200台のサソリが大磯ロングビーチに大集結! ABARTH DAYS 2020開催
ドライブイン方式という新たな楽しみ方
アバルトの創始者カルロ・アバルトの誕生月にちなんで11月に行われる恒例イベント「ABARTH DAYS(アバルトデイズ)」が、2020年11月7日(土)、湘南の海に面した神奈川県・大磯ロングビーチで開催された。
新型コロナウイルス感染症の影響で様々なクルマイベントが中止になり、ユーザー間の交流や楽しみの場が少なくなっている状況のなか実現したABARTH DAYS 2020。そうした背景から、感染予防に注意を払いながらの開催となった。ステージイベントは人が密集するのを防ぐため、車内でくつろぎながら観られるドライブイン方式で行われ、音声はラジオ回線で聴ける設備が用意された。会場内での移動はマスク着用をはじめ、人が集まりやすいところは人数制限を設けるなど、“三密”を防ぐ対策も。また、会場に到着するまでに道の駅かサービスエリアの1カ所で用紙にスタンプを押し、愛車と一緒に記念撮影した画像をSNSにハッシュタグ付きで投稿すると、会場でアバルトオリジナルグッズがもらえるというチャレンジも実施されるなど、新たなイベントの楽しみ方が提案された。
会場には、関東をはじめ、中部地方や関西地方など遠方から参加される方も大勢いらした。開場の10:30前には、駐車場に色とりどりのアバルトが並び始める。モデルのバラエティも豊かで、昨年のABARTH DAYSで初披露された「695 70°アニヴェルサーリオ」や、今年9月に発売されたばかりの「595/595C エッセエッセ」、5月にデビューした「595/595C ピスタ」などの姿も見られ、オーナーズイベントならではの賑わいを見ることができた。来場者からは「色々なアバルトが見られて楽しい」という声や「他のアバルトユーザーがどんな楽しみ方をしているのか見ることができてよかった」などの感想が聞かれた。
また、会場の一角にはアバルトの歴史を彩ったヒストリックモデルを展示する「アバルトミュージアム」が設置された。ミュージアムには、カルロ・アバルトがアバルト創設前に開発に参画したイタリアの自動車メーカー、チシタリアの「202クーペ」や、モンツァで速度最高記録を樹立した「フィアット・アバルト850 レコードモンツァ ザガート」、124 spiderのオリジンにあたる「フィアット アバルト 124ラリー」など、貴重なモデルが多数展示。ソーシャルディスタンス確保のため人数制限を設けながら、これらヒストリックモデルを間近で見られる機会となった。
595 スコルピオーネオーロがジャパンプレミア
午後2時、昨年のABARTH DAYSでもMCを務めてくれたnicoさんの掛け声と共に、スタート。世界的に活躍するイリュージョニスト、セロさんがスクリーンに映し出され、マジックやモータージャーナリスト嶋田智之氏との掛け合いを披露。その後、舞台はリアルのステージへと映り、壇上の中央に置かれたドームが真っ二つに開くと、中から無数の黒や金の風船と共に、セロさんと嶋田氏が登場。さらに、「595 Scorpioneoro(スコルピオーネオーロ)」が姿を見せた。
595 スコルピオーネオーロの車内からFCAジャパン マーケティング本部長のティツィアナ・アランプレセが登場し、ごあいさつ。世界的に見ても日本でのアバルト人気が非常に高いことや、世界で2000台しか生産されない595 スコルピオーネオーロが、日本に200台導入されることなどを発表した。
続いて、アバルトのプロダクトマネージャー、生野逸臣が595 スコルピオーネオーロの詳細を紹介。過去を振り返っても希有なスコーピオンロゴがあしらわれたカムフラージュ柄のシートを採用することや、ハンドル位置(右/左)やトランスミッション(5速MT/5速シーケンシャルトランスミッション=MTA)を選ぶことができ、希少な左ハンドル・MTA仕様も設定されることなど、595 スコルピオーネオーロの詳細を解説した。
セロさんが会場でマジックを披露
またステージでは、プロドリフトドライバー石川紗織さん、プロドライバー蘇武喜和さん、自動車ライター嶋田智之氏によるトークショーが行われ、アバルトの各モデルの特徴や競技車両について専門家の視点からコメントした。嶋田氏は595 スコルピオーネオーロに所縁のある「A112アバルト」のことや、アバルトでは乗りやすさが“速さ”にも繋がっていることなどを紹介。石川さんはアバルトが路面状況をよく伝えてくれるクルマであること。蘇武選手はかつてアバルト 695 アセットコルサを走らせた時のエピソードなどを披露した。
