最強王者がついに誕生! 「ABARTH × ストリートファイターV – SCORPION CHALLENGE」、頂点を決めるCHAMPIONSHIPが開催

予選を勝ち抜いた8名のプレーヤーと、ときど選手が登場

2020年6月に開幕した、アバルトによるeスポーツイベント「SCORPION CHALLENGE」。PlayStation®️4版の対戦格闘ゲーム「ストリートファイターⅤ チャンピオンエディション」を用いた一般プレーヤー参加型のこの大会は、これまで予選としてSEASON 1とSEASON 2の2回に渡って行われてきた。


カプコンが提供する対戦型格闘ゲーム「ストリートファイターⅤ」

そして10月18日、イベントの締めくくりとなるCHAMPIONSHIPが開催され、2020年のチャレンジのフィナーレを迎えた。当日は予選を勝ち抜いてきた計8名のプレーヤーと、ゲストとして登場したプロゲーマー「ときど選手」が共演。トーナメントの頂点に立ち、ストリートファイターⅤ最強王者の栄冠を手にしたのは一体誰だったのか。

8名による新たなトーナメント戦は「敗者復活」もアリ

2020年6月開催の「SEASON 1」と、同9月開催の「SEASON 2」のそれぞれで準決勝以上まで勝ち上がった計8名のプレーヤーが挑む今回のCHAMPIONSHIP。改めて8名によるトーナメントが組まれ、最後まで戦い抜いた者が優勝者となるシンプルな方式となった。


最初の対戦の勝者と敗者で2つのトーナメントに分かれた

ただし、そのトーナメント(Winners)のなかで一度敗退したとしても、敗者のみのトーナメント戦(Losers)に加わって戦い続けることができるというルールとした。そこで再び勝ち上がれば、最終的にWinnersのトーナメント勝者と戦うグランドファイナルに臨める。勝ち続けることが理想だが、たとえ負けてもチャンスは残されている。一度倒したはずのプレーヤーが、最後にまた現れて逆転勝利するような劇的な展開も期待できるというわけだ。

8名全員が間違いなく強者。しかし、そのなかでも注目の1人は、SEASON 1で優勝し、他の大会でも好成績を収めるなどして「最強のダルシム使い」との呼び声が高いYHCmochi選手。そしてもう1人は、たたみ掛けるような猛攻で相手を圧倒しSEASON 2優勝をもぎ取ったブランカ使いのNISHIKIN01選手だ。


有数のダルシム使いYHCmochi選手


ブランカを操るNISHIKIN01選手

予選では全員がオンライン上での対戦だったが、CHAMPIONSHIPでは8名のうち6名がイベント会場から参戦。普段から使い慣れている自前のアーケードコントローラー(アケコン)を持ち込み、あるいはPlayStation®️4純正のコントローラーをそのまま使って、オフラインもしくはオンラインでの対戦が繰り広げられた。


6名の出場者がイベント会場から参戦した

プロゲーマーときど選手が無謀な「71人組手」に挑戦

トーナメント戦の優勝を勝ち取るという8名の「挑戦」とは別に、当日はもう1つの「挑戦」も密かにスタートしていた。それは、世界的な格闘ゲームイベント「EVO 2017」の「ストリートファイターV」部門で優勝したプロゲーマーときど選手による「71人組手」だ。


「71人組手」に挑戦するときど選手

ときど選手がオンライン対戦を申し込んできた一般プレーヤーと対戦し、可能な限り勝利し続けるという企画。アバルトの創業71周年がその数の由来となったこの組手は、まさに無謀とも言えるハードな内容で、当日の正午頃からスタートし、間に休憩を入れながらも、71人との対戦が終了したのは夜22時過ぎだった。


対戦の様子。相手には紫色の「グランドマスター」の称号をもつプレーヤーも多かった

71戦中65勝と、終わってみればときど選手の圧倒的な強さを再確認する形ではあった。ただ、この71人組手は、最後の2戦を除いて1ラウンドのみ戦うというルール。しかも対戦相手には、獲得に相当の実力、経験、時間が必要になるとされる「グランドマスター」の称号をもつプレーヤーも多かった。

このルールでは、プロといえど一瞬でも気を抜けば“出会い頭”であっさり負けてしまうこともある。技術と体力だけでなく、並外れた集中力もあったからこそなしえた65勝と言えるだろう。

ダルシムYHCmochi選手とブランカNISHIKIN01選手の一騎打ちへ

CHAMPIONSHIPの戦いも、これまでのSEASON 1、SEASON 2同様、10月18日当日にYouTubeなどでライブ配信が実施された。司会のYouTuber こーすけ氏と、実況のeスポーツキャスター・アール氏はSEASON 2から引き続いて出演し、新たに解説として「71人組手」を同時並行で進めるときど選手と、女性プロゲーマーとして活躍中のゆうゆうさんが加わった。


司会のYouTuberのこーすけ氏(左)と実況のeスポーツキャスター・アール氏(右)


女性プロゲーマーのゆうゆうさん

ついに始まったCHAMPIONSHIPは、注目のYHCmochi選手が、ファン(F.A.N.G)を持ちキャラとするLopez選手と、ベガのxeno3選手の2人を撃破。一方のNISHIKIN01選手もファルケを操るザベス選手、ベガのUPLY/エルシャール選手の2人を相手に、1戦も落とすことなく勝利し、SEASON 1/2優勝者同士のWinners決勝戦に突入した。


