一杯のコーヒーのためにロングドライブを嗜む贅沢 ABARTH COFFEE BREAK 2022 @岐阜加子母

過去最多の500名超が来場!

アバルト好きの気持ちがひとつに。そこで飲む最高の一杯。
それはもう圧巻だった。駐車場はアバルト一色。愛嬌ある丸目のイケメンが顔を揃えてズラッと並ぶ。「道の駅かしも」の駐車場には、1台また1台と595シリーズや124 spiderが来場し、案内役のスタッフは脇目も振らずに駐車場の案内に徹していた。ABARTH COFFEE BREAK(アバルトコーヒーブレーク)の幕開けである。


朝10:00のイベント開始前後から会場には続々とアバルトが集まってきた。

大盛況となった理由はいくつかあった。予報ではあまり芳しくなかった天気が、晴天に恵まれたこと。コロナの情勢が落ち着いてきたことなど。けれども一番の理由は、ここ加子母(かしも)での開催が、昨年は感染拡大により惜しまれつつも中止を余儀なくされ、今年は満を持しての開催となったことだろう。参加された多くの方々が「去年は残念だったので今年こそは」と口に揃えて話してくれた。


アバルトコーヒーブレークの舞台となった道の駅かしも。

こうして8月27日(土)と28日(日)にわたり、「道の駅かしも」を舞台に開催されたアバルトコーヒーブレークには、2日間で延べ420台が来場され、過去最多を更新した。中部・甲信越地域にお住まいの方を中心に遠方から訪れた方もいらっしゃり、会場は大いに賑わった。

加子母は、名古屋市から約100km。岐阜の山間部に位置し、温泉で有名な下呂と中津川に挟まれた山紫水明なロケーション。高速道路だと中央自動車・恵那ICが近いものの、名古屋方面からだと国道41号を経て、白川に沿って白川トチノキ街道を上っていくルートも楽しい。ローカルな道なので一般道とはいえそこそこのペースで気持ち良く流すことができ、所どころで視界に飛び込んでくる渓谷の眺めは、クルマを停めて観察したくなるほどフォトジェニック。道中では、“日本最古の石がある町”や、“おとり鮎”の食事処など、旅情をそそる案内板が目に飛び込んできた。来場された方々はそれぞれ車窓から見る景色を楽しまれたに違いない。


道中では所どころにフォトジェニックな風景を見ることができた。写真左は白川トチノキ街道沿いに見た白川の風景。

そんな個々のドライブの目的地や通過地点となった道の駅かしも。駐車場に集まった車両は同じモデルでもオーナーの嗜好やこだわりが反映され、それぞれの個性が光り輝いていた。そんなアイデアが詰まった1台1台を見て回ったり、声を掛け合ったりして楽しむ姿が見られた。


会場にずらりと並んだ595。ホスピタリティとしてかき氷のケータリングサービスも用意された。

また、日曜日には、“りんごちゃん”ことプロドリフトドライバー石川紗織さんと、お馴染みの自動車ライター、嶋田智之氏によるトークショーが午前と午後にそれぞれ実施された。レースの舞台で研ぎ澄まされたドライビングの感性を持つりんごちゃんと、数え切れないほど沢山のクルマを試乗してきた嶋田氏の経験が交差したトークが訪れた人を楽しませていた。また午後のセッションでは、来場者の方にもマイクが向けられ、オーナーさんが自身のアバルトライフについて語るなど、インタラクティブなセッションが展開された。


プロドリフトドライバー石川紗織さん(左)と自動車ライターの嶋田智之氏(右)。

またトークショー終了後もりんごちゃんと嶋田氏は会場で来場者の質問に応えたり、ドライビングポジションのレクチャーを行ったりと、参加者との交流を楽しみながらその場を盛り上げてくれた。


参加者を交えたインタラクティブなトークが繰り広げられた。

“万を超える”膨大な数のミニカーと赤い595

アバルトコーヒーブレークに参加された方々にお話を聞いてみた。
奥さまが作ってくれたというお手製のアバルトロゴ入りのポロシャツを着て来場されていた、細江直樹さんと奥さまの恵美さん。お二人はご夫婦でミニカーのコレクターをされていて、所有しているミニカーの台数を聞くと「万単位はあると思います」(ご主人)、「ミニカー置き場に部屋を3つ使っています」(奥さま)という強者ぶり。


赤い595でお越しいただいた細江直樹さん&恵美さん。

そんな細江ご夫妻が乗り継いできたクルマは、2人乗りのコンパクトスポーツが中心。アバルトのことは以前から知っていて、ずっと欲しかったそう。
「ある日、主人が“このクルマどう?” と突然写真を送ってきたんです。いいんじゃないと私が返信したら、その日のうちに乗っていたクルマを売ってきてしまって。アバルト買うつもりなの? と聞いたら、“迷っているんだ”とか言ってましたけど、クルマを売った時点で買う気満々だなと思いました」と奥さま。そんな半ば強引な(!?)な買い替えだったとはいえ、二人は愛車に迎えた595を気に入っている様子。「とにかく可愛いし、音もいいですね」と奥さまが述べると、すかさず「加速もいい」と話されていたご主人。仲睦まじく楽しまれている様子が伝わってきた。


