モーニングクルーズ アバルト編が開催 60年を隔てた新旧モデルが集結

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日曜朝7:00 代官山 蔦屋書店に集合

日曜日の早朝。空気の澄んだ気持ちのいい都内の道を、色とりどりのイタリアンコンパクトが同じ場所に向かっていた。彼らの目的地は、代官山 蔦屋書店の駐車場。「モーニングクルーズ 」に参加するためだ。モーニングクルーズとは、毎回変わるテーマにあわせてヴィンテージカーから現行モデルまでが集まるイベント。テーマに沿ったクルマで集まり、朝のひと時を過ごすオーナーの集いの場として好評を博している。

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今回のテーマは「アバルト」とあって、最近の「500」系や現行「595」系はもちろん、「アバルト シムカ」や「ランチア037ラリー」といった、アバルトにゆかりのある歴史的に価値のあるクルマも姿を見せた。集まった方は、購入したばかりの人もいれば所有歴数十年のベテランも。そこで参加者の皆さんに、それぞれのアバルトライフについてうかがった。

「望んだ時にいつでも非日常へ運んでくれる」関大輔さん(鎌倉在住)

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関さんの愛車は、1956年の「フィアット600 デリヴァツィオーネ アバルト 750」。60年も前のヴィンテージカーをとてもきれいに乗られていて、ひときわ注目を集めていた。大学時代に乗った最初のクルマがアウトビアンキのアバルトで、そこでアバルトを好きになり、就職を機に現在のクルマを購入。以来、ずっと所有されているのだとか。

「気に入っているポイントですか? アバルト全般に言えることだと思いますけど、アクセルを踏み込みたくなる感じや、クイックに反応してくれる操舵感ですね。購入時から惚れ込んでいましたけど、その輝きは色褪せてないです。今では別のクルマも所有していますが、“非日常”を味わいたくなった時にこのクルマに乗っています」

 

「子供との距離感が近いのがいい」鈴木智則さん(川崎在住)

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ご家族3人でお越しになった鈴木さんは、アバルトをファミリーカーとして選択。後部座席のお子さんに手の届くそのサイズが、家族でのドライブにちょうどいいそうだ。

「以前にフィアット500 に乗っていたのですが、1人のときにディーラーでたまたまアバルトに試乗してすぐに気に入り、その2-3日後に契約してしまいました。フィアット500で荷物が十分に載せられることを経験していたので、アバルトへの乗り換えも割とすんなり妻に納得してもらえました。お気に入りの点は、後部座席に乗せた子供との距離が近いところ。子供にすぐに手の届くのが家族でのドライブにちょうどいいんです」

 

「車格を超えた上質感に満足」長谷川集平さん(平塚在住)

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27歳という若さで「595コンペティツィオーネ」で駆け回る長谷川さんは、フィアット500などを乗り継いだイタリア車好き。アバルトはイタリア車らしいデザインやインテリアの仕立ての良さに満足しているのだとか。

「クルマのサイズ感に対して、クルマの仕立ての良さはそのひとつ上を行っている感じがするんです。レザーの質感もいいし、シートの背面にカーボンを使ったり、ブレーキもブレンボ製を奢ったりと。ぼくは飛ばしたりする方でないですが、気持ちよく走ることができて満足しています。レコードモンツァのマフラー音がタウンスピードでも元気な感じを伝えてくれる点も満足しています」

 

「ボディサイズに対して出力が高い!」永田純一さん(大田区在住)

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永田さんは、20年で計6台のイタリア車に乗り継ぐ、根っからのイタリア車ファン。現在の愛車は595コンペティツィオーネで、アバルトの有り余るパワー感におもしろさを感じているとのこと。

「“音”やデザイン、それにドライブフィールも、他の国のクルマにはないものがあって、そこが好きになりました。ボディが小さく取り回ししやすいこともさることながら、ボディサイズに対して明らかに出力が高いですよね。それによってもたらされるダイレクト感みたいなところに走りの魅力を感じています。また、アバルトを通じて繋がった友人とドライブやツーリングにも行ったりもして楽しんでいます」

 

「カルロ・アバルトの突き抜けた発想」神谷さん(都内在住)

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この日モーニングクルーズに訪れた多くの参加者のカメラの被写体となっていた「アバルトシムカ2000」でお越しになった神谷さん。ドイツでリストアされた1964年のアバルトシムカは、所有して20年になり、その間、エンジンを開けるなどの重整備を一切なしに、サーキット走行やラフェスタ・ミッレミリアに参加してきた。

