アバルト“映え”スポット!キャンペーンの優秀賞を受賞! アバルトライフFile.48 二瓶さんと595 Competizione
作り込まれた美しい写真をインスタに投稿
『教えてあなたのアバルト“映え”スポット! Instagram CAMPAIGN』では、皆さまからたくさんのご応募をいただき、ありがとうございました。おかげさまでアイデアに溢れたアバルトの美しい写真が多数集まりました。見逃してしまった方は、「#アバルトスポット2021」でぜひご覧ください。
数多くの素敵な作品の中から優秀賞が決定しましたのでご報告します。ご当選者は、愛車の「595 Competizione」を紅葉の元で美しく撮影された二瓶さんです。審査員は「全体的に赤の色味で表現されたこの写真に、アバルトらしい熱量や情熱を感じた」と作品を評し、選考理由としたそう。見事受賞した二瓶さんに、普段心がけている愛車の撮影の仕方や作品づくりへの思いをうかがいました。
「Instagramを始めてから、まだ1年経ってないんです。実はキャンペーンのことはあまり気にしてなくて、ほかのアバルトのオーナーさんたちがタグづけしていたのを見て、真似してタグをつけただけなんですよ。受賞のDMが届いて初めてキャンペーンの詳細を知りました(笑)」
そうおっしゃる二瓶さんの愛車は、2015年の秋に200台限定で導入された「595 Competizione Scorpio(スコルピオ)」という限定車。そのうちRosso Cordoloというメタリックのレッドは、わずか65台が上陸した珍しいモデルです。鮮やかな紅葉を背景に美しく映えた、綺麗な色合いが特徴です。
「中学生の頃に一眼レフを買ってもらって、その頃から写真を撮るのが好きで、大学時代には写真部に在籍していました。Instagramは、最初は海外の人のアバルトの写真を見たくて始めたことがキッカケでした。面白いカスタムをしてる人がたくさんいて、見るのも楽しかったですね」
二瓶さんのInstagramを拝見すると、まさに“作品”と呼びたくなるような写真が並んでいます。撮影されるときには、どんなことを考えたり、どんな点に注意を払っていたりするんですか?
「構図(背景と被写体の位置関係)や、クルマがカッコよく見える角度。あとは光の入り方ですね。アバルトはレンズの圧縮効果を狙って100mmくらいの望遠レンズで、ちょっと低い位置から撮るのが、個人的にはカッコいいと思うんです。光に関しては、ライティングの機材とかは持ってなくて自分のカメラひとつなので、どこから光が入ってクルマがどう見えるのか、色々と試してみたり工夫してみたりしています。特に僕のクルマの色は、順光でバキッと光があたるより、陰っていたり夜だったりする方が綺麗に見えるんですよ。あと色味などは後から調整することが多いですね」
「イメージに近づけていく作業が楽しい」
ということは、撮影した写真を画像編集ソフトで加工することが多いのですね。
「そうですね。撮った写真をいじって自分の中のイメージに近づけていく作業も、すごく楽しいです。僕はそれもクリエイティブの一環だと思っていて、写実的じゃなくてもいいかな、って思うんですよ。賞に選んでいただいたのは紅葉の写真ですけど、自然の紅葉ってそのまま撮るとこういう色には絶対にならないんですよね。でも頭の中にある紅葉のイメージって、こういう色味じゃないですか。そんなふうにイメージ通りに仕上げていく作業がすごく楽しいですね」
写真に対する考え方が、カメラマン視点というよりもデザイナー視点、ですね。
「もともと学生の頃からCGとかもやってきましたし、仕事では3D CADもやりますし、どちらかといえばデジタルクリエイター寄りなので、いじることも好きなんだと思います。始めるとわりと熱中しちゃうし、作業そのものを楽しんでいます。だから写真はあくまでも素材として撮ってくるという感じかもしれませんね。ただ、このクルマはどこに置いても写真を撮りたくなるんですよ。このクルマじゃないと、こんなふうには“映え”ないので。だからどこに行ってもだいたいクルマを撮っています(笑)。受賞した写真も、紅葉を撮りたくて撮りに行ったときのものです」
すると同席した彼女から「クルマを撮りたいから、って出掛けたんでしょ。モミジは朝に撮るのがいちばん綺麗だからって。私たち、そういう“クルマ撮りたいんだけどデート”が多いんです(笑)」と二瓶さんにツッコミを入れていました。
