第3回SCORPIONNAオンライントークショー「アバルトとバイク」編が開催!

アバルト好き女子に向けたコミュニティ「Scorpionna(スコーピオンナ)」のオンラインイベントが2021年4月3日(土)に開催された。今回のテーマは、“アバルトとバイク”。モータージャーナリストの飯田裕子さんをMCに、お馴染みプロ・ドリフトドライバー“りんごちゃん”こと石川紗織選手、バイク女子向けwebマガジン『バイク女子部 通信』編集長 松崎祐子さん(以下敬称略)をゲストに迎えて繰り広げられた今回のトークショー。はたしてクルマ好き&バイク好き女子によるトークの行方は?

走ることそのものが楽しいアバルトとバイク

飯田
今回MCを務めさせていただくモータージャーナリストの飯田裕子です。「Scorpionna Drive for Women」には2019年の福岡と2020年の富士の2回参加させていただきました。まずはおふたりの自己紹介からお願いできます。


左からモータージャーナリストの飯田裕子さん、プロ・ドリフトドライバー石川紗織選手、『バイク女子部 通信』編集長、松崎祐子さん。

りんご
じつは私も元々はバイク乗りだったんです。クルマの免許を取る前に、400ccのバイクに乗っていました。その後、4輪に移行し、競技を十数年やりました。ドリフト、レース、カートなどを経験し、今はラリーに挑戦中です。アバルトの女性向けのドライビングレッスン「Scorpionna Drive for Women」には立ち上げから携わらせていただいているのですが、運転が得意でない方でも楽しく参加できるイベントを目指して、クルマ好きの女子会のノリでやっています。みんなクルマが大好きだから、クルマの話をすると止まらないんですよね。

松崎
わかる〜、バイク女子もバイクの話をしだすと止まらない(笑)。わたしはフリーランスで編集ライターをやっているのですが、2013年に『バイク女子部』というFacebookのグループを作り、管理人をやっています。女性ライダーさん3200名以上が登録しています。FBだと情報が次々に流れていってしまうので、2020年11月に、webサイト『バイク女子部 通信』を立ち上げたんです。バイク女子部 通信ではバイク女子向けの情報を発信するほか、イベントやツーリングを企画し、オンラインだけでなくリアルでも会えるコミュニティとして運営しています。

飯田
今回、なんでアバルトとバイクがテーマなんだろう?と疑問に思っている方も多いと思うんです。アバルトといえば乗って楽しいクルマ。静かに音を立てないで走る電気モーターのクルマが増えてきているなか、ブロロロ〜ンという排気音を出して、エンジンの鼓動を感じながら走る。そんなアバルトとバイクは、乗って楽しむという部分で共通すると思うんですよね。『バイク女子部 通信』が箱根のバイカーズパラダイス南箱根でイベントをやった時には、アバルトが出展し、クルマの展示や試乗イベントをやりました。熱く語れるという部分でアバルトとバイクは近いのではないかと思いますね。松崎さんはアバルトには乗ったことはありますか?

松崎
124 spiderに乗ったことがあります。あと姉がアバルトではないのですがフィアット 500に乗っています。

飯田
今回アバルトとバイクがテーマですけど、バイク乗りにアバルトを好きになってと強引に勧めるつもりはないし、4輪が好きな人に2輪を勧めるものでもないと思っています。お互いなにかシンパシーを感じられたらいいなと。今日は時間も夜の8時を過ぎていますし、お酒でも飲みながらゆる〜い感じで、見ていただければいいなと思っています。少しだけアバルトとバイクの親和性について話しておくと、アバルトの創始者のカルロ・アバルトは、子どもの頃から性能を上げることに興味があって家電をバラしたり、手を加えたりしていたらしいですね。その流れで動力というものに惹かれるようになり、モーターサイクルに乗り、トップライダーになっているんですよね。ファクトリーに就職すると、設計者としても技量を発揮したといわれています。性能を上げるということを追求し、それがクルマのチューニングへと発展、アバルトを興したという歴史があります。


二輪ロードレースの世界最高峰MotoGPに参戦しているモンスターエナジー・ヤマハMotoGPのファクトリーマシン「YZR-M1」と、それをオマージュし、2021年2月に発売された限定車「アバルト 595 モンスターエナジー・ヤマハ」。アバルトは2015年からエナジードリンクのモンスターエナジー、およびヤマハファクトリーレーシングとのパートナーシップを組んでおり、そうした流れで実現した国内では60台限定の595 モンスターエナジー・ヤマハは、発売してまもなく完売した。

飯田
今日は性能とかそういう話よりもハートの部分の話をしていきたいですね。りんごちゃんはアバルトについてどういうイメージを持っている?

