アバルトで走りたいドライブルート【伊豆スカイライン(静岡県)】
信号ゼロ、40.6kmの濃密ワインディング
路面も基本的には良好で、荒れた場所に足を取られるようなこともほとんどないから、自ずと気分は上がりがち。走れば最高におもしろいということが嫌でもわかります。閉鎖してヒルクライム競技でも開催してくれたらと思ってしまうほどです。

熱海峠に向かう道中では、コーナーの所々で富士山が視界に飛び込んでくる。
まさに、このアバルト500eのために用意されたような道。アバルトの開発陣が最も重視したのは静止状態からおおまか100km/hあたりまでの、いわゆる日常領域。つまりこうしたワインディングロードなどでどれだけドライバーを楽しませることができるか、に心血を注いだようなクルマなわけです。ただでさえ優秀なフィアット 500eをベースにモーター駆動ならではの特性をさらに磨き込んで尖らせたようなチューンナップが可能にした、コーナーを飛び出していくときの驚くほど鋭い瞬発力と、一気に弾けるような加速の伸び。

ルート上には所々に見晴らしのいい絶景ポイントがあるのが魅力。
持ち前の重心の低さと前後左右の重量バランスの良さを、スポーティに走らせるためにキリリと締め上げた最適化したシャシーが生む、レスポンスよく正確に向きを変えてくれる痛快ハンドリング。ドライバー狙いどおりにスピードを削り取り、迫りくる次のコーナーを綺麗にクリアするための姿勢たやすく作らせてくれるブレーキのストッピングパワー専用タイヤのグリップ。それらが見事に連動して気持ちをくすぐってくるから、ついつい誘惑に乗ってしまいそうになります。
けれど、ここは基本、制限速度は40km/h。先述のとおり時短にも繋がるルートであるため、伊豆半島の皆さんの生活道路としても機能しています。もちろん速度の取り締まりも行われます。さらには大きな鹿など野生動物が出てくることも珍しくありません。

なので、もうひとつある大きなオススメの理由を堪能していただくのが賢明だろうと思うのです。それは、冒頭でも触れたとおり、どこもかしこも絶景に次ぐ絶景と言っても大袈裟でないほどの景観の素晴らしさ。日本は美しい国なんだ、とあらためて認識させられるほどです。
起点の熱海峠料金所から終点の天城高原料金所までは、地図を見ると富士山を背中にして走るかたちなので、どちらかといえば終点から起点の方がより眼福とはいえるのですが、それでもここはワインディングロード。熱海峠からでも右へ左へとアバルトの短いノーズを向けて走っていくと、ところどころで「わっ!」と息を呑むほど美しい富士山の姿が現れます。コーナーを抜けて視界がサッと開けた瞬間、目に飛び込んでくる富士山の姿。それはもう感動と言えるレベル。それも、そういうシチュエーションは一度や二度じゃないのです。「富士山なんて大嫌い!」なんて人に出逢ったことはありません。これだけでも充分に行く価値はあるんじゃないか? と思います。

けれど、もちろんそれだけじゃありません。熱海峠から南下していくと、左側に相模灘、右側少し遠くに駿河湾が広がっています。これまたところどころ視界が開けた瞬間に、遙かなる大海原の輝きや入り組んだ美しさを描く海岸線を見おろすカタチで目にすることができるのです。富士山のみならず、伊豆の山々の連綿とした連なりも、絶景を感じさせてくれたりします。
