アバルト乗りにお勧めしたい、鮮明度とフィット感がピカイチのドライビングサングラス

一度着けたらやめられない抜群のクオリティ

ドライブのための三種の神器を挙げるなら、ドライビングシューズ、ドライビンググローブ、そしてドライビングサングラスとなるでしょう。クルマを走らせているとき、ふとした瞬間に差し込んでくる直射日光や照り返し、あるいは雨の日の路面の乱反射に、ヒヤリとした経験をした人もいるのでは? そうした光のイタズラから目を守りながら、視界をくっきり確保し、視神経から来る疲れを軽減してくれるのがドライビングサングラス。そのありがたみを知ってしまうと欠かすことができない、マストアイテムです。

今回はここ数年、ドライバーの間からクチコミでジワジワとファンを増やしてきた、ドライビングサングラス専門ブランド“DEEC(ディーク)”をご紹介。 愛用者の間では“とにかく視界がクリアで目が疲れない”“フィット感が抜群でかけ心地もいい”“もう普通のサングラスには戻れない”と、絶賛の声を聞くことが多い、知る人ぞ知る隠れ人気ブランドです。


DEECでは、現在フレームが11種類、フレームとレンズのカラーはモデルにより1-3色と豊富なバリエーションを揃え、男女を問わず人気を集めている。写真は、MONZA(フレーム:マットコパー/レンズ:ローズブラウン)。価格は、49,500円(税込)。

DEECを展開している株式会社シューユウは、1967年にメガネの街・福井県鯖江市でメガネやサングラスの生産業務をスタート。以来、長く欧米の著名高級ブランドのメタルフレームのOEM生産を担ってきて、今に至ります。その傍ら、フレームにまつわる技術やノウハウを磨き、同時にガラスレンズの生産や独自の偏光レンズの開発を推進。分業化が一般的なメガネ/サングラス業界の中で、フレームとレンズの両方を自社で生産する数少ないメーカーです。DEECは技術を売りに評価されてきたシューユウが、その蓄積されたモノづくりの経験を集大成し、2015年に展開を始めたハウスブランド。企画・デザインから梱包・出荷まで、すべてをハンドメイドで行っています。


創業50年以上の老舗の技術力を生かし、オリジナル展開するドライビングサングラス・ブランドのDEEC。フレームとレンズの両方を自社で手がけるからこそ、よりハイレベルな精度を追求することができるという。


工程はすべて手作業。オリジナルの生産機器も導入し、生産性や精度を高めている。そうした高い技術力が認められ、2018年に日本メガネ大賞 機能・技術部門を受賞。

手抜きは一切なし 持てる技術のすべてを投入

その製造現場を見せていただきながら、シューユウの代表取締役・酒井勇一さんと部長の岩本裕紀さんにお話をうかがいました。そもそも一般的なサングラスとドライビングサングラスはどう違うのでしょうか?

「ドライビングサングラスもスポーツサングラスも、視界を確保したり紫外線から目を保護したりするという点では一緒です。でも、畑仕事に革靴は適さないのと同じで、クルマの運転にはそれに適した機能が求められる。そうしたドライビングに求められる機能をしっかり考えて作られているのがドライビングサングラスです。光の反射を軽減する一方、一般的なサングラスよりも透明度を高く設定することで、急な環境の変化でも明暗の差を小さくする。季節を問わず一年中使用できる、ということですね」


フレームには軽量で丈夫なチタンを、テンプル部には適度なしなりを持つβチタンを使用し、フィット感や軽量感、耐久性を高めている。

そう聞いて、年間かなりの距離を走るドライバーとして共感できる部分が多いと感じました。走行中は目に飛び込んでくる光の量も向きもめまぐるしく変化し、雨が強く降っているときや雨上がりの路面では、センターラインなどが見づらく感じることも。トンネルに入る前後や都市部だとビルの影に差し掛かる時にも明るさは大きく変わり、まして長時間のドライブともなると、目の疲労はかなりのもの。そう考えるとドライビングに適したサングラスというのは、ファッションサングラス以上に求められる要件が多いというのも納得です。

「そうですね。さらに真夏の車内に置きっ放しにされることもあるので、高温下で変形しにくいことも求められます。DEECのガラスの偏光レンズとチタンフレームの組み合わせは、軽量で丈夫であることに加え、真夏の車内のような厳しい環境にも耐えられるという点でもふさわしいと考えています」


DEECのドライビングサングラスはガラスレンズを使う一方、軽量に仕上げるために薄型レンズを採用。さらに重量配分やノースパッドの形状や素材にもこだわり、ずれ落ちてこない快適なかけ心地を追求している。

