理想的なアバルト2台体制に アバルトライフFile.32 大矢さん夫妻と695 70°Anniversario & 124 spider
ご夫婦でアバルトを1台ずつ所有
「実はいま所有しているオープンカーを手放して、124 spiderが欲しいなと思っているんです」
「124 spider、私も乗りたいんです。オープンカーってそばに1台あって欲しいなって思うので。もちろん595 Competizione(コンペティツィオーネ)は手放さずに(笑)」
これは大矢徹さん・裕香さんご夫妻に2018年春にお話をうかがったときにお聞きした言葉。AT限定免許だった裕香さんが595 Competizione Performance Package(パフォーマンス パッケージ)に乗るために教習所に通ってMT免許を取得したというお話は、日本のアバルト界(?)に嬉しい衝撃を与え、二の足を踏んでいた女性達を励ますことにもなりました。覚えていらっしゃる方も多いかもしれません。
実は大矢さんご夫妻、この2年半の間に所有車が激変しました。徹さん所有の日本のメーカー製コンプリートカーはそのままながらもう一台のオープンカーを手放し、124 spiderを手に入れました。ご夫妻にとって最初のアバルトとなった595 Competizioneもすでに手元にはなく、代わりに695 70°Anniversario(セッタンタ・アニヴェルサーリオ)がガレージに収まったのです。
この短い期間にご夫妻に何があったのか、訊ねてみました。
徹さん「最初の124 spiderを買ったのが2018年の6月です。実は前回お話したときには、ほぼほぼ買うことを決めていたんです(笑)。セカンドアニバーサリーが発売になる案内をディーラーさんからいただいていたので。それで124 spiderは裕香がメインで乗って、595 Competizione Performance Packageは自分がメインで乗ることにしよう、と」
裕香さん「私は124 spiderに乗るなら赤がいいなと思っていて、シルバーは社用車みたいなイメージがあってちょっと悩んだんですけど、シルバーに赤の挿し色が入るとカッコイイっていうことに気づいて、それで決めました。今は他の124 spiderとあまりかぶらないし、光の加減で同じクルマなのに印象がガラッと変わったりして、かなり気に入っています(笑)」
ちょっと待って! 今、サラッと“最初の124 spider”っておっしゃった気がするのですが、もしかすると……。
裕香さん「そうなんです。2台目なんです(笑)。最初の124 spiderは2周年記念の限定車だったんですけど、買うときにレカロのシートが選べなかったんですよ。私、レザーシートだとシートの上で身体が滑っちゃうんです。前に乗ってたクルマでレカロのよさを知っていたから、一時はシートだけ換えようかって考えてたぐらい。そうしているうちにもうじき生産中止になるっていうウワサが流れはじめて、Make Your spider(メイク・ユア・スパイダー)でレカロが選べることがわかって、これが最後のチャンスかもしれないから……と、思い切りました(笑)」
リアスポイラー効果
お次は695 70°Anniversario。気に入っていた595 Competizione Performance Packageを手放して乗り換えた理由は?
徹さん「サーキットを走ったりとか速さを楽しむのは日本製コンプリートカー、感覚的な楽しさを味わうのは595 Competizione Performance Package、たまにオープンカーに乗りたくなったら124 spiderを“ちょっと貸してね”って……」
裕香さん「“たまに”じゃないでしょ(笑)」
徹さん「まぁね(笑)。それで満足していたはずだったんですけど、695 70°Anniversarioが発表になって、“あの羽、欲しいな”と(笑)。わずかだけどオーバーフェンダーになってますし、機械式のLSDも入ってますしね。去年のアバルト・デイズで実車を見たらボディカラーのグリーンが、写真で見るよりかなり綺麗だった。WEBでの予約も、運良く2分ぐらいでできちゃったんです。納車までもスムーズでした。3月に納車になって、先にオーダーしていた124 spiderより早かったんですよ。Make Your spiderのクルマは時間がかかるとはいわれていたんですけどね」
裕香さん「124 spiderが納車になったのは今年の夏。でも待った甲斐はありましたね」
ご夫婦で1台ずつの新しいアバルト。おふたりに新しい2台の愛車の印象を語っていただきましょう。