りんご
“可愛いのにやるな、なにこの子!”という感じですね。思わず“この子”と呼びたくなる雰囲気と、それでいてヤンチャなところにヤラれてしまいますね。音、振動、あとダイレクト感。操作している感じがすごく伝わってきます。

飯田
リトルモンスターなどと言われていますからね。コーナリング性能たるや……みたいな。それでかわいいところが母性本能をくすぐられますよね。松崎さんは、なぜ二輪の世界にいったのですか?

松崎
バイクに乗り始めて30年くらい経つんですけど、バイクの免許を取ろうと思ったのは映画や音楽の影響でした。モッズという文化があり、ランブレッタとかベスパに、ライトとかミラーをピカピカつけて走るカルチャーなんですけど、それに憧れ、2人乗りがしたいなと思って免許を取りにいったんです。教習所のバイクはギア付きで、それで習っているうちにギア付きのオートバイって楽しいかもと思い、それ以降、ランブレッタやベスパには一度も乗らず今に至っています。

りんご
アバルトにはMTのほかにMTAと呼ばれるギア操作を自動化したトランスミッションがありますが、MTのような操作感が味わえるのでそれに魅せられる人も多いみたいです。

松崎
バイクって、造形自体がかっこ良かったりするので、それに憧れてバイクに乗りたいって思う人は多いと思います。あとは友達や家族の後ろに乗せてもらって楽しいと感じて、自分も風を感じて走りたいと。そこから免許を取る人もいます。

飯田
移動を豊かに楽しむという点ではバイクはクルマ以上にリアルかもしれませんね。

りんご
自分が自然に溶け込んでいるような感覚はいいですよね。あとエンジンを抱え込んで走るので自分と乗り物が完全に一体になる感じ。

飯田
クルマだとオープンカーに感覚が似ているのかな。

りんご
アバルト女子はMT派の人も多いですね。あ、今「シフトと一緒に人生もチェンジしたい」という書き込みコメントがありました。大丈夫、失敗しても何度でもやり直せるから。人生もギアが外れてしまったらまた入れ直せばいいので(笑)。

松崎
私は「595」には乗ったことがないけど、アバルトを選ぶ女性はこだわり派だと思う。あと走りが好きなのではないかと思っていて、バイク好きと共通すると思います。アバルトに乗っている女性を見掛けるとかっこいいと、つい見てしまいますね。

りんご
わかるわかる! お互いに思っていると思う。バイク乗りもそうだから。

飯田
私は排気量の大きなバイクに乗って、倒してしまったらどうするんだろう、起こせるのだろうかとか、雨が降ると快適じゃないよなとか考えてしまうところはあるんですけど、それを承知のうえで乗るということは、それだけ魅せられていたりこだわっていたりする証拠ですよね。アバルトとバイク、そういうところで共通する部分はあると思います。

クルマとバイクではお洒落ポイントが違う

飯田
次の話題に話に移りたいと思うのですが、りんごさん、コミュニティ、仲間と楽しむという点ではScorpionna Driveはどんな感じですか?

りんご
スコーピオンナは2019年に、女性向けドライビングレッスンとしてスタートしました。参加者の半分はアバルトオーナー。残り半分はオーナーさんではなく、アバルトに興味をお持ちの方が参加しています。用意した試乗車に乗って、オーナーさんと同じ体験ができます。


Scorpionna Drive for Womanでは、りんごちゃんをはじめ、インストラクターも参加者も全員女性。女性同士なのですぐに打ち解けあい、楽しみながらドライビングを学べる。

飯田
私も2回参加したけど、デザインとか乗った感じのフィーリングとか、女性同士で話せる相手がいるんだなと実感しますね。参加者はアバルトを買ってよかったと思っている人たちなので、なおさら話が合うんでしょうね。なかにはご主人が奥さんに買ってあげたアバルトで参加されたという方もいましたね。

りんご
オーナーになる前に参加し、アバルトが気に入って 595 Competizioneを買った方もいらっしゃいます。

飯田
松崎さんは、バイク女子部 通信を運営しているなかでバイクのコミュニティについてどう感じていますか?