DEECのレンズは、0.9mm厚の強化ガラスレンズと0.85mm厚の紫外線を99.9%吸収するUV吸収剤が練り込まれたガラスレンズの間に0.3mm厚の偏光フィルムを挟み込んでエポキシ樹脂で強固に接着。表面と裏面に反射防止用のマルチコートを施した独自開発の5層構造で、1.85mmという薄さのガラス偏光レンズをなしています。フレームは軽くてしなやかで耐久性も高く、アレルギー問題もクリアできるチタンとβチタンで、日本人の骨格に合わせた形状で設計。ものすごく凝ったコストのかかるつくりです。自社ブランドで本当にいいモノを追求するとなると、自分達の持てる技術をすべて発揮したくなるのが職人魂というもの。手を抜くという選択肢はなかったようです。

「ガラスレンズは作るのに手間がかかるしクオリティコントロールも難しいし、コストも高い。でもガラス以上に透明度が高いものはないのです。ガラスはきちんと扱えば半永久的に使え、透明度を保てます。また偏光レンズは雑光を通さずに、ストレートな光しか通しません。つまり乱反射の光をブロックできるから、ギラつきがないんです。目というものはどんなときもちゃんとモノを見ようと頑張ってしまう習性があるので、偏光機能のおかげで目の疲れがかなり軽減できるんですよ。それに一般的なサングラスよりも明るく設定していて、透過率は30%。これだとトンネルやビルの影に入ったときに、明暗の差に戸惑うことがありません。


レンズの透過率を30%と明るめに設定することで、トンネル内など暗い環境での視認性を確保。また、外部から目が見える高めの透過性は、周囲に威圧感を与えないというメリットも。

ガラスレンズは重い、割れるといったデメリットもあります。スポーツサングラスに適さないのはそのためです。でもDEECのサングラスは強化ガラスを採用しており、国際規格のドロップボールという品質検査(16.2gの鉄玉を高さ1.27mから落下させる耐衝撃テスト)をクリアしています。またレンズ表面の傷に対する耐性という点では、プラスチック偏光レンズよりはるかに強く、耐久性という点では長くお使いいただけるはずです。さらに重いといわれるガラスレンズを極力軽く仕上げています。とはいえ同じ厚みの樹脂製レンズよりは重くなるため、かけたときに重量が適度に分散するように、チタンのフレームを作って組み合わせているんです。自社ですべてを行える体制があるから、レンズの特性をフレームでカバーするといったことも可能になるんですね。またデザインについても新たなデザイナーを起用し、古い慣習にとらわれない、新鮮なデザインを追求しました」

鮮明度の高さはガラスレンズならでは

DEECのドライビングサングラスをかけてみて最初に驚くのは、抜群のフィット感。サイドの締め付けがきつく感じたり緩かったりすることもなければ、鼻と接するパッドも日本人の顔に合わせて作られています。レンズを取り囲むフレームが頬や眉に干渉することもなし。装着してみてカッチリしているわりに適度にしなってくれるのは、チタンという材質が持つ特性が生きているからでしょう。一般的にガラスレンズは重いといわれるものの、長時間かけていても、そんな感じは受けません。前後の重量配分が巧みにバランス取りされているからでしょう。


写真は「ロングビーチ」(フレーム:マットブラック)。MEGANE BEST CONTEST 2016 サバエメガネメッセでサングランス部門のグランプリ受賞作。価格は、49,500円(税込)

そして、最大の驚きは、ガラスレンズならではのすばらしくクリアな視界。さほど視界は暗くならず、透明感が際立っていて、木々はより緑色に、空はより青く、すべてがクッキリ見えます。信号の色も裸眼以上に際立って見えるのです。それなのに、眩しさが感じられないのが不思議。通常なら光の角度によってボンヤリしてしまうようなもののカタチも見事にシャープに見えるし、対向車のフロントグラスの反射が抑えられ、その奥までしっかり見えます。その後に裸眼で走ってみると、目というものがいかにストレスに晒されているのかがわかるほど。愛用者が絶賛する理由がわかります。軽くソリッドで適度にフレキシブル、そしてホンモノ感に満ちている実力派というあたり、ちょっとアバルトとイメージが似ているかもしれませんね。


視認性を高め、運転環境を快適にすることは、安全面のみならず、ドライビングの楽しみにもつながるもの。どうせするならいいモノを、と考えるドライバーにはぜひお勧めしたい。

サングラスといえば夏だけのものと思いがちですが、紫外線は1年365日ずっと存在しているもの。それぞれの季節に特有の眩しさがあります。紫外線を吸収しないためにも目のケアはしっかりしておきたいところ。

DEECのドライビングサングラスはどこでも手に入るというわけではありませんが、取り扱っている店舗は皆一様にこの製品の良さに触れ、惚れ込んだところばかり。また自動車イベントに出展してDEECブースを構えていることも。取扱店舗やイベント出展情報などはDEECの公式サイトで知ることができるので、ぜひとも試着してフィット感のすばらしさと視界のクリアさを確認してみてもらいたいと思います。きっと、普通のサングラスには戻れなくなると思います。


取材にご協力いただいたDEECを展開する株式会社シューユウの代表取締役の酒井勇一さん(左)と部長の岩本裕紀さん(右)。

文 嶋田智之

DEECオフィシャルWEBサイト
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