病気の子どものため、自身の挑戦のためにリングに上がるエグゼクティブたち

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自己鍛錬の集大成をリングで発揮

企業の役員や経営者など総勢18名のエグゼクティブがリングに上がり、衆目の中でボクシングを繰り広げる「エグゼクティブファイトナイトIX」が5月31日、グランドハイアット東京のボールルームを舞台に繰り広げられた。ファイターは12週間に渡り、プロトレーナーと厳しいトレーニングを積み、個人練習も実施。そうした自己鍛錬の集大成をこの日、リングで発揮する。

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男性14名と女性4名の総勢18名のファイターがリングに上がった。

実はエグゼクティブファイトナイトIXは、小児がんや重い病気と闘う子どもたちを支援する認定NPO法人シャイン・オン!キッズによるチャリティイベントである。アバルトは、シャイン・オン!キッズの活動に賛同し、その支援を通じて、病気の子どもたちの前向きなチャレンジを応援している。エグゼクティブファイトナイトIXのファイターたちも、自らの挑戦を通じて病気の子どもたちに勇気を与えようと集まった人たちであり、トレーニング期間中に子どもたちと触れ合う機会も設けられた。

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ファシリティドッグとは、病院に常勤して医療チームの一員として働けるように、専門的なトレーニングを受けた犬のこと。看護師資格のあるハンドラーとペアで活動し、病院で手術前の子どもを勇気付けたり、遊び相手となったりして子どもたちの前向きな気持ちを引き出す。

エグゼクティブファイトナイトIXの開会にあたり、シャイン・オン!キッズのキンバリー・フォーサイス理事長による直近の活動報告が行われた。報告では、ファシリティドッグのアニーやファシリティドッグ・プログラムに支えられた元患者と、来日したメラニア・トランプ米大統領夫人および安倍昭恵内閣総理大臣夫人との面会が実現したことや、2019年からファシリティドッグの活動の場となる病院が3院に増えることなどが伝えられた。

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シャイン・オン!キッズの活動を報告したキンバリー・フォーサイス理事長。ご子息のタイラーさんは2歳を目前に白血病との闘いの末、短い生涯を閉じることとなった。闘病生活でも笑顔を絶やさなかったタイラーさんの勇気と自分たちの経験を役立てたい、との想いから活動をスタートした。

アバルトもチャレンジャーを応援

会場にはファイターを応援する同僚や家族、友人らが大勢集まり、ゴングが鳴るとリングには熱い声援が飛び交った。28歳から54歳まで18名のファイター全員が2分×3ラウンドの熱戦を繰り広げ、見る者の目を釘付けにした。戦いが終わると、対戦相手を互いに讃えあったり、抱き合ったりする姿も見られ、客席に感動を呼んだ。

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また試合の途中では、協賛企業の提供した商品を競り合うライブオークションやラッフル(慈善を目的としたくじ)が行われ、会場を盛り上げた。オークションの収益はシャイン・オン!キッズの活動に役立てられる。

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アバルトは、自らの挑戦を通じて病気の子どもたちを応援する “シェア”の精神に溢れたファイターに賛同し、ラウンド5をスポンサード。FCAジャパン マーケティング本部長ティツィアナ・アランプレセが彼女たちのチャレンジを讃えた(左)。また会場にはアバルト 124 スパイダーが登場し、雰囲気を盛り上げた(右)。

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ライブオークションの模様。アバルト 124 スパイダーで行く、ペア宿泊の特典は女性のゲストによって60万円で落札された。

女性ファイターたちの挑戦

エグゼクティブファイトナイト IXの会場で、参加した4名の女性ファイターにお話をうかがう機会に恵まれた。彼女たちは、多忙な日常にもかかわらず、なぜ厳しいトレーニングを積み、リングで闘うことを決意したのか。またビジネスウーマンとして大切にしていることや、普段心がけていることを聞いてみた。

Elena Gilbertさん
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「私がエグゼクティブファイトナイトに参加する原動力となったのは、シャイン・オン!キッズを通じて知り合った病気の子どもたちでした。日本にも困難を味わっている子どもたちが大勢いる。その現実に対して人々の関心が高まり、その結果チャリティの収益向上に結びつけば、と考えたのです」

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1ヶ月以上、食事やお酒を制限し体重を4kg落としたうえで試合に挑んだというGilbertさん。

