蔵前で出会う新しい茶文化。話題のお店『NAKAMURA TEA LIFE STORE』のこだわりとは?

160310_YK_10011

ミルやドリッパーなどの器具を購入し、自宅で美味しいコーヒーを淹れて飲んでいる読者は多いかもしれない。しかし、こと「日本茶」に関してはどうだろう?お茶屋さんで茶葉を買い、急須で淹れている・・・という方はきっと少ないはず。

昨年、蔵前にオープンした『NAKAMURA TEA LIFE STORE』は、そんな衰退しつつある日本茶文化を守るべく、お茶の世界にこれまでとは違う価値観をもたらした新感覚のショップだ。パッと見ではコーヒー豆のようにも見える、アメリカン・ライクな英字のパッケージデザインもさることながら、和モダンな内装も落ち着く店内ではすべての茶葉が試飲できるため、遠方からはるばるやって来る若いお客さんも絶えないという。もちろん茶葉にも強いコダワリがあり、お茶の生産量日本一を誇る静岡県・藤枝市で創業100年を誇る『NAKAMURA茶園』のみで生産、無農薬有機栽培にて収穫された茶葉は「お茶ってこんなに美味しかったんだ!」という喜びと発見を与えてくれる。

160310_YK_10099

そこで今回は、代表の中村倫男さんと共に『NAKAMURA TEA LIFE STORE』を立ち上げた、店長兼デザイナーの西形圭吾さんにインタビューを敢行。最近熱い注目を浴びている蔵前についてのエピソードや、日本茶のイメージを覆す斬新なデザイン、そしてドライバーにオススメのお茶の飲み方、今後のビジョンまで語ってもらった。

『NAKAMURA TEA LIFE STORE』西形圭吾さんにインタビュー

160310_YK_10033

――そもそも、都内に実店舗を構えることになったきっかけは何だったのでしょう?

東京でも急須を使った飲み方というか、“スタイル”を提案したかったのが大きいですね。18歳のときに静岡から上京して、ひとり暮らしを初めて、自宅で急須を使っていたらこっちで知り合った人に「珍しい」、「若いのにシブいねえ」って言われて(笑)。僕らの感覚としては当たり前だと思っていたんで、「ああ、東京の人たちって急須でお茶を飲まないんだな」と気付かされたんです。

――やはり静岡だとお茶屋さんの数も全然違うのですか?

お店も多いですし、あとはご近所から茶葉をもらったりとか、ホントにもう生活に馴染んでいる感じですね。

160310_YK_10088

222

――蔵前はお洒落なホステルやシェアオフィスが次々とオープンしていて、“東京のブルックリン”なんて呼ばれているそうですが、この街を選んだ理由は?

ちょうどお店がオープンして1年くらいなんですけど、当時物件を探していたときに「蔵前に行ってみたら?」って何人かに薦められて。それで1回下見に来たら、この建物が貸出中になっているのを見つけたんです。もともと入口が広くて古い物件を探していたので、もう即決という感じでした。なので、最初から「蔵前にお店を出そう!」と思っていたわけじゃないんですよ。

――1年くらいお店をやられてみて、「街が変わってきたな」と感じることはありますか?

そうですね、この裏通りにチョコレート屋さんがオープンしたり、ちょっとイケてるワインバーもできたり・・・。僕らは縁もゆかりもない状態で蔵前にやって来ましたけど、この1年の中だけでもすごく変化を感じますし、面白い街だと思います。

160310_YK_10176
お茶屋さんのバイブルともいえる『日本茶文化大全』(私物)。西形さんがデザインのインスピレーションにしているという、「蘭字ラベル」(日本が緑茶を世界に向けて輸出したときに、荷箱に貼られたラベル)についても写真付きで掲載されている。

――日本茶のイメージが覆されるようなデザインが目を引きますが、内装を含めてコンセプトはありますか。

お店に関しては大工の友達がいるんで、木材から什器までイチから選んで作っていきました。パッケージとかでも英語を良く使うんですけど、こういう大きな暖簾は昔の日本の商店をイメージしていますね。東京の若い人たちがあまり日本茶を飲まなくなっているのなら、「リノベーション」と言っちゃうと大袈裟かもしれませんが、新しい価値――もともと世にあるものを再発見してほしい。そんなコンセプトでやっています。だからデザインも新しいのか懐かしいのか結構ギリギリのところを狙ってます(笑)。

333

444

――では、『NAKAMURA TEA LIFE STORE』ならではのこだわりを聞かせてください。

ウチはめちゃくちゃ商品数が少ないんですよ(笑)。それこそ1軒のお茶屋さんが作った茶葉しか扱ってないですから、お客さんもほとんど迷わないというか。あと全種類の試飲ができるんで、フラッと立ち寄った人が色々と試して、ゆっくりお話して、気に入った茶葉を買っていってくれたら良いなあと。

――コーヒーには「サードウェーブ」、チョコレートには「Bean to Bar」というトレンドがありますが、日本茶にもそういった新しい「流れ」のようなものは来ているんでしょうか?