YHCmochi選手がLopez選手を下す


NISHIKIN01選手とザベス選手の戦い

僅差の戦いになると思われた決勝戦だったが、始まってみると試合は一方的な展開に。「対策はできている」と事前に話していたNISHIKIN01選手が終始YHCmochi選手を圧倒し、ほとんど土がつくことなく3戦先取してグランドファイナル進出を決めた。


Winnerの決勝、NISHIKIN01選手とYHCmochi選手の戦いは、NISHIKIN01選手に軍配


グランドファイナル進出を決めたNISHIKIN01選手

敗者となったYHCmochi選手。しかしLosersのトーナメントで勝ち上がっていたxeno3選手をもう一度破り、再びグランドファイナルでNISHIKIN01選手と相まみえることに。YHCmochi選手は「やり方を変える」と気合を入れ直し、最終決戦へと挑んだ。


NISHIKIN01選手との再戦を前に、「やり方を変える」と話すYHCmochi選手

グランドファイナル1戦目は、これまでの勢いそのままにNISHIKIN01選手が先制。ところが、戦う最中に修正してきたYHCmochi選手が2連勝して逆転する。が、NISHIKIN01選手も返す刀で怒濤の攻めを見せ1勝をもぎとり、決着は最後の5戦目へ。互いに読み合う様子もかいま見えるなか、やり方を変えてきたというYHCmochi選手に対し、「自分もそれに合わせた動きに変えられた」NISHIKIN01選手がさらに勢いを加速させ、CHAMPIONSHIPの栄冠をつかみとった。


YHCmochi選手の2戦連勝で、このまま押し切るかに見えたが……


NISHIKIN01選手が再び攻勢


最後までNISHIKIN01選手の勢いが止まることはなかった

そしてもう1つの挑戦、ときど選手の「71人組手」は、70人目はゆうゆうさんが、最後の71人目はCHAMPIONSHIPで優勝したNISHIKIN01選手がそれぞれ対戦相手となり、長いチャレンジにようやく終止符が打たれた。

ときど選手とゆうゆうさんの2人は13年前にイベントで対戦したことがあったそうで、当時はときど選手が負けたという。今回はゆうゆうさんに合わせて同キャラ対戦としたものの、実力で上回るときど選手が確実にダメージを与えて勝利。ときど選手いわく「13年前のリベンジ」を果たすこととなった。


ゆうゆうさんは70人目の対戦相手としてときど選手に挑戦


同キャラ対決で、ときど選手が「13年前のリベンジ」を果たした

71人目のNISHIKIN01選手は、「ときど選手は疲労している」と見て勝機はあると踏んでいたものの、結果はときど選手の完勝。NISHIKIN01選手自身こそトーナメント戦の緊張感にさらされ、疲労が溜まっていたのかもしれない。


最後の71人目の対戦。相手となったNISHIKIN01選手にもさすがに疲れが見えた

2020年の「ABARTH × ストリートファイターV – SCORPION CHALLENGE」は、これでいったん区切りとなる。しかしながら、ゲーム業界、eスポーツ業界はますます活発になっており、世界はもちろん日本国内でもさまざまな企業、組織がeスポーツを盛り上げようと積極的な動きを見せている。2019年、2020年と「SCORPION CHALLENGE」を続けてきたアバルトにおいても、2021年以降のさらなるチャレンジに期待できそうだ。

スペシャルゲスト:ときど
東京大学大学院在学中に米国企業とスポンサー契約し、学生からプロゲーマーに転向。2017年には世界最大級のゲーム大会「EVO」の「ストリートファイターV」部門(CAPCOM Pro Tour 大会の一つ)で優勝を飾るなど世界屈指のプレイヤーとして第一線で活躍している。その才能はゲームプレイに留まらず、ビジネス関連のメディア、テレビバラエティ番組にも多数出演。

MC:こーすけ(最終兵器俺達)
YouTubeチャンネル登録者数19.5万人の4人組ゲーム実況グループ「最終兵器俺達」のメンバーの一人で、主にツッコミ&ゲーム進行を担当。モノマネなどのレパートリーも豊富で、歌のうまさにも定評がある。YouTubeの活動だけでなく、企画やイベント、司会なども精力的にこなす、マルチな男。

実況:アール
実況歴20年以上の大ベテランeスポーツキャスター。長年全国レベルのプレイヤーだったこともあり、実力もさることながら、戦況の読みあいや心理戦に対するコメントも的確。癖のある実況から、視聴者や選手には「アール節」と命名されるなど、熱い戦いを一緒に盛り上げていく。

解説 / コメンテーター:ゆうゆう(UYU)
鉄拳界では「ジャンヌ・ダルク」の異名を持ち、レディース最強クラスと言われる実力を誇るプロゲーマー。最近は「ストリートファイターV」の女子リーグへの参戦や配信を行うなど、さまざまな格闘ゲームに「挑戦」している数少ない女性プレイヤーのひとり。好きな食べ物はバナナ。食べるとリラックスでき、集中力が増すという理由から、大会中も食べている。

 

【タイムシフト】アバルト x ストリートファイターV – SCORPION CHALLENGE CHAMPIONSHIP