マセラティフェスティバル2013に見る“クルマ好き”のこだわりポイント!

全国各地から様々な年代や車種のマセラティが一堂に会する、マセラティフェスティバルをご存知だろうか?マセラティフェスティバル2013の会場となった富士スピードウェイには、今年は238台のマセラティが集い、愛車のオーナーとその家族・友人らを含む約450名が来場。色とりどりのマセラティで埋め尽くされたパドックは、まるでマセラティミュージアムのような豪華絢爛ぶり。それだけでなく、オーナー同士が改めてマセラティの魅力やクルマの楽しさを語り合えるという意味でも、盛んに交流が行われていた。そんなスペシャルな祭典にアバルトも参戦し、会場にはマセラティとのコラボレーションカーであるアバルト695エディツオーネ・マセラティを展示。今回は“クルマ好き”が一斉に集った豪華なイベントを通じて、クルマとアバルトの楽しさを紹介していきたいと思う。

アバルト 695 エディツィオーネ マセラティに熱い視線を送る参加者

アバルト695エディツオーネ・マセラティは、マセラティを代表するポンテヴェッキオ・ボルドーを採用したボディカラーや、マセラティの象徴である「ネプチューン」デザインを踏襲した 17インチ・アロイホイールなど、マセラティらしいスタイリッシュなディテールをアバルトとして表現した特別仕様車だ。また同車の展示と併せて、本サイトでもお馴染みの桧井保孝氏をドライバーに迎えたアバルト595の体験試乗を実施。両ブランドの意匠が詰め込まれたコラボレーションカーと、プロが引き出すアバルトの最大限のパフォーマンスは、マセラティオーナーに興奮と新鮮さを与えていた。

コンクールエレガンス表彰式の模様

当日のプログラムの中で最も注目を集めていたのは、愛車の美しさを競い合うコンクールエレガンスだ。エントリーした70台のマセラティのうち、ギブリスパイダー(右)、222ザガートスパイダー(中央)、グランスポーツスパイダー(左)が入賞し、栄えあるグランプリに輝いたのはギブリスパイダーだった。

コンクールエレガンス受賞者に聞く愛車のこだわりポイント!

ギブリスパイダー(オーナー:タキさん)
20世紀の名車として世界的に評価されるギブリスパイダー。

深紅のボディに映えるオールブラックのシンプルなインテリア

「一番気に入っているのは、何と言っても美しいボディラインです。マセラティの中でもスパイダーは、トップを開けた状態にクルマとしての価値があると思うので、屋根を閉めずに走ることはこだわりの一つですね」
 

ザガートスパイダー(オーナー:ヤギさん)
直線的なボディラインが特徴的なザガートスパイダー

洗練されたベージュのレザーシートと上品なウッドパネル

「マセラティはビトルボのタイプを乗り継いできましたが、スパイダーはまだ所有して一年で、知人から譲ってもらいました。月並みな表現になりますが、このクルマの全てを気に入っていますね。外装も内装も、その時から変わらないフルノーマルの状態です」
 

グランスポーツスパイダー(オーナー:ナガヤマさん)
青いボディとフロントのカーブラインが美しいグランスポーツスパイダー

ネイビーで統一されたスタイリッシュな内装

「このマセラティ90周年の特別限定モデルは、マリア・テレーザ・デ・フィリッピスという世界初の女性F1レーサーが乗っていたのを気に入って買いました。カスタマイズは絶対にしません。外装も内装も全て、このクルマに合ったデザインが施されていますし、それを壊してしまったら、造っている人たちに申し訳ないですからね」

入賞した3者に限らず全てのマセラティオーナーに共通しているのは、愛車に華美なカスタマイズを施さないという美学。エレガントで上品、かつ刺激的なボディシェイプのマセラティには、生産時から変わらないノーマルデザインが一番似合っている。

桧井保孝氏が語るマセラティとのコラボに見るアバルトの魅力とは?

体験試乗のドライバーを務めた桧井氏とアバルト695エディツオーネ・マセラティ

ー桧井さんは、今日のイベントの雰囲気からマセラティオーナーのイメージをどう感じていますか?

マセラティのオーナーさんは、イタリア車を分かっている方だと思いますね。例えばご夫婦の場合、旦那さんがマセラティに乗っていたら、奥さんはアバルトに乗っているというのは、実は結構ある話なんです。あるいは、お父さんと息子さんの関係とかね。そういう提案ができるのは素晴らしいんじゃないかなと。

ー会場にはアバルト695エディツォーネ・マセラティが展示されていますが、アバルトとマセラティは一見対極にあるクルマに見えるんです。共通項があるとすれば、どんな点が挙げられるでしょうか?

もともと、バルトとマセラティは同じくレーシングチームだったんですよ。つまり、どちらも走りにこだわって造られたクルマなんです。アバルトはアクセルを踏んでコーナリングしている時のハンドリングが素晴らしいと思いますね。マセラティのクアトロポルテは、どちらかというとGT的なイメージが強いですし、グランツーリズモの方は、クルマのバランスとして低重心でしなやかに動く。サーキットで乗っていても楽しいというイメージがありますね。

ーどちらも走ることの楽しさを追求しているんですね。今のお話を踏まえると、アバルト695エディツオーネ・マセラティは、桧井さんにとってどんなクルマですか?

マセラティの味付けが上手いクルマだと思いますね。カタログスペックでは180馬力だけど、アクセルを踏んでみた感触は、普段から乗れるクルマのイメージですし。マセラティというクルマ自体、ボディサイズの大きさは一つの魅力ではありますが、アバルト695エディツオーネ・マセラティはコンパクトだから、普段使いに向いていますね。アクセルを踏んだ雰囲気とかハンドルを切っていく雰囲気とかはすごく一般的な作りをしてあるし、誰にとっても乗りやすい。アバルトのイメージに、上手な形でマセラティのイメージが合わさっていて、お互いのイメージが伝わるようによく出来ています。アバルトは、本当によくマーケティングが出来ているクルマだと思いますよ。色んな好みと志向を持ったお客さんに当てはまるバージョンを持っている。そこにある共通項が”クルマ好き”なんです。
 

マセラティという共通の趣味を持つ者同士を繋ぐ社交の場として終始賑わっていたマセラティフェスティバル。音楽や映画などと同じように、クルマにも何かをきっかけに掘り下げたくなる瞬間がある。その衝動が湧いてくるきっかけは、デザイン、走り心地など人によって様々。クルマの新しい魅力が見えてくると、カーライフがもっともっと楽しくなる。
 

INFORMATION
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Edit & Text: Shota Kato
Photos:Masato Yokoyama