昨日までの自分を超える走りに挑戦 アバルト ドライビング アカデミー in 富士スピードウェイ
アバルト月間にサーキットでEnjoy
アバルトの創始者、カルロ・アバルトの誕生月を祝して様々なイベントが開催される11月。日本でも様々なプログラムからなる「ABARTH DAYS(アバルトデイズ)」の開催が恒例となっているが、今年は大規模な集会を避けるため、ABARTH DAYSとは独立したイベントとして11月23日(月・祭)、ABARTH DRIVING ACADEMY(アバルト ドライビング アカデミー)が富士スピードウェイを舞台に開催された。
アバルト ドライビング アカデミーは、レーシングドライバーをインストラクターに迎えドライビングを学ぶ、アバルトオーナーさま限定のドライビングレッスン。コースは、初参加の方やドライビングの基礎を学びたい方向けの「BASE(バーゼ)」、BASEおよびサーキット走行経験者を対象にした「TECNICO(テクニコ)」、サーキット走行に慣れた上級者向けの「TECNICO+(テクニコプラス)」の3つがあり、今回はこのうち「バーゼ」と「テクニコ」がそれぞれの会場で実施された。
BASE 〜走る・曲がる・止まるを極めよ〜
ドライビングの基礎を学ぶバーゼ。このコースはABSが効くまでブレーキを強く踏んで“止まる”を学ぶ急制動、タイヤの前後荷重を意識して“曲がる”に挑戦するスラローム、踏むところは踏み、減速するところはしっかり速度を落として走るコーナリング、学んだことすべてを発揮して走行するジムカーナといったメニューをこなしていく。また、運転の理論を学ぶ座学も組み込まれている。1クラス最大20名までで3コースを使用して行われた。
インストラクターは、筑波や鈴鹿でクラスレコードタイムを叩き出したレーシングドライバー蘇武喜和選手をはじめ、ラリー歴20年を超え、チャンピオン獲得経験もある香川秀樹選手、全日本ジムカーナ選手権に参戦中の松本敏選手、小俣洋平選手などプロドライバーが担当。1コースにつき3名のインストラクターがつき、走行ごとに参加者の走りをチェックし、アドバイスを送った。
参加者の声
菊地さん
アバルト ドライビング アカデミーに参加するために愛知県からお越しくださった菊地さん。ドライビングレッスンへの参加は今回が初めてだそう。初めてクローズドコースを走った感想は?
「わたしは運転歴7年ですが、こういうところを走行するのは初めてでした。でも(インストラクターが)すごくやさしく教えてくれるし、講習もわかりやすかったです。午前中はどこでアクセルやブレーキを踏めばいいのかもわからなかったのですが、セクションごとに学んだおかげで午後の走行では、走りのリズムが掴めるようになりました。リズムが掴めると走るのがグッと楽しくなりますね。初心者でも午後にはもう運転を楽しめるというところがいいなと思いました」と話してくださいました。
レッスンで印象的だったことは?
「毎回走り終わってから、インストラクターの方が良かった点を教えてくれ、次はこれをやってみましょうという風に、ひとつできたらまた次の課題を与えてくれるところが良かったです。次はこれを身につけよう!と、どんどん向上心が上がっていって(笑)、楽しかったです」と話してくれました。
吉田さん
愛知県からお越しの吉田さんは、今年の8月に購入された595 esseesseでご参加。ご自身のドライビングを試しつつ、クルマの限界を知りたくて参加を決められたそう。走った印象は?
「レッスンの最初に比べ、回を重ねるうちにコーナリングスピードやブレーキを早くできるようになって、それだけでもめちゃ楽しいです。プロドライバーの方に話を聞くことはなかなかできないと思うので、直接アドバイスをいただけるのは貴重な体験でうれしいです。あとクルマの性能についても、普段は出さない性能を表に出して走ることができ、このクルマの凄さを感じられたのが良かったです」
インストラクターのアドバイスで為になったことはどんなことでした?