松崎
周りに女性オーナーがいなくて寂しいというコメントを見掛けることがあり、そういう感覚を持っている人は多いという印象です。登録者数が3200人いても、普段街を走っていると、バイク女子に出会うことはあまりない。地方に行けば行くほどそういう傾向があると思います。バイクに乗るうえで、女性にはいろいろな悩みがあります。例えば教習所で恐い教官に色々言われて心が折れたとか。身長が低いのでどんなオートバイに乗ればいいかとか。でも、それを投稿いただくと、周りからみんな色々なアドバイスを貰えたりとか、応援をしてもらえるんです。そういう仲間からの助言が力になったり、一人でずっと乗ってきたけどバイク女子の友達が欲しくてコミュニティに入るという方も多いようです。それでどんどん輪が広がっている感じですね。バイクは一人でも楽しめる乗り物だけど、コミュニティに加わることで誰かと一緒にツーリングに行ったり、一人とは違う楽しみ方ができたりするので、そうやって輪が広がるところが魅力だと思います。

飯田
わたしもバイク女子部のwebサイトを見たら、ある北海道の方がキャンプ場の紹介をしているのを見て、こういうのっていいナと思いました。北海道っていつかツーリングで行きたいと憧れるじゃないですか。そういうところでバイク女子の方がキャンプ場の紹介とかしていると、これなら私も行けそうだと思えるし。バイクの場合、そういう情報って、もしかしたらクルマ以上にあると嬉しいかなって思いますね。

松崎
2輪の発信されている情報って男性目線で描かれていることが多くて、それでバイク女子部を作ったというのもあるんですけど。バイク女子部 通信は女性目線で書かれているんです。そこに共感してくれる人が多いんじゃないかなと思います。あと女性同士、会うと「そのウェアどこの?」とか「こういう時どうしてる?」とか、いろいろな話ができるので、そういうのは女性ならではですよね。

りんご
バイク女子の方に聞きたかったんですけど、ネイルってどうしてるんですか? アバルト女子はイベントで会うと、ネイルにさそりを描いていたりとか、お洒落している方も多いんですよね。バイクはクルマとはお洒落ポイントが違うと思うんですけど。

松崎
そうですね。バイクは全身外から見えますからね。ネイルは長くしている人がいないけど、色を変えたりとかしていますね。髪の長い人はジャケットの中に入れたりとか、皆さん色々工夫しています。

りんご
アバルト女子も、クルマに乗る時は服装をおしゃれしちゃうって聞きます。そうやって乗る時に、自分を演じるというところで通じるところがあるのかなと思います。あとScorpionna Driveは女性限定って謳っているから参加しやすいという人も多い。入り口は低く、だけどコミュニティは深くっていうところがいいナと思いますね。

運転技術を学ぶなら女性同士がやりやすい!?

飯田
運転する楽しさとか、危うさとか、そういうところも通じるところがありそうですけど、バイク女子の技術を高めるという部分への関心はいかがですか?

松崎
女性向けのイベントだと入りやすいみたいですね。モトジムカーナ(2輪のジムカーナ)の方が教えてくれるレッスンがあるんですけど、女性が運営していて講師の方も皆、女性なんです。男性ライダーと一緒だと、やっぱり体型も違うし、男性にできることが意外に女性にはできなかったりする。なので同じ女性の目線で教えてもらえると、参加者の方はすごく心地いいようです。なので、わたしもりんごちゃんがやっているスクールに参加してみたいです。

飯田
わたしも長年ドライビングレッスンのインストラクターをやっていますが、女性の方は研究熱心だと思います。男性は割と予備知識が頭の中に入って、でもレッスンではそれが邪魔をして素直にできなかったりすることもあるけど、初参加の女性の方は“こうやるんですよ”と教えてあげると素直にその通りにやろうとする。それでどんどん上手になるから楽しくて、ハマってしまう人が多いような印象が私にはあります。

