アバルト2台体制に アバルトライフFile.20 今瀬さんと695リヴァーレ&124スパイダー

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「初恋の人みたいだったアバルト500Cを手放し、泣くほど後悔して、本当に泣いて……。今は自分の中で欠けてしまっていたピースが戻ってきたような……。そんな感じです」

満面の笑みでそう語ってくださったのは、アバルト695Cリヴァーレが納車になったばかりの今瀬意純(いずみ)さん。“あれ?”と思われた方、正解です。彼女は昨年11月に「アバルト124スパイダー」のオーナーとしてScorpion Magazineに登場してくださいました。その記事は2018年のアクセス数第1位に。ご記憶の方も少なくないしょう。

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124スパイダーに追加するかたちで、695Cリヴァーレを手にされた今瀬意純さん。

前回のインタビューの中で、意純さんは「695リヴァーレが欲しい」とおっしゃっていました。実は10月頭の取材の直後にリヴァーレの日本導入が決まり、彼女はディーラーで正式にオーダーを入れていたのです。そして2019年2月、納車となりました。124スパイダーを手に入れる代わりにお別れしてしまった、500Cと同じオープントップの695Cリヴァーレです。「買い換えるのか2台所有にするのか、ものすごく悩んでいます」とおっしゃっていましたが、124スパイダーは今も所有したまま、なのです。

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今瀬さんが695Cリヴァーレを気に入られたポイントのひとつが、ウッドのフェイシア。高級ボートに着想を得たマホガニーが車内を上質に演出しています。

──がんばりましたね(笑)。アバルト2台持ち、です。

「そうですねぇ。がんばっちゃいました(笑)。でも、どうしても124スパイダーを手放すことができなかったんです。2年つきあっても124スパイダーは大好きで、前に500Cを手放した後みたいな気持ちになるのが嫌だったので。同じ仕様がラインアップにあるのならいつでも手に入れられるけど、リヴァーレは限定車だから、このチャンスを逃したらもう手に入れられないじゃないですか。だから、いろいろと……がんばりました」

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ご友人にオーダーして作ってもらったというレザーのキーホルダーには“695 Rivale”の文字が。愛車への愛情が滲み出ています。

「マフラーの音が最高なんです」

──念願叶って手に入った695Cリヴァーレ、初めてドライブしたときにどんなことを感じました?

「あれ? 硬い! と思いました。足まわりの印象が最初の500Cとはずいぶん違ったんです。それまであまり意識したことはなかったんですけど、考えたら“695”だし、コンペティツィオーネと同じサスペンションですものね。それを思い出して、そうよね、とすんなり納得したのですけど」

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──何だか恋は盲目で、愛してしまったら小さなこと(?)は気にならない、というのに似ている気がしますけど。

「そういうところもあったかもしれません(笑)。エンジンのパワーが180psっていうのも、そういえばほとんど意識していませんでした。パワーそのものは、124スパイダーの速さに慣れちゃっていることもあってそれほどの驚きではなかったんですけど、でも車体がちっちゃいし目線も高いから、スピード感はかなりありますね。それより、アクラポヴィッチのマフラーのサウンド。最高なんです。オープンで走っているときにはもちろんですけど、閉じているときにトンネルに入ったりすると、思わず窓を開けて聴き惚れちゃいます(笑)」

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695リヴァーレの専用装備のひとつがアクラポヴィッチ製のマフラー。レコードモンツァとも異なる独特のサウンドを鳴り響かせます。

──確か最初はカラーリングやウッドのインテリアに惹かれたということでしたよね?

「はい。手にした今でもものすごく惹かれていて、カッコイイなぁ、綺麗だなぁ、って思ってます。ずっと眺めていても見飽きるってことがないんです。なにしろこのカラーリングにこのストライプじゃなかったら買ってなかったぐらいのお気に入りですから。納車になる前から“これを着てリヴァーレに乗ろう”って、ボディカラーにあった服を買ったりしていたほどなんですよ。嬉しくて楽しくて、あちこち走り回っちゃって、1ヶ月で2000kmを越えちゃいました(笑)」

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──その間、124スパイダーはお休み、ですね。

「それが、そうでもないんです。ウィークデーの通勤は124スパイダーで楽しく走って、ウィークエンドに遊びに出掛けるときはリヴァーレで楽しく走って、っていう感じで。何て贅沢なんでしょう(笑)。でも、リヴァーレを増車したこと、実は会社の人達には話してないんです。アバルトの、それも屋根が開くクルマを2台持っているだなんて、絶対に変な女だと思われちゃいますから。でも同じアバルト、同じオープントップっていうだけで、見た目も乗った感じもまったく違うクルマなので、仕方ないんです。リヴァーレが来たことで、124スパイダーのよさにあらためて気づいたようなところもありますし。ああ、手放さなくてよかった、って心から思いますね」。

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124スパイダーも695リヴァーレもどちらも好きで結果的に2台体制になったと語る今瀬さん。それだけに、とてもハッピーそうでした。

──695Cリヴァーレを増車したことを知っている周囲の皆さんの反応はどうでした?

「友人達は皆、かなりビックリしてました。買い換えじゃなくて、まさかの増車? って。家族の方は、父がかなりのクルマ好き、バイク好きで慣れちゃっているせいか、特に何かをいわれたりすることもなく。そこは幸せですね」

「きっと、永遠に乗り続けると思います」

──週末は、どんなふうに楽しんでいらっしゃるのでしょう?

「本当はあんまり乗らないで大切に飾っておこうかな、とも思ったんです。でも、アバルトだから当然なのかもしれないですけど、乗るとあまりにも楽しいので、毎週必ずどこかに走って行っちゃうんですよ。それにリヴァーレは、乗っても楽しいんですけど、写真を撮りたくなるんです。とても写真映えするクルマなので、今はそれに熱中していますね。124スパイダーもフォトジェニックだとは思うんですけど、色がシンプルでしょう? リヴァーレのこのカラーリングは他にないですもん。いろんなところに走っていって、いろんな風景をバックに写真を撮るのがものすごく楽しくて、撮った写真をInstagramにアップして自己満足に浸ってます(笑)。ゴールデンウィークには友達と一緒に夜景を撮影するために六甲に行こう、なんて計画もしているんですよ」

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走るのが楽しく、1ヶ月で2000kmを走行したとのこと。見た目だけでなく、走りも相当お気に入りの様子です。

──なるほど。今、めちゃめちゃ幸せそうですねぇ?

「幸せです。もともと124スパイダーがあって幸せだったのに、今はもっと幸せ。すごく満たされています。とにかく週末が楽しみでしょうがないんですよ。土日にリヴァーレに乗れる、うわー! みたいな。ほら、恋愛しているときに何かホルモンが出るみたいなのがあるじゃないですか。そういう感覚が自分でもわかるぐらい(笑)。冗談はともかくとして、最初にアバルト500Cに乗り始めたときには、まさかここまでアバルトにハマるとは思ってもいませんでした。でも同じようなクルマを探しても他のメーカーにはないので、私はきっと永遠にアバルトに乗り続けることになるんだろうな、なんて思ってます。リヴァーレも、一生手放さないって心に決めています」

文 嶋田智之

アバルト公式サイトhttps://www.abarth.jp/