昨日までの自分を超える女性向けドライビングレッスン Scorpionna Drive for Woman開催
<曲がりながらのブレーキング>
次なるステップは曲がりながらのブレーキ。全力でブレーキを踏むと、その状態ではクルマは曲がりづらくなってしまうので、まずはそれを体感。同じクルマ、同じタイヤでもブレーキの踏み方の調整によって曲がる性能に差が出ることを知り、正しいクルマの操作方法を身につけることが目標だ。このレッスンは難易度高めなので、インストラクターの助手席に乗り、その違いを体感したうえで、次に自分の運転でブレーキとハンドル操作に挑戦する。参加者の皆さんはインストラクターと自分の運転の差を縮めることができた!?
<スラローム>
急制動と曲がりながらのブレーキを学んだら、その集大成として、パイロンの間を左右に縫うようにして進むスラローム走行に挑戦。まずは十分に加速し、パイロンを曲がり切れるスピードまで減速したうえで、ハンドルを切りながらの減速でもクルマの挙動が乱れないようにコントロールできるようになることが目標だ。
あいにくの雨でタイヤが滑りやすい環境だったため難しいと感じた人もいたはずだが、参加者の皆さんは自分のペースでトライ&エラーを繰り返した。うまくできなかったとしても正しい運転方法を理解し、アバルトの秘めた性能をインストラクターの運転で学び反復することは今後の運転に役立つはず。参加者の皆さんは、普段公道では試すことができないダイナミックな運転経験を通じて、収穫をつかんだ様子だった。
スコーピオンナに参加された方の声
595 Competizioneで参加されていた園部綾音さんに感想を聞いてみた。
「アバルトのインスタをフォローしているので今回のイベントのことを知り、応募しました。サーキットを走れるところに興味を持って参加したのですが、楽しかったというのが率直な感想ですね。急制動やスラロームといった普段の運転では使わないようなテクニックを試せたのはいい経験になりました。また、インストラクターの方に運転してもらい、自分のアバルトがこんなアグレッシブな走りができるということを知ることができ感動しました」
695 Competizioneで参加されていた小林妙子さん。
「4年前にアバルト ドライビング アカデミーのBASE(バーゼ)クラスに参加したのですが、その時は女性専用のコースがあることを知らなくて、今回参加してみようということで申し込んだのです。実はこのクルマでアバルトは3台目なんですけど、なかなか乗りこなせないんですよ。そんな人はあまりいないと思いますけど(笑)。でも今回受講し、シートの座り方やコーナーを曲がる時のブレーキを離すタイミングなど、今まで何も考えずに行っていた動作を先生に教わることができ、自分なりに少しがんばることができました。とても楽しかったので、また参加したいと思います」
初参加の方も、以前にレッスンを受けたことのある方も、運転経験にかかわらず挑んだ今回のレッスン。参加者の皆さんだけでなく、インストラクターも皆さんと過ごした時間を楽しんでいた模様。レッスン終了後にりんごちゃんに感想を聞いた。
「私にとっても久しぶりのスコーピオンナ ドライブでしたが、嬉しかったのは4-5年前のイベントのレポートやムービーを見た参加者の方が、“次は私も参加するんだ”という想いを温めていてくれて、今回参加してくれた方がいたことです。4年ですよ。恋だって冷めますよ(笑)。実は朝、レッスンが始まる前に6人ぐらいの参加者の方が“私がこの中で一番運転が下手だと思います”って訴えてきたんです。彼女たちには“大丈夫だよって。同じことを6人ぐらいから聞いたから。みんな同じスタートだから楽しもう”と返しました。不安を感じながらも勇気を出して参加してくれたことを知り、朝から嬉しかったですし、責任を感じましたね。
でもカリキュラムを終了したあとに彼女たちを見ると、なんだか顔つきが変わっていて、最初はおどおどしていた彼女たちがドライバーの顔になっていたんです。修了式ではみんな卒業していくようで寂しくなりましたけど、またサーキットで会えるといいですね。ぜひまたご参加ください。お会いできるのを楽しみにしています!」
こうして無事に幕を閉じたスコーピオンナドライブ。修了式では参加者の皆さんに修了証が手渡され、笑顔で1日のレッスンを終えた。またパレード走行では、アバルト ドライビング アカデミーの参加者を含むすべてのアバルトオーナーが共にレーシングコースを周回。この特別な1日の思い出をそれぞれ胸に刻み、帰路についたのだった。
文 曽宮岳大/写真 荒川正幸