「エグゼクティブファイトナイトに参加するためにトレーニングを積みましたが、私には小さな子どもが2人いますので、トレーニングは夜中に行いました。日中は仕事をし、帰って子どもたちの世話をして、それからトレーニングをするという生活は大変でしたが、同時に自分にとってすばらしいチャレンジになったと思います。仕事で大切にしていることですか? 私はビューティサロンを経営していますが、お客さまには見た目だけでなく、内面から心地よくなって帰っていただけることを心がけています。また、プライベートでは仕事とプライベートをバランスさせ、家にいる時は子どもたちとの時間を作り、仕事の時はそれに集中できるように頭を切り替えることを心がけています」

Jackie Alexanderさん
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「エグゼクティブファイトナイトに参加するのは今回で2度目になりますが、楽しんで参加しています。シャイン・オン!キッズのアクティビリティを通じて子どもたちと触れ合うことをとても楽しみにしており、子供たちからカードを贈ってもらったり、すばらしい経験をさせてもらっています」

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10歳のお子さんがいらっしゃるAlexanderさん。「勝つ姿を彼に見せてあげたい」という目標を見事達成しました。

「じつは前回の参加から、私自身も女性ならではの問題に直面しまして、辛い期間を過ごしました。今回の挑戦は、以前持っていたものを取り戻す、一からの挑戦となりました。でもこうして再び挑戦ができことはすばらしい体験でした。日常生活において大切にしていることは、人に親切になることです。辛いことも多々ありますが、それでも自分は親切であり続けようと心がけています」

Idit Greenbergさん
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「2019年は自分にとって色々なことが変化する節目の年となったので、自分自身に挑戦したいという思いで、参戦を決意しました。ボクシングは何年も続けていて、合同練習のほかに積極的に体を鍛えました。試合前は最低でも週に4回は練習をして、スパーリングをこなしましたし、技術を磨くことにも力を注ぎました。パンチのパワーやスピードアップ、フットワークの鍛え上げることにも必死に取り組みました」

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作るのが難しい製品の製造を行っているというGreenbergさん。投資家やクライアントのからのプレッシャーを日々背負いながら、製品化に向け努力されているそうです。

「普段の心がけとしては、自分より優れた人はたくさんいるということを意識するようにしています。だからといって、自分は今のままでいいということではありません。いつかその人たちよりも良くなれる。そう信じています。時にそれは難しく、トレーニングや仕事では特にそう思う場面が多いですが、一生懸命取り組めば明日は今日より必ずよくなると信じています」

Keiko Onoさん
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「自分自身への挑戦という意味合いが強かったです。それと同時に、小児がんの子どもたちへのサポート資金を集めることや、そうした現実に対する人々の関心を高めることにつながればと思い、参戦を決意しました。トレーニングは日本でも行いましたし、パプアニューギニアに3週間行っていた時は朝4:30からトレーニングしました。あとダイエットも行いました。トレーニング期間中は、揚げ物やお酒を控えました」

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会社内でのOnoさんのミッションは、地球を守ること。その壮大な任務の遂行には他人の協力は不可欠なため、多くの人に協力を仰ぐなどの努力を日々されているそうです。

「人間の力というのは、全部の力を出したつもりでも、実際は40%ほどでしかないと言われています。ですので、トレーニングをして疲れたと思っても、実際には40%の力しか発揮していないと考えるようにしています。今晩の試合では、おそらくその40%を出し切ったと思います。が、それでもまた来年、挑戦できる余力があるということです! 常に自分ができると思っている以上のことを実際はできる。このことを念頭に置いています。エグゼクティブファイトナイトは勝てるまで挑戦したいし、その挑戦が子どもたちの支援につながるのでれば、なおさら再び取り組みたいと思います」

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ゲームの後、ファイター全員に熱い拍手が送られた。なおイベントを通じて集まった収益は目標額を上回った。写真=シャイン・オン!キッズ

高い志を胸に、フェアな闘いを繰り広げたファイターたち。普段は重要なポジションに就くエグゼクティブが集中力を振り絞って全力を出し切るその姿は、観衆の心を大いに動かした。その勇気と前向きな姿は、病院の子どもたちにも届いたに違いない。

写真 小林俊樹

シャイン・オン!キッズ公式ページ
アバルトのCSV活動『CHALLENGE』