「595エッセエッセ」に装着されている“アクラポビッチ”の排気音は? サウンド・インプレッション動画

エンスージャストを満足させるスペシャルモデル

2020年8月25日に発表されたアバルトの限定車「595 / 595C esseesse(エッセエッセ)」。1960年代に登場し一躍人気を博した「フィアット・アバルト595 SS」にオマージュを捧げるこのモデルは、高出力仕様の595 Competizioneにさらに手を加えることで、往年の595 SS同様、標準仕様では飽きたらないエンスージャストや、人と異なる個性が欲しいというニーズを満たすモデルとなっている。特に注目すべきは、アクラポビッチ製のハイパフォーマンスエキゾーストシステムを採用する点。そこで、今回は595エッセエッセを連れ出し、アクラポビッチの奏でるエキゾーストサウンドを探ってみた。


595エッセエッセの外観。グレーのボディにホワイトの17インチアルミホイールおよびボディサイドストライプが組み合わされ、アバルトらしさの新たな解釈が加えられている。

まずはベース車に対して差別化されたポイントをざっと見ていこう。エクステリアは、往年の595 SSをイメージさせるGrigio Campovolo(グレー系)のボディカラーに、レーシングアバルトを象徴するサイドストライプが施されているのが特徴。さらにそのストライプとアルミホイールはホワイトでコーディネートされ、スポーティでありながら清涼感のある雰囲気を醸し出している。


ホワイトのマルチスポークデザインがレーシーな雰囲気を演出。ホワイトホイールはかつてラリー車にも用いられたが、スポーツモデルとの相性はいい。

一方、内装はインストルメントパネルにカーボンパネルが採用され、上質感を感じられる仕上がりに。またSabelt製のスポーツシートは形状こそベース車と共通ながら、ABARTHのレタリングとステッチがレッド仕上げとなっているのがポイント。ブラック基調に赤アクセントという鉄板の組み合わせにより、プレミアム感とスポーティさの融合が図られている。


インストルメントパネルはカーボン仕様(左)。シートに施されるABARTHのレタリングとステッチはレッド仕上げとなる(右)。

そしてハイライトが、アクラポビッチ製のエキゾーストシステム。アバルトのスポーツエキゾーストシステムといえばレコードモンツァが真っ先に思い浮かぶが、そこにあえて“別のサソリ”を持ち込んできたのがマニアックなところ。テール部分はレコードモンツァが左右2本出しであるのに対し、アクラポビッチは左右シングル出しとなり、エキゾーストエンドは大径の、しかもカーボン仕上げに。さらにエキゾーストエンド上部には、“AKRAPOVIC”ロゴがサソリマークと並んで配置されており、手にしたオーナーの満足度をくすぐるものとなっている。じつはこのサソリ、アクラポビッチ製エキゾースト製品固有のもので、アバルトのサソリとは似て非なるものなのである。


エキゾーストエンドは左右シングル出し。その上部にはアクラポビッチの右向きのサソリとレタリングがあしらわれている。

クルマ好きを魅了するサウンド

肝心のエキゾースト音は以下の動画でチェックを。静止状態と走行時の排気音をノーマルモードとスポーツモードで試したので、それぞれの音色をお聞きいただきたい。

▪【動画】アクラポビッチのエキゾーストサウンド

こうして聞いてみると、低音ながらこもった感じのない、乾いたエキゾースト音が特徴的。ノーマルモードでも適度にスポーティなサウンドが楽しめるが、スポーツモードに切り替えるとさらに勇ましさを増し、刺激的なサウンドへと変化する。このあたりの調律はさすが欧州で人気を積み上げたメジャーブランド。クルマ好きの琴線に触れるツボを押さえている。

“音”はドライビングの楽しみを大きく左右するもの。その点、今回の595エッセエッセの試乗では、音質もさることながら、ドライブモードの切り替えにより、排気音の強弱まで切り替えられることのありがたみを改めて実感した。これなら市街地では節度あるドライビングを、郊外ではスポーティなサウンドを、という具合に場面に応じて使い分けができる。レコードモンツァもそうだが、こうした使い勝手の良さは現代アバルトの大きな魅力だろう。


シート背面とインパネのカーボンがマッチし、本格スポーツカーを思わせる雰囲気。リアハッチを開けるたびにこの光景が目に飛び込んでくるのがいい。

595エッセエッセの詳細はコチラ

レコードモンツァ×124スパイダー実装インプレッション マフラー装着前後で音の違いを聞き比べ!