「スラロームの走り方で、最初に進入速度を落として、徐々にスピードを上げていくように勧められたんです。言われた通りに心掛けたらリズム良く走ることができました」。
クルマの秘めた性能を引き出しつつ、“乗れている感じ”を掴まれたようです。
山崎さん
続いては、埼玉県からお越しの山崎さん。コロナ禍前はクルマに乗る機会が少なく売却さえ考えたそうですが、在宅勤務になり、楽しく運転できるクルマに乗りたくなってアバルト(595C Turismo)に買い換えたそう。
「コロナ禍で楽しみが限られるので、自分が楽しいと思えることを優先的にやろうかなと思ってアバルトを選びました。アバルト ドライビング アカデミーは1年に一回ほどしかないチャンスなので、ぜひやってみたいと思いまして」。
参加されてみてどうでした?
「家が埼玉なんですけど、普段ドライブしている時はあまりアバルトとすれ違うことがなくて。どこにいるのだろうと思っていたら、ココにはこんなにたくさんのアバルトが集まっていて(笑)。それだけでテンションが上がりました。しかも初対面でも皆さんが友達みたいな感覚で親しく接してくれて、とても楽しいです。教習所以来のレッスンですが、せっかくアバルトに乗っているので、このクルマの良さをちゃんと実感して走りたいなと思いまして。参加したおかげでアバルトの良さがたくさん見つかりました」と、アバルト三昧の一日を楽しまれていた様子です。
TECNICO 〜本格サーキットで丸一日走りを堪能〜
ドライビングの基礎を習得済みのドライバーを対象に、サーキット走行を楽しみながら、スポーツドライビングをスキルを学ぶテクニコ。朝7:40に始まる開会式を皮切りに、計40分の座学および旗の説明を経て、あとはショートサーキットで一日たっぷりドライビングを学んでいく。サーキット走行時間には、パレード走行や低速で先導車について走行しながらコースを覚えた後、インストラクターが助手席に乗ってアドバイスを受けながら走行を行う同乗走行と、自分で運転するフリー走行を行い、経験を重ねていく。
インストラクターは、フォーミュラやツーリングカー、ル・マン24時間などの耐久レース、米NASCARと、内外のレースで活躍しているレーシングドライバー福山英朗さんをチーフとするインストラクター陣が担当。このコースはインストラクターが助手席に乗ってアドバイスをしてくれるのが大きな特徴で、ラップ中にスキルアップに繋がるポイントの直接指導が得られる。
参加者の声
平澤さん
名古屋から来られたという平澤さんは、年に3回ほどサーキット走行を楽しまれている経験者。愛車は2019年のABARTH DAYSで披露された695 70° Anniversario(アニヴェルサーリオ)。このクルマでのサーキット走行は今回が初めてだそう。
「10年くらい前に695トリブート・フェラーリに乗っていて、その後別ブランドのホットハッチに乗り換えました。去年、アバルトに乗る後輩が“アバルト、いいですよ!”と勧めてくるので再度アバルトの購入を検討し始めた頃、ちょうど695 70° アニヴェルサーリオが発表されたんです。抽選に申し込んだら当選してしまい。晴れてこのクルマのオーナーとなったのです。乗ったら以前のクルマとだいぶ印象が違いました。ボディもしっかりしているし、ステアリングのフィーリングも違うし。別のクルマに乗っているようです。レッスンでは、インストラクターの方が同乗してくれるのが良かったです。1周目に自分の走りの欠点(ブレーキポイントとコース取り)を指摘してくれ、2周目で習ったことを意識して走りつつ、都度“そこはもう少し強く”とか“進入速度を遅く”とか指摘してもらいました。おかげで3周目は比べものにならないくらい走りやすくなりました。ポイントをズバリ指摘していただけたのが良かったです!」と同乗走行でのインストラクションに満足された様子。
彼女は見ていてどうでしたか?
「私はサーキットには初めて連れてきてもらったんですけど、迫力満点でした。音もそうですし、エンジンから出る香りを嗅いだのは生まれて初めての経験でした。これだけ多くのアバルトが集まっているのに、それぞれカスタムしてあって1台1台少しずつ違うのも印象的でした。楽しかったのでまたぜひ来たいと思いました!」とサーキットで過ごす時間を楽しまれていた様子。
たくさんのアバルト好きがサーキットに集まったアバルト ドライビング アカデミー。参加者の方は、それぞれの思いや期待を胸にサーキットに集まり、フルスロットルでの走行を楽しまれた模様。どんな時もサソリはドライバーを高めてくれる。そんなことを実感した2020年のアバルト ドライビング アカデミーだった。