年末のクルマ大掃除。プロ直伝の洗車術で愛車をピッカピッカに

効率的にクルマを綺麗にするコツを伝授

今年も残すところあとわずか。新年を気持ちよく迎えるために、家の大掃除の準備を始めている方も多いのでは? そこで忘れたくないのがクルマの大掃除。この1年に訪れたドライブの思い出に想いを馳せながら愛車をきれいにしてみてはいかが? 師走ということで多忙な日々をおくっている方も多いと思うので、なるべく時間をかけず効率よくクルマを綺麗にするコツを、その道のプロにアドバイスいただいた。さっそく紹介していこう。


アドバイスをもらったのは、自動車のメンテナンスやクリーンアップ、販売面まで幅広い知識と経験を持つカーライフアドバイザーのミスターX。業務上の兼ね合いから顔出しNGということで、匿名にてプロが実際に行なっている洗車術を、一般人が手に入るアイテムのみを使う方法にアレンジし教示してもらった。

まずはエクステリア。ボディの洗浄方法はコーティング済み車両とそうでない場合に大きく二分され、コーティング済み車両でメンテナンス方法が推奨されている場合はそれに従うのがベストとのこと。そうでない多くの場合は基本的には汎用的な方法で対応でき、メタリック塗装やパール/クリアコートが施された車両の場合、水洗いで汚れを落としたあと、ワックス掛けをするのが一般的で、それによりきれいな状態を保つことができる。その際に使用するケア用品については、定期的に洗車を行なっている場合、大概は水洗いだけでも汚れを落とせるため、水洗い→ワックスの順。汚れが目立つ場合は、水洗い→シャンプー→ワックスという具合に、シャンプーの有無は状況により判断すればいいという。


定期的に洗車をしている場合は、水洗いでボディの汚れを落とした後、ワックス掛けをすればきれいな状態を保てる。ただし汚れが激しかったり、しつこい汚れが付着したりしている場合はカーシャンプーの使用が有効だ。

下処理には粘土が効く

ただしここで一点、注意点があるという。それは愛車の保管場所近くに鉄道が通っているかどうか。なぜなら近くに鉄道が通っている場合、目に見えない小さな鉄粉がボディに付着していることが高く、これを落とさずにワックスをかけてしまうと、車体に小さなきずを広げてしまうことがあるからだ。これを効果的に防ぐのが「粘土洗車」。カー用品店に行くと洗車用粘土は600円程度で売っているが、ミスターXによると100円ショップで売っている子ども用の油粘土でも十分に代用できるとのこと。水洗いした後に、ホースで水を掛けながら粘土で車体の表面を軽く磨くと粘土に鉄粉が付着し、車体を手で撫でるだけで滑らかになったことが実感できるとのこと。この粘土洗車の頻度は、目安としてワックス2 -3回につき1度行うと、鉄粉がほぼ付着していない状態を保てるという。大掃除の際にはぜひとも粘土洗車をおすすめしたい。


粘土洗車は車体が濡れた状態で全体をくまなく磨いていく。粘土に鉄粉が付着すると粘土が黒ずんでくるのでこねてかたちを変え、全体が汚れてきたら新しい粘土に交換しよう。

ワックスは車体が濡れたまま掛けてOK

そして粘土洗車の後はいよいよワックス掛け。ここでコツをひとつ覚えておきたい。粘土洗車(あるいは水洗い洗車)のあと、水分を拭き取ってからワックス掛けをする人が多いが、水洗い後の水分は拭き取る必要はなく、むしろ濡れたままの方がワックスを掛けやすいという。実際に試したところ、ワックスは薄く伸ばした方が拭き取りやすいため、その観点からも車体が水を含んだ状態でワックス掛けを行う方が効率的に感じた。


ワックス掛けは、車体が濡れた状態で行う方が効率的。ただし車体に汚れが残っていると小キズをつけてしまう恐れがあるので、水洗いや粘土洗車で十分に汚れを落とした状態であることが前提だ。

