アバルトが広げた写真の世界。グランプリ受賞者が語る“風景とクルマ”の撮り方
朝しか撮らない理由
ポイントを定め、気候を読んで撮りに行く。根岸さんの1枚の写真にかけるこだわりと本気度が伝わってきた。そこで妙義山、赤城山、榛名山からなる上毛三山が背景に見える撮影スポットで、根岸さんがどのように写真を撮るのか見させてもらった。根岸さんは快晴のなか、山頂に雪が積もった赤城山を背景に選び、愛車を撮影した。

今回の撮影の狙いを教えてください。
「望遠レンズの圧縮効果を使って、赤城山が大きくクルマの背景に来るようにしました。この場所では何度か撮影していて、いつもはクルマと背景を少しずらして撮りますが、今日はあえてクルマを背景の山に重ねてみました」

根岸さんが撮影した写真。
同じ場所でも季節、時間に応じて違った雰囲気の写真を狙うのですね。
「そうですね。ただ、撮影時間については、自分は朝しか活動しないんです。カメラは趣味でやっていることなので、家族を1日中放っておくわけにはいかないので朝10時までには帰ると決めているんです。夕日の背景などを撮りたい気持ちもあるんですけど、それはイベントに行った帰りなどにタイミングが合えば撮るというスタンスで楽しんでいます」

これからは、愛車とどんな撮影を楽しみたいですか?
「そうですね。これまでは雪の日は怖かったので撮影を控えていたのですが、せっかくスタッドレスタイヤを履いているので、これからは雪景色の絵も撮りたいですね。自分はやっぱり風景の中にクルマが溶け込んでいる写真が好きなので、新しい景色にもチャレンジしたいと思っています。アバルトは乗っても楽しいし、行き先ではきれいな景色を楽しめ、家でも撮影した画像を見返して楽しむことができます。これからも、まだ行っていない場所に行き、いろいろな景色を見たいです」
プロのようなきれいな写真を生み出すその背景には、1枚の写真にかける並ならぬ思いがあった。技術や知識もさることながら、時に30分かけて納得がいくアングルを見つけ出し、時に同じ写真を次の日にまた撮りにいく。そうして生まれた一枚一枚が、人の心を打つ理由だ。これからどんな風景と出会い、どんな瞬間を切り取ってくれるのか。今後の作品にも期待したい。
文 曽宮岳大