松崎
女性は上手に走りたいとか、いろいろ学びたいという欲がある方って多いですよね。以前に開催した女性ライダーのスクールもすごく盛況でした。

飯田
今後の予定や展望があれば教えてください。

松崎
4月25日(日)に「バイク女子部学園」ミーティング2021春というイベントをやる予定です。去年は140人くらいの女性が集まったのですが、今年は“学び”の要素を加えて、ミニライディングスクールとか救命救助の講習とかを行い、文化祭のようなノリになる予定です。

りんご
アバルトも今年もリアルイベントの開催に積極的のようですけど、こんな状況なので様子を見ながらという感じのようです。

最後に視聴者の方からの質問に答えるQ&Aコーナーも

いよいよイベントも終盤に。最後はゲストが視聴者の方からの質問に答えるQ&Aコーナーが行われた。

Q. バイクって転倒したら怖いというイメージがあるんですけど、どうやって乗り超えていますか?

松崎
私自身は大きな怪我や事故をしたことはないんですけど、やっぱりバイク女子部の仲間からはバイクで転倒したとか聞くことはあります。そういう時は、やっぱり周りのサポートが必要なんじゃないかなと思います。“乗らない方がいいじゃない?”とか言われたりすると、そうかなとか思うじゃないですか。そこは優しく見守ってあげて、本人がまた乗りたくなったら乗ればいいし。時期がきたら乗りたくなると思うし。本人の気持ちがそうなるのを待つのがいいのではないかと思います。

飯田
私も(4輪のレースで)頸椎が伸びる音が聞こえるような大クラッシュをしたことがあるんですけど、それでも辞めなかったです。でも、あるところで神様がお休みしなさいと言っているのかな?と思うこともあると思うし、人によって考え方が違うと思います。初めの頃はベテランというか目配りや気配りができる人と一緒に走った方が安心かもしれないですね。ついていくのが精一杯になっちゃうと、周りが見えなくなっちゃうのはクルマの初心者も同じです。

りんご
環境が大事だと思うんですけど、一人でポツンとやっていると、どこまでやると危険かって判断がつかないし、上手い人ってどうやっているかもわからない。だけど仲間を作れば、いいことも悪いことも教え合う。楽しいことを共有する。そうやって仲間と一緒に“己”を知ることができる環境があると乗り越えられるんじゃないかなと思いますね。

Q.
飯田
私からもひとつ質問いいですか? 人生で最高のツーリングのエピソードを教えてください。

松崎
思い出に残るツーリングというのはたくさんあるんですけど、特に印象に残っているのは去年の11月にバイク女子部 通信で行ったの四国・関西ツーリング。私たちバイク女子部 通信は活動が関東中心になりがちなので、それだったら自分たちから外に出ようということで運営スタッフ数人と大阪まで行き、そこでレンタルバイクを借りて、岡山を通り、四国をぐるっと回って淡路島を抜けて大阪に戻るというツーリングをやったんです。それをバイク女子部のFacebookに投稿したら、会いたいという書き込みを結構もらい、道の駅で地元の人たちと合流し、次の地点でまた合流してという感じで、繋がることができたんです。全国にメンバーの方がいたからこそできた思い出のツーリングとなり、それがすごい楽しかったです。地元の方においしいご飯屋さんを教わったり、景色のいい場所を教わったりもしました。

りんご
私の場合はクルマに乗ったら練習なので、ドライブというより、トレーニングという感じですね(笑)。さっき視聴者の方から“散水車”って書き込みがありましたけど、前にScorpionna Driveで散水車の話をしたんです。散水車って水がいっぱいの時と、少なくなった時で重量が変わるのでクルマの動きも変わるんですよ。それを意識しながら走るとトレーニングになるっていう話をしたんですけど、覚えていてくれたんですね。

飯田
では最後に一言ずつお願いします。

松崎
わたしは595に乗ったことがなく、いろいろ聞いていたら、乗りたくて仕方なくなってしまいました。りんごさんがやっているドライビングスクールにも参加してみたいです。

りんご
私も久々にバイクに乗りたいなという感じになってきました。トークショーが始まる前はバイク女子が見てくれるか心配でしたけど、バイク乗りの方も結構参加してくれていたので嬉しいです。

飯田
WebサイトやSNSでコミュニティも増えていると思うので、これからもそういう今ならではの楽しみ方や、2輪と4輪でコラボして6輪で何かできたらいいですね。今日はありがとうございました!

アバルトオフィシャルWEBサイト