箱根ドライブの際に立ち寄りたいユニークなカフェ「CAFE Ryusenkei」|愛車と楽しむおすすめカフェ巡り
エアストリームを使う“旅するカフェ”
人は無意識に“区切り”の時間を欲し、そこに身を委ねることに快適さを感じるもの。例えばワインディングロードを気持ちよく走った帰り道に、心地よさそうなカフェがあればふと立ち寄って、美味しいコーヒーを一杯──なんてしたくなることも。
クルマ好きの聖地・箱根でそうしたカフェを探してみたら、やっぱりありました。強羅温泉や箱根美術館にほど近い“GORA BREWERY&GRILL”の駐車場をベースに営業している、“CAFE Ryusenkei(カフェ・リュウセンケイ)”です。
このカフェは“旅するカフェ”がコンセプト。1967年式のエアストリーム・カラベルを引っ張ってどこにでも行ける、移動型のカフェなのです。現在はほぼGORA BREWERY&GRILLの駐車場に腰を据えて営業していますが、イベントなどに呼ばれて旅先でコーヒーを振る舞う日もあるそうです。
マスターの合羅(ごうら)智久さんがコーヒーを淹れるカウンターに、それを取り囲むようにレイアウトされた7〜8人掛けのベンチソファ。エアストリームそのものがお店なので決して広いわけではありませんが、スカンジナビア風ともミッドセンチュリー風とも茶室風ともつかない空間の温かな包まれ感が、思いのほか快適です。
座る席によっては開いた扉や窓から駐車場に停めた自分のクルマを眺めることもでき、季節と天候次第ではエアストリームの日よけテントの下のベンチに座り、クルマを目の前にしながらコーヒーを味わわせていただくことも……。
コーヒーへのこだわりは第一級
元は都内でレコード会社にお勤めだったというマスターは、クルマ好き、温泉好き、そして美味しいモノ好き。マイカーで、気分次第で道を変えながら、よく箱根にも通っていたのだとか。そしてある程度の年齢になったら温泉地に住みたいという想いと、昔からカフェ/喫茶店カルチャーが好きだったという嗜好が合わさって、箱根でカフェを開業するべく店舗を探し始めました。が、望みに合う場所が見つからないまま1年。あるとき突然思いついたのがエアストリームをお店にすることだったのでした。そして17フィートのエアストリーム・カラベルをアメリカのサンノゼから輸入し、内装は残せるところは残しつつ友人のインテリアデザイナーに仕上げをお願いし、各種許認可に四苦八苦して……ようやくオープンにこぎつけたそうです。
それから6年。今ではクルマやオートバイ、自転車、カメラなどが好きな趣味色の強い人、それにマスターの昔馴染みの音楽関係者などが立ち寄るカフェとして、知られる存在になりました。アバルト乗りの方も、ときどき訪れるそうです。また近頃ではInstagramを見てエアストリームの中でコーヒーを楽しんでみたいという外国人観光客の訪問もかなり多いようです。
凝り性というよりこだわり屋なマスターがハンドドリップで1杯ずつていねいに淹れてくれるコーヒーは、掛け値なしに美味。豆も東京都内で指折りのロースターに焙煎してもらっているオリジナルブレンド2種。訊ねればコーヒーの美味しい淹れ方も教えてくださるし、エアストリームでカフェを開くノウハウなども教えてくださる、温かな雰囲気がまた心地いいのです。
アクセスは、箱根でドライブを楽しんだ後なら、芦ノ湖から東海道(一般道・国道1号線)を箱根湯本・小田原方面へと進み、宮ノ下交差点を左折して仙石原・御殿場方面に向かい、強羅を目指すとアクセスしやすいと思います。箱根湯本方面への帰り道も、交通量は少なくありませんが、なかなか楽しい道のりです。駐車場も5〜6台は停められるスペースがあるので、箱根方面に遊びに行くときには、ぜひ立ち寄ってみては。
ただし、ここは“旅するカフェ”。エアストリームを引っ張って、どこか別の場所でコーヒーを提供している日もあります。まずはWebなどで営業日や営業時間を確認して、また人数や台数が多い場合にはあらかじめ問い合わせてから訪ねてみることをおすすめします。
文 嶋田智之
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