【Movie】限定車「695 esseesse(695 エッセエッセ)」を実車チェック。専用パーツを写真&動画で紹介!

レジェンドの名を受け継ぐホットモデル

“ジャイアントキラー”の異名を取るアバルトのコンパクトスポーツ「595」シリーズ。その伝統はブランドの黎明期から続くもので、なかでも1964年登場の「695 SS」は、フィアット・アバルト500シリーズの流れを汲むモデルの中でも、とりわけ熱いモデル。モータースポーツでさらなる高みを目指し、上位カテゴリーに挑むために生まれた695 シリーズは、元々500ccだった2気筒OHVエンジンを、ボア×ストローク=76×76mmまで拡大し、排気量をレギュレーションで定められた枠内いっぱいの689.5ccまでアップ。そのほか圧縮比の変更や大型のキャブレターならびにお得意の高性能エキゾーストシステムの採用、足回りのチューニングなどにより、全体的に性能が引き上げられていた。モータースポーツの世界では、レース用に投入された695 SS アセットコルサが初戦から快進撃を見せ、欧州のツーリングカー選手権で数多くの勝利を獲得。後世に名を残す名作となった。


なお、車名の“SS”は Super Sportを意味する。

その695 SSにオマージュを捧げる限定車が、「695 esseesse(エッセエッセ)」。595シリーズ最強のエンジンを搭載する595 Competizione をベースにスポーツ性をさらに高めたモデルで、内外装のみならず機能部品にもチューンの手が及んでいる。具体的にはボンネットに軽量なアルミニウム素材を採用し、軽量化が困難なフロント周りの重量軽減を図っている。実際にフードを開け閉めしてみたところ、通常のボンネットに比べて軽い力で済み、重量減を実感できた。またこのボンネットは標準タイプと意匠も異なっており、通常はセンターにひとつだけあるバルジ(膨らみ)が、695 esseesseにはふたつ備わっており、ひと味違った表情が与えられている。アバルトに詳しい人であればすぐにその違いに目が行きそうだ。


ふたつのバルジが設けられた695 esseesse専用のボンネット。アルミニウム素材の採用により軽量化が図られている。

695 esseesseのもうひとつの大きな特徴がAKRAPOVIC(アクラポビッチ)製のハイパフォーマンスエキゾーストシステム。595 Competizioneに標準装着されるレコードモンツァも魅力だが、すでにその所有経験のある人や、他とは違ったモノにこだわりたい人にとって、絶対数が少ないアクラポビッチ製エキゾーストは食指が動かされる存在だろう。気になるサウンドについては、695 esseesse の特徴をまとめた下記の動画でご確認を。左右に1本ずつ顔を出す大径テールパイプがスポーティなリアビューの演出に貢献している。

【ショールームのアドバイザーが695 esseesseの特徴を紹介】


 


アクラポビッチ製のエキゾーストシステムが採用された695 esseesseのリアエンド。ホワイトのアクセントカラーが与えられたリアバンパーの両脇から、大径のテールパイプが顔を覗かせる。

また、695 esseesseには、これまで限られた限定車のみに採用された角度調整式のアジャスタブルリアスポイラーが採用されている。下の左側の写真がスポイラーをフラットに寝かした状態で、右側は起こした状態。スポイラー背面にはABARTHのロゴがあしらわれており、レースカーのような雰囲気がその出自を物語っている。


高速域でリアの挙動を安定させるアジャスタブルリアスポイラー。左が寝かせた状態、右は起こした状態。

このほかホワイト仕上げが施されベース車と形状も異なる専用の17インチアルミホイールのほか、前後バンパーならびにドアミラー、サイドストライプにはホワイトのアクセントが与えられ、サーキットの雰囲気が漂うエクステリアに仕上げられている。ボディカラーはGrigio Campovolo(グレー)とNero Scorpione(ブラック)の2色が選択可能だ。


ボディカラーには通常は設定のないNero Scorpione(ブラック)も用意される。

アルカンターラやカーボン調パーツによりスポーティ感が向上

インテリアも特別装備が盛り沢山。Sabelt(サベルト)製のヘッドレスト一体式スポーツシートは、ヘッドレスト部分に695 esseesseのロゴがあしらわれ、特別なモデルであることが示されている。ちなみに過去の695を振り返ると、695 Edizione Maserati695 Biposto、695 Rivale にも同様にヘッドレストに「695」ロゴが与えられていた。ただ、すべての695がそうだったわけではなく、695 Tributo Ferarriと695 70° Anniversarioにはそれがなく、モデルごとに仕様が吟味されていることがうかがえる。さらに695 esseesseのシート背面は通常のブラックではなくホワイト仕上げとされ、エクステリア同様、白をアクセントにコーディネートされている。一方でシートベルトには明るい赤が差し色として用いられ、スパイスの効いたコクピットが演出されている。


イタリアのSabelt製スポーツシート。ヘッドレストに695 esseesseのロゴが入るほか、シート背面がホワイト仕上げとなっているのが特徴。

さらに注目がインストルメントパネル。表皮に上質なアルカンターラが用いられているのだ。アルカンターラは世界中のプレミアムスポーツカーに採用されている高級マテリアルブランドだが、同社が本社を構えるのはイタリア。美しさと触感にこだわったその素材がダッシュボード全面にふんだんに使われ、インテリアの豪華さを高めている。またステアリングホイールのカーボン調インサートや特別装備のカーボン調シフトノブとの相性もよく、スポーツ性と上質感が融合した独特の空間に仕上がっているのだ。


インストルメントパネルにアルカンターラ表皮が奢られるほか、カーボン調シフトノブが採用された695 esseesseのインテリア。

このほか、フロアマットも695 esseesseのロゴ入り専用タイプとなっているほか、ラゲッジルームのトノカバーにも起毛素材を採用するこだわりぶりで、アルカンターラを取り入れた内装との相性はバッチリ。全体に特別感が感じられる1台に仕上がっている。


ラゲッジルームのトノカバーも専用品。起毛素材で上質感が高められているほか、695 esseesseのロゴがあしらわれている。

なお695 esseesseは、全車5速マニュアルトランスミッション仕様で、右ハンドルに加えて左ハンドル仕様も用意される。限定生産台数は世界1390台で、そのうち日本には400台が割り当てられる。2色のボディカラーとハンドル位置の違いにより、各仕様100台のみの限定となるので、興味のある方はお近くのショールームにお早めにお問い合わせを。

撮影協力=アバルト松濤
東京都渋谷区松濤2-3-13
営業時間:10:00-18:30 定休日:毎週火曜日
TEL:03-6804-9555
URL:https://shoto.fiat-abarth-dealer.jp/fab/

 
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