もともとお茶って、問屋が色んな農家から買ってブレンドして販売・流通させていたんですよ。でもインターネットが普及してからは、農家がお客さんに直販するオンラインショップがすごく増えました。ただ、それが「店頭に並ぶ」ということがあまり無かったんですよ。もちろん、ファーマーズ・マーケットや物産展とかで目にすることはありますけどね。ウチみたいに1軒の農家が常設で都内にお店を持つというのは珍しいことだとは思います。

――なるほど、『NAKAMURA TEA LIFE STORE』が次の日本茶の流れを作っていくのかもしれませんね。ちなみに、デザイナー目線でABARTHについてはどう思われますか?

実は、僕の彼女の実家に『FIAT 500(フィアット チンクエチェント)』があるんですよ(笑)。まさに今日見せてもらったものと同じカタチで、色も赤でした。今年のお正月に実家へ伺ったときに、そのFIATで町中を案内してもらいました。見た目はすごくスタイリッシュですけど、どこか懐かしさを感じる雰囲気が良いですよね。

555

――そして今回、『595C Turismo』に乗車していただきましたが、乗り心地はいかがでしたか?

特に足回りがしっかりしていますよね。さっき話したフィアットはもっとフワッとしたイメージだったんですが、こっちはすごくパワーを感じました。内装も全然違いますし、配色にも高級感があるなと思います。

――ロングドライブ後の休憩でホッと一息つけるような、クルマをよく乗る読者にオススメのお茶・飲み方があれば教えてください。

やっぱりお茶自体にはカフェインが入っているんで、眠気覚ましには良いと思います。あと、急須でも淹れ方によってカフェインの出方とかが調節できるんですよ。高い温度で渋く淹れるとシャキッとするようなお茶になりますから、朝とか休憩後に熱々のお茶を飲むと気分転換になります。逆に、低めの温度で淹れた場合はお茶の「甘さ」が引き立ちますね。

160310_YK_10190

――これから春に向けて暖かくなっていきますが、読者におすすめの煎茶はありますか?

『Organic Sencha Garden No.02』が良いかもしれません。山の上にある茶園で収穫された茶葉なんですが、香りも口当たりも良く、これからはじめて急須でお茶を淹れるというお客様にも人気ですね。

――最後に、『NAKAMURA TEA LIFE STORE』の今後のビジョンを教えていただけますか?

とにかく長く続けることですね。つい先日、中村くんが新種の苗木を植えたばっかりなんですよ。彼もお店に立つことがあるんですが、甘めのお茶を欲しがる声が多かったので、今回は甘い味わいになるお茶の木を植えて・・・。ただ、実際にお茶になって店頭に並ぶのは3年くらい後になるので、それまでしっかりお店を続けていかないといけませんね(笑)。ちなみに、お茶は普段飲まれますか?

160310_YK_10229

――実家では急須で淹れたお茶を飲むことはありますね。
ですよね。実家でなら飲むという方は結構いらっしゃるんですけど、自宅で日本茶を飲まれる人が少なくなっているんです。でも、その人たちに子どもが生まれた場合、その子どもは「実家でお茶を飲む」という経験ができなくなってしまう。だから若い人たちに急須でお茶を飲む面白さを知ってもらって、その伝統を絶やさないようにしていけたらなと思っています。

INFORMATION

★LOVE&BITE プレゼントキャンペーン
ABARTHが抽選で1名様に当たる! 3月31日(木)まで開催。
>> http://www.fiat-abarth.jp/

★ABARTH AUTO TEST
自動車雑誌「ベストカー」の協力で、 JAFの実施フォーマットにそった「オートテスト」にて、 ABARTHの走行性能を気軽に体験できるチャンス。
>> https://www.abarth.jp/autotest/

★ABARTH DRIVING PROGRAM
今年も4月29日(祝)に富士スピードウェイにて開催
>> https://www.abarth.jp/drivingprogram/

★NEW ABARTH 595 COMPETIZIONEが登場
さらなる進化を遂げ、よりアグレッシブに生まれ変わったABARTH 595 コンペティツィオーネ。刺激的なスタイリング、コンパクトボディに秘めた180psのハイパワー。
>> https://www.abarth.jp/abarth595_competizione/

★クリーンエアーキャンペーンが4月末まで開催中
車内で手軽にアロマが楽しめるABARTH純正アロマディフューザーキットが新発売。
>> https://www.abarth.jp/cleanair/

Text:UK
Photos:Yosuke KAMIYAMA