裕香さん「それまでの124 spiderとはシートぐらいしか変わらないんですけど、正解だったと思います。身体をホールドしてくれるし長距離運転も楽だし、シートが違うと全然違うんですよね。それ以外は前のクルマともちろん一緒。シフトも気持ちよく入るし、ペダルの位置も私に合ってるので、乗りやすいです。それにやっぱり走っていて気持ちいいし、楽しい。もちろん普段の通勤や買い物も、このクルマ。実家までわざと下道で50km走るのも、このクルマ。短距離でも長距離でも、走っている間ずっと楽しいのがいいですね。695 70°Anniversarioの方は、一緒に出掛けるときには(旦那さんが)運転するし、家に置いてあるときにはカバーをかけてものすごく大切にしてるので、まだほとんど運転させてもらってないです(笑)」
徹さん「124 spiderは通勤で毎日動いてるしカバーもかかってないから、ひょいっと乗って出やすいんですよ(笑)。そういうちょっとした外出のときにも気持ちが浮き立つのは、素晴らしいですよね。695 70°Anniversarioは、基本的なメカニズムは595 Competizione Performance Packageと同じなので、そういう意味ではそう違いは感じられないですね。ただ、リアスポイラーの効果は大きいです。納車のときは平らな状態だったんですけど、自分で立ててみて雨の日の高速道路で試してみたら、安定感が違いましたね。リアがビシッと安定してました。レーンチェンジのときも、前のクルマだとフワーッとしそうなところでもビシッと安定していて、効いていることがよくわかりましたよ。全然違います」
裕香さん「そうなんです。助手席に乗っていてもわかるくらい。飾りじゃないんだなって、ちょっとビックリしました」
徹さん「まだサーキットでは走らせてないんですけど、コーナーでどれくらい変わるのか、普段乗りではスポイラーの角度をどのくらいにするのがいいのか、そういうことも含めてちょっと試してみたいですね。このスポイラーひとつでも、満足感は高いと思えますよ」
アバルト仲間との交流
ふたりともクルマが換わって、日々の中で何か変化したことはあったのか、お決まりの質問をしてみました。
裕香さん「124 spiderに乗り換えたからっていうわけじゃないですけど、クルマを通じて仲良くなったアバルト女子の友達と、よく一緒にツーリングに行くようになりました。彼女がつながってる人を紹介してくれたり、とか。それが大きな楽しみのひとつになりましたね。あと、前にお話ししたときにはノーマルモードでしか走ったことがなかったんですけど、今はスポーツモードも使ってます。スポーツモードの楽しさを覚えちゃいました(笑)。オープンにすると本当に気持ちいいし。ノーマルモードでも、幌を開けなくても、それでも楽しいクルマですからね。これは595 Competizioneのときから変わってないんですけど、イヤなことがあってもすぐに気分転換できちゃう。乗るたびに、やっぱこのクルマ楽しい、って感じます。レンタカーを借りなきゃならなくなったことがあって、そのときには“うわっ、つまんない!”って思ったぐらい(笑)」
徹さん「私はコンプリートカーの方にほとんど乗らなくなっちゃいましたね。希少車だっていうこともあるんですけど、クルマで出るときには無意識にアバルトを選んじゃう感じです。たぶん何となく走っていても気持ちいいからなのかもしれません。あとは前より頻繁にアバルトで参加できる週末のイベントにふたりで行くことが増えました。ふたりで別々のアバルトに乗っていくことはほとんどないんですが(笑)、他の人のクルマを見せてもらったり話したりっていうのが、楽しいです」
裕香さん「アバルトに乗ってる人って、気さくで優しい人が多いような気がします。カップルだったり家族連れだったりも多いし。最近はアバルト女子も増えてきた気がするし。自然と親しくなりやすいんですよね。だからイベントだとか、アバルトの友達の集まりも、すごく雰囲気がいいんです。そういうところもいいですよね」
最後に、お決まりの質問ですが、次にクルマを乗り換えるとしたら?
徹さん「これからどんなアバルトが登場してくるのかわからないですけど、現時点でベストと思えるアバルトが幸せなことに2台あるわけですから、当面、乗り換えることはまったく考えられないですよ」
裕香さん「124 spiderが生産中止で、もう買えなくなっちゃうようですしね。何よりこんなに気に入っているんですから、別のクルマにすることなんて、考えたこともないですね」
ご夫婦で1台のアバルトを楽しんでいるケースは少なくありませんが、ふたりで2台のアバルトを満喫しているご夫婦は、そう多くないでしょう。しかもその2台の組み合わせは、ある意味では理想的ともいえるカップリング。これからしばらくの間は、大矢家のラインナップが変わることはなさそうです。
文 嶋田智之
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