「ドイツの前オーナーは、このクルマをヒストリックレースに出るためのクルマにしていたようです。ぼくも富士スピードウェイを走らせたら、エンジンがどこまでも回る感じがして、それはすばらしかった! 現状は公道走行にあわせてキャブレターやトランスミッションをデチューンしたけれど、軽いボディに2リッターエンジンだからね、元気のいい走りっぷりはあいかわらず。このミスマッチな組み合わせにカルロ・アバルトの突き抜けた発想が出ているよね。普通はやらないでしょう、という手法で俊足な走りを実現しつつ、日常的に乗れるクルマに仕上げてしまう。機能を突き詰めて行き着いた、走るための設計が魅力だよね。

 

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相模原からお越しの作道弘也さん(左)は、就職し初任給をもらったその足でディーラーに行き、念願のアバルトを購入したとのこと。「クルマ離れですか? ぼくの周りはクルマ好きが多くてそういう実感はないですね。アバルトを知らない友人には乗せてあげると、『オー!』となります。見た目以上にパワフルなのでそのギャップに驚きますね。一方、都内に在住の大井さんご夫妻(右)は、124スパイダーを3月に購入したばかり。「乗るときはいつもオープンです」とは奥様の弁。「今日の朝みたいに天気のいい日は、風を感じて走ると気持ちいいです」とお二人とも青いスパイダーに満足している様子。

 

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2年半ほど前にアバルトをファミリーカーとして選んだ石田一輝さんとご家族(左)。購入の決め手については、「“音”にやられました」とコメント。「見た目がかわいいところが気に入っています」と話す奥さまは、家族で乗る時は2歳2ヶ月のお嬢さんとリアシートに乗車してドライブを楽しんでいるそう。自主制作したイラストを展示・販売するのは小出茂鐘さん(左)。現行フィアット500が登場したときにイタリアまでローンチを観に行ったほどクルマに情熱的。現在の愛車のアバルトの印象は「気の強いお嬢さんみたいな感じ」と、際立つ容姿と元気の良さを表現してくれた。

 

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埼玉からお越しの宮部敬介さん。「彼女がかわいいクルマが好きで、自分はスポーティなクルマが好きだったので、愛嬌のあるフォルムのなかに本格的な走りを秘めたアバルトはまさにうってつけでした」とアバルトをチョイス。彼女は「ふわふわした乗り心地だとクルマ酔いしてしまうので、適度に引き締まったアバルトの乗り心地が気に入っています」とご満足のご様子。

 

アバルトの最新モデルを試せるテストドライブも

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モーニングクルーズの会場では、アバルトの最新モデルを体感できるテストドライブがアバルトの主催で開催された。この試乗イベントは、普段試す機会の少ないアバルトの走りを、より多くの人に体感してもらおうと企画されたもの。参加者はそれぞれ124スパイダーや595、595コンペティツィオーネのステアリングを握り、その感触を確かめていた。

 

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ご近所目黒からお越しの田中紀之さんは毎週末、代官山T-SITEに朝食を食べに訪れているとか。現在「595」が購入候補に挙がっていることもあり、試乗に参加。その印象は「Tシャツを着ているような感じで、重い感じがなく心地よかったです。子供の頃からアバルトは好きで、デザインが尖りまくっていてかっこいい」。一方、奥さまは「フォトジェニックなクルマなので、このクルマが家にある姿を想像するといいですね。(ご主人の)“らしさ”にもあっているかなと」と話してくれた。

 

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笠井秀行さんは124スパイダー(6MT)を所有。今回は「オートマチックの124スパイダーに乗ってみたかった」という理由で試乗に参加。走らせた印象は「オートマチック車は、踏んだ瞬間からトルク感がモリモリと感じられて、6MT車とはまた違った個性を感じました」。かつては「500エッセエッセ」に乗っていた時期もあり、アバルトブランドに対しては「それ以外の購入は考えなかったです。アバルトには目的地まで遠まわりして行きたくなるような、他では満たせない味わいを感じています」と大のお気に入りの様子。

 

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綾瀬からお越しの佐田真樹士さんがアバルトに興味をひかれたきっかけは「ネットで見て124スパイダーがむちゃくちゃカッコ良かったから。それで悩んだ結果、最終的に595Cツーリズモを購入しました」。その595Cツーリズモは2週間前に納車されたばかり。今回は124スパイダーに試乗して「走り出しが滑らか」とその印象を話してくれた。ご自身の595Cツーリズモも含めたアバルトの印象は「マフラーの音とか、アバルトには他のクルマにはないカッコよさがありますね」。

 

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伊藤正樹さんにとって、クルマ選びの基準は運転して楽しいかどうか。その視点で乗った595の感想は「やっぱりアバルト。名前負けしていない」というもの。「エンジンのツキがよく、実力を秘めている感じが伝わってきました」と話してくれた。「格上を食う感じ。その片鱗を感じることができました。峠とかサーキットで走らせてみたいクルマですね」。

 

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写真 荒川正幸

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