「そういえばそうだった(笑)。紅葉の中でアバルトを一緒に撮りたくて、朝、だいぶ早く出掛けたんでした。朝のやわらかい光が綺麗なんですよ。彼女もふと気づくとそばからいなくなっているくらい写真を撮るのが好きだから一緒に楽しんでくれてるけど、僕もやっぱり撮るのは好きなんですね。このクルマは走るのもすごく楽しいから、長距離ドライブにも出掛けます。走ってるか写真を撮ってるか、どちらかということが多いですね(笑)」
中学生の頃から憧れたカーデザイナーへ
二瓶さんのアバルトは、 もともとはイタリア車を乗り継いできたお父さんの愛車だったのだそうです。学生の頃にも借りて乗ることはありましたが、 デザイナーとして自動車メーカーに採用され、転居しなければならなくなったときに、買い取るかたちで譲り受けたのだとか。
「実は中学生くらいの頃からアバルトが欲しくて、だから父もそれをわかっててこれを買ったんでしょうね。 僕に譲ってくれた数ヶ月後に595C Pistaを買ったくらいですから、もちろん本人も好きなんでしょうけど。突然メールが来て“買った”っていわれたときにはビックリしましたよ(笑)。そういえば、このクルマも知らないうちに父が買ってきたんです。だから色も父の好みだったんだと思います。僕もアバルトは鮮やかな色がいいと思ってるし、ほかの人とかぶることはまずないし、気に入っています。ボディカラーって僕にとっては本当に重要で、クルマを選ぶときの最初の条件っていってもいいくらい。695 Edizione Maserati(エディツィオーネ・マセラティ)とか695 70°Anniversario(セッタンタ・アニヴェルサーリオ)の色も好きですね。クルマを乗り換えることをもし考えるとしたら、Anniversarioのグリーンかな、って思ってるくらい」
ボディカラーへのこだわりも、デザイナーらしいですね。いつ頃からクルマのデザイナーになろうと思っていたのですか?
「中学生くらいですね。クルマは子どもの頃から好きだったし、絵を描くのも好きだったんです。工業高校に入って二次元のCADを教えてもらったんですけど、学校では3Dができなかったので、独学で3D CADも学んだりして。CADをやりたくて工業大学に進んだんですけど、カーデザイナーになるのは無理だと思っていたんですよ。でも先生の中にカーデザイナーをしていた方がいらして、背中を押してくださって、今の会社を受けたら合格しちゃった(笑)。先生には毎年、会いにいってます。Instagramの写真も、大学時代に撮ったものが結構多いですね。その頃から今のようなことをするのが好きだったんですね」
クルマのデザインに従事してる人から見て、595のデザインはいかがですか?
「アバルトやフィアット 500もそうなんですけど、よくできてますよね。丸みも絶妙ですけど、サイドのライン。ラインって見てると脳が勝手に延長しちゃって残像を残すみたいになるものなんですけど、サイドのキャラクターラインも、すごく綺麗に抜けてるんです。インテリアを見ても、基本は大衆車だから高級な素材は使ってないんだけど、デザインが綺麗にまとまっているから安っぽく見えないし、すごく好感が持てる。昔のチンクエチェントと同じイメージにまとめながら、昔のデザインをコピーしたところは何もなくて、すべて新しくデザインしてるんですよね。それってかなり難易度が高いことだと思うんです。歴史的なデザインを解釈しなおして新しいデザインを生み出すそのやり方が、本当に好きな人じゃないとできないレベルだし、完成度もすごく高い。素直に尊敬します。大学の頃に“皆に愛されるキャラクター性のあるコンパクトカーをデザインしたい”って思っていて、今もその気持ちは変わってないんですけど、今から思えばこのクルマの存在が大きかったのかもしれないです。いや、間違いなくこのクルマが根本にありますね」
前途有望な若いデザイナーがいずれアバルトに匹敵する愛されキャラのコンパクトカーを生み出す日を心待ちにしたいと思います。ただ、きっとその頃になっても、二瓶さんのかたわらには、特徴的な色のアバルトがあり続けているような気もしてるのですけれど。
文 嶋田智之
撮影協力 バイカーズパラダイス南箱根
アバルト公式WEBサイト