愛車のダッシュボードには、コンペでチャンピオンを獲ったミニカーカスタムの名人に手掛けてもらったという「695 Tributo Ferrari」が置かれていた。

“美味しさ”を大切にする大人のドライブ

昨年の白馬に続いて2度目の参加というアバルトコーヒーブレークに、お洒落なビコローレの595 Turismoで来場されていた牧一馬さんと桂子さん。ヘッドレストやライセンスプレートにさりげなくトリコローレのアクセントを取り入れた大人のカスタマイズから、「イタリア好きなのですか?」と奥さまに聞いてみると、「いや私はイタリア好きでもなんでもないんです。この人です」と、気品ある顔立ちで真犯人を知らせるようにご主人の方を振り向いていた奥さま。
聞けば、もう1台大きめのSUVを所有されていて、アバルトはもっぱら「遊び用のクルマ」なのだとか。とはいえ、「休みの日はほとんどこれで出掛けてますね」と、奥さまもアバルトが愛おしい様子。


ビコローレ(2トーン)の595 Turismoでお越しの牧一馬さん&桂子さん

ドライブで1日に300kmほど移動することもあるという牧ご夫妻。大きなクルマも所有されているのにアバルトを好んでドライブのお供に選ぶ理由をご主人に尋ねると、「運転していて面白いですからね。やんちゃ坊主ですけど、運転しているという感覚が強く、それが楽しくて乗っています」とのこと。奥さまも時々運転はするものの、助手席に座ることが多いそうだが、「それはそれで楽しい」とお二人でワクワク感を共有されている模様。ドライブに行く際には美味しいものが食べられるところを事前に下調べして出掛けるという牧ご夫妻。「でないと(妻が)納得しませんから」と照れ臭そうに話すご主人の口調に、奥さまへの気遣いが滲み出ていた。


週末にドライブに出掛けるときは、好んでアバルトを選ぶという牧ご夫妻。

アバルトコーヒーブレーク4度目!のwin-winカップル

去年は箱根と白馬、そして今年は加子母に土日連続でカップルでお越しくださった595 Competizioneオーナーの荒川さんと、ご一緒されていた長身の森さん。ランチア・デルタ(アバルトが開発を担当)など往年のラリーカーが好きという彼は、もともとフィアットが欲しいと言っていた荒川さんの愛車購入の際、走りの良さを理由にアバルトの試乗を勧めたという。アドバイスを受けて試乗した荒川さんは、「その場で購入を決意しました」と笑顔で教えてくれた。見た目だけでなくアクセルを踏んだ時の加速まで「“かわいい”と感じた」そうだ。


黄色い595 Competizioneでお越しの荒川さん(右)と森さん(左)。

そんな一目惚れで購入したという595 Competizione。荒川さんは購入後にてっきり運転に夢中なのかと思いきや、「いや、運転は基本的には俺です」と森さんが回答。自分でハンドルを握らず彼に運転を委ねる理由を彼女に聞いてみると「運転すると景色がほとんど見えないけど、助手席なら周りがよく見られるからです」と、ごもっともな回答。森さんも「こういうイベントが各地で行われることで様々な景色が見られるし、色々な道を走ることができて楽しい」とwin-winに楽しまれている様子。とはいえ彼女自身も、運転の他に「ルーフまで手が届いて洗車がラク」な点や、「教え子の子どもたちにアバルトの写真や動画を見せて、“英才教育”をしている」など、興味深いアバルトライフの楽しみ方を話してくれた。実は荒川さん、先生でいらしたようです。今後改めて続きを聞かせてください!


二人で出掛ける時は運転を担当するという森さん(左)と、オーナーの荒川さん(右)。

私をコストコに連れてって!

他のクルマを契約直前までいっていたところで、「このクルマはどう?」という奥さまの鶴の一声で大ドンデン返し。突如、方向転換してマニュアルの595を購入するに至ったのは、大森智之さんと奥さまの博美さん。ご主人は実は以前から、奥さまは直前に見たSNSでアバルトのことを知り、試乗をして「一発で毒にやられました」と笑って話してくれた。しかも驚くことに、ご夫婦は2人ともさそり座でアバルトのエンブレムに運命的なご縁を感じたとのこと。久しぶりにも拘らずあえてマニュアルミッション車を選んだのは、今のうちエンジン車を、それも手漕ぎで操っておきたいという未来を憂う想いもあったそうだ。


今年購入されたばかりの希少なイエローの595ベースでご来場された大森智之さんと博美さん。

「あまりに久しぶりのMT車だったので、実は坂道発進が苦手で……」と打ち明けてくれた奥さま。救いの手を差し伸べたのは、りんごちゃんだった。トークショーの後に相談を持ちかけてみたところ、「じゃあ、クルマをここに持ってきてください。実地訓練しましょう」と話はトントン拍子に進み、マンツーマンの運転レクチャーが始まった。その甲斐あって、坂道発進に対する自信を少し取り戻すことができたという奥さま。「一つひとつ丁寧に教えてくださり、遥か前に教習所に通った記憶が蘇ってきました。おかげさまで急なスロープが不安で行くのを躊躇っていたコストコにも行けそうな勇気が湧いてきました。もう少し練習して、秋頃までには自分の運転で行けるようになりたいですね」とやる気スイッチが入った模様。


りんごちゃんから坂道発進のコツをレクチャーしてもらった博美さん。

こうしていくつもの物語が紡がれたアバルトコーヒーブレーク@加子母。帰路につくアバルトの姿を捉えるために先回りして道端で待機していると、そこを通過していく参加者の方々が手を振ってくれたり、笑顔で応じたりしてくれた。皆さま、ありがとうございました!

なお、次回のコーヒーブレークは、9月24日(土)、25日(日)にアネスト岩田 ターンパイク箱根の大観山駐車場で開催される予定。どうぞお誘い合わせのうえご参加ください。お待ちしています!

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