今年世界文化遺産に登録され、ますます世界的に注目を浴びることになった霊峰富士山。その美しき稜線のもとで開催されるイタリア車の祭典「富士トリコローレ」は、今年で4回目を迎えた。特に今年からは、昨年まで前日開催されていた姉妹イベント「CARZY LIVE」と完全合体。新たに「富士トリコローレ2013 with CARZY LIVE 2013 TKY」と銘打って、大々的に開かれることになったのだ。
この「富士」のほか、いまや「東北」、「関西」、「九州」とまさに日本全国で開催されることになった「トリコローレ」は、愛知・チンクエチェント博物館の主催する、イタリア車のための大規模ミーティング。一昨年から展開されてきた同館の「移動博物館」コンセプトのもとに開催されるこのイベントは、年式・ブランドを問わずイタリア車ならば何でもOK!という、実にイージーな集まりである。
そんな「トリコローレ」に、さらに国籍・年式不問の「CARZY LIVE」まで合体したのだから、会場はもう大盛況。エントリー台数は事前申し込みだけでも200台を超え、当日参加組も加えたら、実に300台を大きく超える大ミーティングとなった。
しかし国籍不問とはいえ、やはりこのイベントの主役と言えばイタリア車である。そして今年、台数およびテンションの高さともに最も目立ったのがアバルト勢。美しい芝生の敷き詰められた会場“富士Calm(山梨県富士吉田市)”の芝生広場では、昨年を大幅に上回る台数のモダーン・アバルト、プント系&500系の姿が見られたほか、アウトビアンキA112などのクラシック・アバルトも登場。会場ではアバルト談議に花が咲くことになったのである。
初開催から4回目にして初めて終日快晴となり、神々しい富士山の姿を一日中拝むことのできた今年の「富士トリコローレ2013 with CARZY LIVE 2013 TKY」。来年は、さらに勢いを増したアバルト愛好家たちとともに、この会場に集まることを、今から楽しみにしているのだ。
色とりどり、そして思い思いのドレスアップを施した500系アバルトたち。仲間たちと集い、それぞれ自慢の愛車を披露できるのが、この種のイベントの醍醐味と言えるだろう。
今年デビューの595Cをはじめ、“ビコローレ(2トーンカラー)”で決めたアバルトたちが早くも登場。可愛らしくもシックな姿は、会場のイタリア車ファンたちから大注目だった。
ドイツ車や某国産プレミアムブランド車を愛用してきたN.Tさんは、3年前にアバルト500に開眼。今回が初の「トリコローレ」参加となったが、今後も楽しみにしているそうだ。
1950年代のアメリカ車を愛用してきたSさん夫妻は、若き日の夢をかなえて今年3月に595コンペティツィオーネを購入。赤のワンポイントを巧みに入れたセンスが秀逸な一台だ。
こちらのセンスの良い一台。旧いアバルトも所有するH.Sさんは、現代のアバルト500をベースに、1970-80年代のラリー・アバルトを髣髴とさせるコスメチューンで決めている。
スペシャルショップのブースにも、新旧アバルトが展示される。良く見ると右端のアバルト500は、今季のスーパー耐久にmCrtの一員として出走した大島選手の愛車であった。
チンクエチェント博物館主催のイベントではお馴染み、イラスト販売とフェイスペイントの小出茂鐘さんも、この夏からついにアバルト・オーナーに。それまで同氏のシンボルでもあったフィアット500Cと同じく、オープントップのアバルト500Cをセレクトした。
WEBブログを介して集まったプント集団“Un punto è connesso”。イベント終盤のビンゴ大会ではメンバー一同が大活躍。今年の「富士トリコローレ」を大いに盛り上げてくれた。
この日の“Un punto è connesso in Fuji Tricolore”で幹事役を務めたR.Aさん。弱冠25歳の若さながら、国産スポーツカーからアバルト・プントに乗り換えたエンスー有望株だ。
まだ真新しいプント・スーパースポーツに乗り、家族総出でエントリーのY.Kさんご一家。これまでは国産ミニヴァンに乗っていたが、難色を示す奥様を説得して乗り換えたという。
「トリコローレ」や「アバルトデイズ」では、いつもスタッフとして尽力しているT.Tさんとご子息。この日も場内整理係を務めつつ、愛車のアバルト・グランデプントで参加。
会場の注目を浴びる往年のフィアット・アバルト695SS。実はフィアット500ベースのレプリカとのことなのだが、製作者の熱意がクルマに現れているのか、高い人気を得ていた。
今回のクラシック勢で目立ったのが、’80年代のアウトビアンキA112アバルト。初代フィアット・パンダから乗り換えたというH.Nさんは、今後もずっと乗り続けたいという。
こちらのA112は、よりレーシーな出で立ち。Y.Kさんの所有するこのクルマは前オーナーが仲間たちとともに製作したスペシャルで、今後は各種のイベントに参加したいとの由だ。
「関西トリコローレ」で初登場したインディーズ歌手、ミキカズコさんが今回もmCrtのマスコット“カルロくん”に見守られつつ熱唱。トリコローレの楽しさを倍加してくれた。