICAMBI SPECIALI
リキャンビ・スペチアーリ

アバルト・チューニングの王道といえるフィアットおよびアウトビアンキ用チューニングパーツのカタログ。最初のページではフィアット500、フィアット126用のキャブレターキットと、より性能を追求したシリンダーヘッドならびにキャブレターキットを紹介。他にもバルブスプリングとバルブ、内面ではキャブレター、タイミングベルト、カムシャフト、フィアット131用ショートシフトキットが掲載されていた。裏表紙にはオイルフィルターとエアクリーナーエレメントを載せていた。なお表紙の下には、ファンにはおなじみの住所である「コルソ・マルケ38」が誇らしげに記されている。
A4判(297×210mm)6ページ


●RICAMBI E ACCESSORI SPECIALI
リキャンビ エ アクセッソーリ・スペチアーリ

上のチューニングパーツと似た題名のカタログだが、このカタログは当時の最先端技術で開発された点火系のパーツを紹介したもの。イグニッション・コイルやスパークプラグのほか、より確実な点火を約束する無接点イグナイター、バッテリー表示灯、そして2種のイグナイターが掲載されていた。
A4判(297×210mm)4ページ


●ACCESSORI SPECIALI
アクセッソーリ・スペチアーリ

これまで紹介したカタログはメカニカルパーツだったが、最後に紹介するのは、純正アクセサリーを紹介したもの。ステアリングホイールは3スポークと2スポークに、それぞれ3タイプを用意。アルミホイールはアウトビアンキA112用の「CD57」とフィアットX1/9用の「CD30」、そしてフィアットX1/9 1500用「ミッレラーギ」が並ぶ。このほかフルフェイスとジェット型のヘルメット、シフトノブ、キーホルダーからメカニックスーツまで用意されていた。
A4判(297×210mm)4ページ

ちなみにアバルトのパフォーマンスパーツの代表作であるマルミッタ・アバルトは1950年に生産がスタート。装着によりパフォーマンスが向上する効果が認められ、1955年には9万2119ユニットが出荷されるほど規模が拡大した。さらに豊富な車種用に幅広いラインアップが展開されたこともあり、1960年には21万8028ユニットを生産するまで成長を遂げた。

アバルトが1971年にフィアットグループ傘下に入ってからもマルミッタ・アバルトの生産は続けられ、定番のパフォーマンスパーツとして数多くの自動車ファンを魅了した。その運転をより楽しく演出するマルミッタ・アバルトの精神は、現在のレコードモンツァに受け継がれている。

アバルト公式WEBサイト