箱根ドライブの際に立ち寄りたいユニークなカフェ「CAFE Ryusenkei」|愛車と楽しむおすすめカフェ巡り

190929_Abarth_Cafe_01

エアストリームを使う“旅するカフェ”

人は無意識に“区切り”の時間を欲し、そこに身を委ねることに快適さを感じるもの。例えばワインディングロードを気持ちよく走った帰り道に、心地よさそうなカフェがあればふと立ち寄って、美味しいコーヒーを一杯──なんてしたくなることも。

クルマ好きの聖地・箱根でそうしたカフェを探してみたら、やっぱりありました。強羅温泉や箱根美術館にほど近い“GORA BREWERY&GRILL”の駐車場をベースに営業している、“CAFE Ryusenkei(カフェ・リュウセンケイ)”です。

190929_Abarth_Cafe_02
CAFE Ryusenkeiは、なんとキャンピングトレーラー、エアストリームで営業。店内のベンチに座って飲む一杯。この独特の世界観をぜひ一度味わってみては。

このカフェは“旅するカフェ”がコンセプト。1967年式のエアストリーム・カラベルを引っ張ってどこにでも行ける、移動型のカフェなのです。現在はほぼGORA BREWERY&GRILLの駐車場に腰を据えて営業していますが、イベントなどに呼ばれて旅先でコーヒーを振る舞う日もあるそうです。

マスターの合羅(ごうら)智久さんがコーヒーを淹れるカウンターに、それを取り囲むようにレイアウトされた7〜8人掛けのベンチソファ。エアストリームそのものがお店なので決して広いわけではありませんが、スカンジナビア風ともミッドセンチュリー風とも茶室風ともつかない空間の温かな包まれ感が、思いのほか快適です。

190929_Abarth_Cafe_03
店内には7-8人掛けのソファがあり、他のお客さんと会話が進むことも。エアストリームという独特の遊び的な空間と、マスターのお人柄が人を繋いでしまうのです。

座る席によっては開いた扉や窓から駐車場に停めた自分のクルマを眺めることもでき、季節と天候次第ではエアストリームの日よけテントの下のベンチに座り、クルマを目の前にしながらコーヒーを味わわせていただくことも……。

190929_Abarth_Cafe_04
マスターの合羅智久さん。物腰が柔らかく、すぐに打ち解けられる、そんな雰囲気をお持ちです。そしてコーヒーへのこだわりは相当なもの。美味しい一杯を提供してくれます。

コーヒーへのこだわりは第一級

元は都内でレコード会社にお勤めだったというマスターは、クルマ好き、温泉好き、そして美味しいモノ好き。マイカーで、気分次第で道を変えながら、よく箱根にも通っていたのだとか。そしてある程度の年齢になったら温泉地に住みたいという想いと、昔からカフェ/喫茶店カルチャーが好きだったという嗜好が合わさって、箱根でカフェを開業するべく店舗を探し始めました。が、望みに合う場所が見つからないまま1年。あるとき突然思いついたのがエアストリームをお店にすることだったのでした。そして17フィートのエアストリーム・カラベルをアメリカのサンノゼから輸入し、内装は残せるところは残しつつ友人のインテリアデザイナーに仕上げをお願いし、各種許認可に四苦八苦して……ようやくオープンにこぎつけたそうです。

190929_Abarth_Cafe_05
ソファから愛車を眺めることも。595 Competizioneでドライブ帰りに立ち寄りました。

それから6年。今ではクルマやオートバイ、自転車、カメラなどが好きな趣味色の強い人、それにマスターの昔馴染みの音楽関係者などが立ち寄るカフェとして、知られる存在になりました。アバルト乗りの方も、ときどき訪れるそうです。また近頃ではInstagramを見てエアストリームの中でコーヒーを楽しんでみたいという外国人観光客の訪問もかなり多いようです。

190929_Abarth_Cafe_06
コーヒーは、マスターが一杯一杯ていねいに淹れてくれます。

凝り性というよりこだわり屋なマスターがハンドドリップで1杯ずつていねいに淹れてくれるコーヒーは、掛け値なしに美味。豆も東京都内で指折りのロースターに焙煎してもらっているオリジナルブレンド2種。訊ねればコーヒーの美味しい淹れ方も教えてくださるし、エアストリームでカフェを開くノウハウなども教えてくださる、温かな雰囲気がまた心地いいのです。

190929_Abarth_Cafe_07
コーヒー豆の仕入れ元から、淹れ方、お湯の温度など、あらゆる点にこだわってサーブしてくれる一杯は格別。

アクセスは、箱根でドライブを楽しんだ後なら、芦ノ湖から東海道(一般道・国道1号線)を箱根湯本・小田原方面へと進み、宮ノ下交差点を左折して仙石原・御殿場方面に向かい、強羅を目指すとアクセスしやすいと思います。箱根湯本方面への帰り道も、交通量は少なくありませんが、なかなか楽しい道のりです。駐車場も5〜6台は停められるスペースがあるので、箱根方面に遊びに行くときには、ぜひ立ち寄ってみては。

190929_Abarth_Cafe_08
コーヒーは、濃厚な「Ryusenkei ブレンド No.01」と、軽やかな味わいの「Ryusenkei ブレンド No.03」の2種類(ともに500円)。ほか、カフェオレやアイスコーヒー、ホット/アイスショコラ、抹茶オレなども用意。

ただし、ここは“旅するカフェ”。エアストリームを引っ張って、どこか別の場所でコーヒーを提供している日もあります。まずはWebなどで営業日や営業時間を確認して、また人数や台数が多い場合にはあらかじめ問い合わせてから訪ねてみることをおすすめします。


CAFE Ryusenkei
神奈川県足柄下郡箱根町強羅1300-72
営業時間:10:00-19:00
定休日:不定休
URL:http://cafe-ryusenkei.com/

文 嶋田智之

595 Competizioneの詳細はコチラ