アバルトで走りたいドライブルート【西伊豆スカイライン編】

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景色も楽しめるワインディングロード

アバルトのような走ることそのものが楽しいクルマに乗っていると、日々の暮らしの中にある、あたり前の道を軽く流すだけで気持ちが浮き立ってくるものですが、クルマの性格にピタリとマッチしたドライブルートに滑り込んでいくと、その楽しさは何倍にも何十倍にも膨れ上がるもの。そんなファンなドライブルートを、アバルトで巡っていきます。今回紹介するのは、“西伊豆スカイライン”。静岡県の伊豆市の戸田(へだ)峠から土肥(とい)峠までを結ぶ、およそ11kmのワインディングロードです。

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伊豆半島の山々の稜線に沿うように通る西伊豆スカイライン。空を見上げながらのドライブは気分最高。

箱根・伊豆エリアには素晴らしいワインディングロードが数多く存在しますが、西伊豆スカイラインの魅力は、景観が素晴らしいこと。道のほとんどが西伊豆の山々の稜線に沿っていて、目に飛び込んでくるのは木々の緑、限りなく広がる空、たなびく雲、遠くにある別の山々が描く線──。ルートの途中に何カ所か駐車場があって、クルマから降りて駿河湾や富士山を眺めることができます。

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道中の所どころに見晴らしのいい駐車場があるので、景色を眺めながらドライブが楽しめます。

駐車場のひとつ、戸田駐車場にはハイキングのための遊歩道の入り口があり、そこから10分少々登って達磨山の山頂まで行くと、よく晴れた日には素晴らしい光景を堪能することができます。ドライブと軽いハイキングを両方楽しめちゃうというわけです。

そして西伊豆スカイラインのもうひとつの魅力は、何といっても道そのものの楽しさ。往復1車線ずつの適度な道幅が続くルートで、アップ&ダウンもそれほど激しくない適度なレベル。なだらかな高速コーナーが少々、気持ちよく巻き込んでいく低速コーナーが少々、そして様々な曲率のバラエティ豊かな中速コーナーが多々という感じで、道そのものの表情が次々とリズミカルに変わるから、飽きることがないのです。

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道幅が確保されているので、対向車とのすれ違いでヒヤリといったこともなく、安心して走れるのがうれしいところ。

2004年までは有料道路だったこともあり、路面の状態も良好な部類といえるでしょう。部分的に荒れたところもありますが、ハンドルを取られて焦るほどのところはありません。また沿道に民家がなく、地元の人達が抜け道に使うルートでもないので、交通量は極めて少ないです。

オープンカーなら楽しさ倍増

今回はアバルト 124 スパイダーでこの道を走ってきました。前日までの予報を覆して、空模様は晴れ時々曇り。ソフトトップを開けてドライブしました。

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オープンカーであれば、ぜひ屋根を開けて走りたいルートです。

戸田峠から登っていってふと感じたのは、 空気が美味しいこと! それに木々の間から聞こえてくる、鳥達ののどかな鳴き声。陽が差し込んでいる場所と影になっている場所の微妙な温度の違い。陽差しとともに天から降り注いでくるエキゾーストサウンド。そうした数々は、オープンスポーツカーだからこそ味わうことのできる素敵な贈り物です。

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自然に囲まれ、クルマと一体になる感覚を味わいながらのドライブ。ワクワクしてきます。

多彩な表情を見せるコーナーの数々をアバルト 124 スパイダーで走るのは、やっぱり格別の楽しさでした。コーナーへの進入時にステアリングを切り込んでいったときの自然で滑らかなフィールは、このクルマの美点。心地よく横Gを感じながらターンを味わい、出口が見えてきたところでアクセルペダルをプッシュすると、後輪がガッチリと路面に伝え、爽快に加速します。

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さまざまな曲率のコーナーをステアリングやペダル操作を駆使して走るのがスポーツドライビングの醍醐味であり、アバルトが真価を発揮するところ。

また170psを生み出す1.4リッターターボエンジンは、元気のいい走りにも易々と応えてくれますが、たった2500rpmで最大の250Nmを発揮してくれるトルクに支えられながらゆったりした気分で流すのにも最適。上りでもじれったさを感じたことは一度もありませんでした。ひとりで走っても楽しい、ふたりで走っても楽しいクルマというわけですね。そういう意味では、西伊豆スカイラインは、まさしくアバルト 124 スパイダーで走るのに最適なルートということができるでしょう。

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西伊豆スカイラインへのアクセスをお伝えしておくと、東名高速や新東名高速から向かう場合、東名では沼津インター、新東名では長泉沼津インターで高速道路を降り、伊豆縦貫自動車道で修善寺インターに向かいます。そこからは一般道の県道18号修善寺戸田線を戸田方面に向かって走ると、西伊豆スカイラインの入り口を示す標識が出てきます。


東名高速・沼津ICからは、伊豆縦貫自動車道を使えば40km・1時間弱ほど。関東や東海地方からなら日帰りで十分に楽しめます。

ちなみに西伊豆スカイラインには休憩できる駐車場はあるのですが、売店や自動販売機、トイレなどはありません。とはいえ周辺の県道18号にはドライブインもありますし、そこに至るまでの道のりには、食事やお茶を楽しめるお店を見つけることができます。また眼下に望める戸田漁港では、海産物を楽しむことも。峠で純粋に走りを楽しむのも悪くはないですが、ちょっとばかり寄り道して、自分なりのドライブルートで楽しい1日を過ごしてください。

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そうそう、西伊豆スカイラインには走っていてヒヤリとするような所はあまりありませんが、思っている以上に速度がのってしまうところが幾つか存在します。くれぐれもスピードには気をつけて!

アバルト 124 スパイダー製品ページ https://www.abarth.jp/124spider/

文 嶋田智之