ビール職人のご主人から贈られたスイートテン・アバルト アバルトライフFile.63 松本さんファミリーと 595 Competizione

人の温かさと伝統文化をつなぐ風土

松本さんを紹介してくれたのは、アバルト友の会の運営に携わられている西山智子さんだ。西山さんは、かねてから郡上八幡麦酒こぼこぼのファンで、郡上を訪れた時にここのビールを買って帰ったり、お取り寄せをしたりしていたそう。自分が好きなお店のオーナーから偶然アバルト友の会への申し込みがあった時はさすがにびっくりしたそうで、松本さんとはSNSでのコミュニケーションを通じてすぐに仲良くなったそう。


友人の西山智子さん(左)と松本智世子さん(右)。

ビール作りに情熱を傾けるご主人と一緒に郡上に移り住んだ奥さまの智世子さん。彼女自身も、都会での生活よりも地方に住みたいという思いがあった。

「私は田舎生まれ、田舎育ちなので田舎に住みたいと思っていました。郡上を訪れたときに街の雰囲気や人々の温かさに触れることができ、すぐにこの街が気に入りました」と智世子さん。そして郡上に移り住んでまもなく、お嬢さんを出産した。

「人の温かさと伝統文化を繋ごうという風土というんですかね。郡上にはそんな魅力があるんです。私たちは移住して来たので最初は知人が誰もいない状態で、しかも子育てしながら働くという状況でした。血縁はありませんが近所のお婆ちゃん、お爺ちゃんが夫婦ともに忙しい時には、本当の孫のように子どもの面倒を見てくれました。そんな人々の温かさのおかげですぐに街に溶け込むことができ、今では通りを歩けば知り合いに会い、当たり前に会話を交わすようになりましたね。郡上では400年の歴史があるといわれている郡上おどりが7月中旬から9月上旬まで30数夜行われるのですが、郡上おどり保存会にも入り、シーズン中は輪の中で踊っています」

そんな智世子さんは、建築士として仕事されており、郡上八幡に多く残る古い家を、街並みを考慮しながらモダンな雰囲気にリノベーションしたりと、その技術や経験を郡上の街でも発揮している。


松本さんが設計に携わったArt & Hotel木ノ離。昔からの外観をできるだけ残すようにリノベーションした。

Art & Hotel木ノ離の設計にも携わった。アートホテルとは、アート作品と共に泊まる宿をコンセプトに作られたホテルで、建物の随所にアート作品が飾られるほか、建物そのものがデザインコンシャスなつくりとなっている。この古いものを残しながら新しい価値を提案していこうという活気が郡上の街にあり、古いながらもおしゃれな街という独特の雰囲気を漂わせているのだ。

「街を盛り上げようと考える人が多くいらっしゃいますね。若手から年配の方まで。そういう世代を超えた方々が交流し、一緒に作り上げていこうという空気がこの土地にはあるんです」と智世子さん。


Art & Hotel木ノ離のインテリア。町家の雰囲気を残しつつ、随所にアートが散りばめられていて、おしゃれな雰囲気が漂う。

そんな郡上の街で、黄色い595 Competizioneに乗る松本さん。そもそもなぜアバルトを選ばれたんですか?

「きっかけはルパン三世でした。アバルトに対しては30年ぐらい前から憧れを持っていたんです。ドリームマップってわかりますか? 自分の夢を書いて目に見えるところに貼っておくと、いつか夢が叶うというものなんですけど、私の場合はアバルトが欲しいから、ドリームマップにアバルトの写真を貼っていたんです。それぐらいアバルトへの気持ちが強かったんです」


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