次にホイールだが、ホイールは基本的には水洗いで十分。ホイール汚れの原因であるブレーキダストは、ウエスやブラシでこすれば簡単に落とすことができるため、水洗いでOK。ただし、汚れが激しい場合はシャンプーを使った方が泡に汚れが付着するため洗いやすい場合がある。汚れ具合を見て判断するといい。


ブレーキダストは定期的に洗車していれば、水だけで簡単に落とすことができる。汚れが激しい場合はカーシャンプーなどを併用するといい。

ホイールコーティング済みの車両は汚れをさらに簡単に落とすことができるが、ホイールコーティングが施されていない車両の場合も、カー用品店で販売されている市販の防汚剤をスプレーするという方法がある。コーティングにはかなわないものの、ある程度の防汚効果は期待できる。ホイールをいつもきれいに保ちたい人は試してみるといいだろう。


カー用品店では市販の防汚剤も販売されている。スプレーする際は、なるべくムラができないように全体に散布することを心掛けよう。

あるとやっぱり便利なコードレス掃除機

インテリア洗浄のメインとなるのは、シートのメンテナンス。シート洗浄は掃除機でホコリや汚れを吸い取るのが鉄板。染みや油汚れがある場合は、水を浸して絞った雑巾を汚れ部分に押し付けるようにして取り除いていく。


車両保管場所にコンセントがない場合は、コードレス掃除機があると便利。

吸ってダメなら叩き出す

さらなる高みを求める人には、布団叩きなど棒状のものでシートを叩くと、ホコリが浮き出てくる。室内を清浄する機会が少ない人は、このやり方がオススメ。その際、シートを叩いて浮かび上がったホコリは、ブロワーがあると一気に車外に吹き飛ばすことができる。そのためだけにブロワーを買う必要はないが、ブロワーを持っていると、車体に残った水分を吹き飛ばしたり、落ち葉を吹き飛ばしたりする際に役立つことも。本体だけなら1万円以下で購入できる(別途バッテリーが必要な場合もある)ので、居住環境により応用が効きそうな場合は1台あると役立つ場面があるかもしれない。


布団叩きなどで浮かび上がったシートに付着したホコリは、ブロワーがあると簡単に吹き飛ばせる。

せっかくの大掃除となれば、シートと床の間の汚れも取り除いていきたい。掃除機のアタッチメントで吸い取れる場合もあるが、カーペットの毛足に巻き付いた小さなゴミなどは掃除機では吸い取りづらい。そんな細かなゴミ取りにはお手製のゴミキャッチャーが有効。割り箸などの先にガムテープの粘着面を外側に貼り付けると、ゴミを簡単に取り除くことができる。


自作のゴミキャッチャーでシート間のゴミを取り除いていく。細かいところの清掃に役立つ。

アバルトの場合、汚れの温床となりがちなフロアマットは毛足が短いため簡単に汚れを拭き取ることができるのがいい。一方、ラゲッジルームを多用している場合、床面のカーペットに小さなゴミが付着してしまうことがある。その汚れを取り除くのに有効なのがガムテープと、100円ショップなどで販売されているタワシ。ガムテープの粘着面をペタペタさせて取り除くか、汚れが多い場合、タワシで軽くこすってゴミを浮き上がらせてからガムテープに付着させると作業を効率的に進めることができる。


ラゲッジルームのクリーニングには、ガムテープやタワシが有効。きれいになっていると気分がいいので大掃除の際はラゲッジルームにも目を向けてみては。

さて、忙しい方にもおすすめのプロ直伝の洗車術。少ない時間で効率よくクルマのケアを行えるメニューを中心に紹介しているので、時間が限られている人にもぜひ試していただきたい。クルマ好きならやっぱり愛車はきれいな状態を保ちたいところ。普段見落としがちな汚れを取り除き、気持ちよく新年を迎えよう!

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