ステージイベントのクライマックスを飾ったのは、セロさんのマジックショー。ステージから降りて観戦していた参加者の元へ向かうと、誕生日や自身にまつわる数字を尋ねて歩き、それらの数字をスマホの電卓で掛け合わせた。こうして最終的にはじき出された数字は、「1,107,205,951,552」。この数字になんの意味があるのかをセロさんが解説する。最初の11.07.20は日付(20年11月7日)を、その次の「595」は、595が数多く集まった今回のイベントを、それ以降の数字は会場の時刻15時52分を表しているとのこと。電卓に触ることなく、その時の時刻と電卓の数字を一致させたセロさんのマジックに、会場からはどよめきと拍手喝采が起こった。
クロージングが近づいたところで、プロダクトマネージャーの生野が「124 spider」の生産が年内に終了することを公式に発表。そしてその最後の1台を、アバルトチェントロスティーレ(デザインセンター)の描いたスケッチなどと共にチャリティオークションに出品し、落札金をアバルトがサポートする「シャイン・オン!キッズ」に寄付することを明らかにした。シャイン・オン!キッズは小児がんや重い病気と闘う子どもやその活動をサポートするNPO団体で、チャリティオークションへの出品は病気と闘う子どもたちのチャレンジを応援したいというエールの想いが込められている。なお、オークションは11月13日(金)から11月29日(日)18:00まで特設サイトで実施される。
会場に集まってくれたオーナーさんをご紹介
横浜からお越しのNさんは、今年9月に納車されたばかりの595ツーリズモに乗ってファミリーで参加。595 ツーリズモは、2歳のご子息がサソリ座であることや、普段奥さまが運転しやすいサイズであるために購入したのだそう。旦那さまも、「乗るとめちゃくちゃ楽しいです」とお気に入りの様子。奥さまは「ママが乗っているお洒落なクルマっていう雰囲気に仕上げていきたいので、会場ではお洒落なアバルトをたくさん見られて、参考になりました」と話してくれた。またドライブイン方式のイベントについては、「車内は自分たちの部屋っていう感覚で、子どもが泣いたりぐずっても周りを気にせずあやしてあげられるし、家でテレビを見ているのとは違って、窓を開ければ生でも音を聴けるのですごくいいなと思いました」と楽しんでいただけた模様。これからも楽しいアバルトライフを満喫してください!
服部初(はじめ)さんは、愛知県一宮市からのご参加。日帰りの長距離ドライブが大変か訊ねてみると、「300kmなら余裕です。このクルマはシートが疲れづらいので長距離も全然いけます」とアバルト乗りらしい勇ましい返答をいただいた。会場では、普段SNSで交流しているアバルト仲間と久しぶりに会ったり、車内でステージイベントを楽しんだりされたそう。「マスクの着用やソーシャルディスタンスなど対策をキチンとやれば、あとは割とラフに楽しめるところがいいと思いました」と話してくれた。そんな服部さんに普段ドライブに行くところを聞いてみると、岐阜や白馬、伊勢志摩、淡路島や四国など幅広く楽しまれているご様子。お気に入りのワインディングロードは「日光のイロハ坂です」という答え。長距離も全然OKな服部さんなのでした。
濱岡瑠美さんは、なんと大阪から、お嬢さんと「595 コンペティツィオーネ スティーレ」でご来場。普段はお買い物やお嬢さんの送り迎えに使用されていて、今回初めて長距離ドライブにトライ。「燃費の良さと意外に運転が楽だったので、びっくりして今日ここにいる感じです」と答えてくださった。「じつは595 スコルピオーネオーロの購入をもう決めているんです。なので今日は“あの子”を直接見たかったのです」と、まさかの購入宣言も! 595 スコルピオーネオーロを気に入ったポイントをうかがうと「パッと見でカラーリングに惹かれて。ちょっとスパイスの効いたあの雰囲気です」との答え。お嬢さんにも聞いてみると「かわいさとかっこ良さを両方感じる」とお母さんと意見が一致している様子。595スコルピオーネオーロが納車されたら、改めて取材させてくださいね!
こうして多くの方々に楽しんでいただいたABARTN DAYS 2020も16時過ぎに閉会に。最後にみんなで一本締めならぬ “アクセルひと踏み”をして、解散となった。感染症対策で制限はあったものの、新たな様式にてリアルイベントを実現できたことはアバルトコミュニティにとって大きなブレークスルーとなった。今年残念ながら参加できなかった方も、次回はぜひ!
595 スコルピオーネオーロの詳細はコチラ