本格オープンスポーツ「ABARTH 124 spider」が発表

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2016年8月5日(金)、千葉県千葉市の幕張メッセで開催中の「オートモビルカウンシル2016」で、待望のオープンスポーツカー「ABARTH 124 spider(アバルト 124 スパイダー)」が遂に日本でお披露目された。

発表の模様をお伝えする前に、今回が第1回目となる「オートモビルカウンシル2016」について簡単に説明しておこう。
このイベントの趣旨は、「自動車大国の日本に、自動車文化を根付かせたい」というもの。“クラシック・ミーツ・モダン”をテーマに、歴史的価値のあるヘリテージカーから最新モデルまでが展示される。
一般的なモーターショーと大きく異なるのはヘリテージカーが展示・販売されることで、展示内容からは自動車の歴史に対するリスペクトが感じられる。ほかにクルマにまつわる書籍やアパレル、アート作品が展示・販売される会場は、さながら“自動車の文化祭”といった趣だ。

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オートモビルカウンシルの会場の模様。幕張メッセ2-3ホールで8月5日(金)から7日(日)まで開催される。

会場の一角にブースを構えたアバルトの展示テーマは、“アバルト ヘリテージ”。1970年代のヨーロッパ ラリー選手権(後のWRC)で大活躍した『アバルト 124 スパイダー ラリー』(1973年型)や『フィアット アバルト 595 ベルリーナ』(1964年型)といったヘリテージモデルから、最新の『アバルト 595コンペティツィオーネ』にいたるまで、ブランドの歴史を俯瞰できる展示内容となっている。

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5日(金)午前に開催された『アバルト 124 スパイダー』のジャパンプレミア。大勢のプレスがアバルトブースに詰めかけた。

8月5日午前10時、プレスカンファレンス開始の時間になると、『アバルト 124 スパイダー』のデビューの瞬間をひと目見ようと、ブースには大勢の報道陣がつめかけた。数々の栄冠をもたらした『アバルト 124 スパイダー ラリー』へのオマージュとして、マツダ ロードスターをベースにアバルトが開発したニューモデルが、いよいよ発表される。

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『アバルト 124 スパイダー』への期待を述べるFCAジャパン株式会社マーケティング本部長のティツィアナ アランプレセ。

熱気に満ちた会場で、FCAジャパン株式会社マーケティング本部長のティツィアナ アランプレセが登壇、冒頭の挨拶を述べた。

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1960年代のオリジナル『アバルト 124 スパイダー ラリー』。デザインはピニンファリーナが手掛けた。

アランプレセは、「日本のお客さまと、アバルトの新たな歴史を作っていきたい」と述べた。
「みなさまのハートやライフスタイルを、サソリの毒でチューンアップしたいと思っています。みなさまと新しい歴史を築くにあたって、『アバルト 124 スパイダー』はブランドのシンボルになるはずです」(ティツィアナ アランプレセ)

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『アバルト 124 スパイダー』のデザインを手掛けたFCAアバルトデザインヘッドのルーベン ワインバーグ。

続いて、アバルトのデザインヘッドを務めるルーベン ワインバーグが、『アバルト 124 スパイダー』の概要を説明した。「夢が現実になりました」と語るワインバーグは、このニューモデルのポイントとなる10の項目を挙げた。

・あらゆる路面で最大限のトルクを路面へと伝える、FR(後輪駆動)アーキテクチャー
・優れた操縦性を実現する、前後50:50というこだわりの重量配分
・素材やディテールを工夫することで、乾燥重量1060kgを実現したライトウェイトボディ
・ビルシュタイン製のショックアブソーバーやブレンボ製のブレーキシステムの採用など、FRの利点を引き出すためのレーシングチームのノウハウ
・コンパクトかつ軽量でありながら、驚くほどパワフルな1.4リッターターボエンジン
・パドルシフトでエンジンの魅力を堪能できる6ATと、ダイレクト感を楽しめるショートストロークの6MT
・自由な走りを安全に楽しめる、シャシーの電子制御技術
・ドライビングポジションを可能な限り後方にレイアウトすることで得た、地を這うような視界
・ロングノーズ/ショートデッキのスポーツカーらしいプロポーション
・2017年からのラリー参戦を見据えたレーシングスピリット

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ワインバーグの解説が終わるとフォトセッション。壇上の『アバルト 124 スパイダー』は、フラッシュの集中砲火を浴びた。


1.4リッターマルチエアターボエンジンは、最高出力170ps、最大トルク250Nmを発生。0-100km/h加速を6.8秒でこなす。

なお、販売開始は2016年10月8日(土)。価格は6MTが388万8000円、6ATが399万6000円(ともに税込み)と発表された。

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ABARTH 124 spider

Text:Takeshi Sato