「アバルトに乗るようになって、外に出ることが増えました」アバルトライフFile.16 今瀬さんと124スパイダー

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4台続けてオープンカーを所有

スポーツカーをサラッと乗りこなす美女というのも今ではそう珍しくはないのかもしれませんが、そのクルマが2台続けてアバルトで、次に買いたいクルマもまたアバルトとなれば、話は別でしょう。今瀬意純(いずみ)さんの現在の愛車は、「アバルト124スパイダー」。その前に乗っていたのは、アバルト500C。そして今は124スパイダーに満足しつつも、別のアバルトに心をときめかせているそうです。

「昔からスポーツカーがすごく好きだったんです。スポーツカーのかたちがすごくセクシーだと感じて、そこからクルマに興味を持ったものですから」
その言葉を裏付けるように、今瀬さんの車歴をうかがってみるとスポーツモデルばかり。免許を得てから最初の愛車が日本のスポーツカー、次も国産のスポーツモデル、そしてフランス製オープンカー、同じくフランス製オープンスポーツ、さらにアバルト500C、アバルト124スパイダーと続きます。途中からは4台続けてオープンカーです。

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2台続けてアバルトに乗られている今瀬さん。現在の124スパイダーの前の愛車は「500C」。オープンカーがお気に入りのようです。

「ある頃から、オープンカーに強い憧れを持つようになったんです。高校生の時にアメリカのテレビドラマを見て、そこに登場する高校生の女の子達がオープンカーに乗っていて、とてもカッコよく感じたんです。だから最初にオープンカーを買うときには、ピニンファリーナ・デザインのとっても美しくてお洒落なモデルを第一候補にしたくらい。結局は違うモデルを手に入れることになったんですけど、実際に乗ってみるとすごく気持ちいいでしょう? そんなところからオープンカーにはまって、以来、ずっとオープンカーばかりですね」

例えば顔が汚れるとか、メイクが崩れるとか、髪がからまるとか。イメージとはうらはらに、誰かに乗せてもらうときもできればオープンカーは避けたい、という女性も少なくないようですが……。

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風を肌で感じられるとの理由から屋根を積極的に開けて走るという今瀬さん。仕事帰りもよく屋根をオープンにして走るそうです。

「そうですね。でもオープンカーには、それにも勝る気持ちよさがあるじゃないですか。自然を肌で感じながら走るのって、とても気持ちいいし、素敵なことだと思うんです。だから私、冬でも着込んで屋根を開けて走りますよ。クルマは通勤にも使っているんですけど、行きは屋根を閉めた状態で、仕事が終わったら天気が悪くなければ開けて帰ります。だから通勤も楽しいんですよ。毎朝、会社に行くのがとっても楽しい。正確にいうと、会社に行くまでの道が楽しいんですけどね(笑)。でも、それって大きいと思うんです。がんばって仕事をしっかりこなして、早く終わらせて早く走ろう、っていう気持ちに自然となれますから。仕事が大変で疲れた日でも、クルマに乗ったらハッピーな気分になりながら帰れますし。モチベーションが上がりますよね」

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124スパイダーに乗るようになってから、走る楽しさにハマっているという今瀬さん。124スパイダーとのカーライフを存分に満喫されている様子です。

──124スパイダーは会社の駐車場に停めるわけですよね? 皆さんの反応はいかがでしょう?
「前の500Cのときも“かわいいクルマだねぇ”と褒めていただけたりはしましたけど、124スパイダーはすごくインパクトがあるみたいで、結構驚かれたりすることもありますね。車高が低くてはっきりとスポーツカーのかたちをしていて、サウンドが少し派手なこともあるんでしょうけど、“すごいの乗ってるね”なんて(笑)。“今度乗せて”と何人かにいわれたこともありますよ」

──女性のスタッフさんから?
「男性です。おじさま、ですね。クルマがお好きな世代だから、なんだと思います」

会社への往復で日に50km以上、毎日、アバルト124スパイダーを走らせているという今瀬さん。2017年3月から、すでに走行27000km。休日も124スパイダーを楽しんでいらっしゃるようです。

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124スパイダーのオーナーになり、走ることが楽しみに

「走るの大好きなんです。124スパイダーに乗り換えてから走ることがさらに楽しくなったので、オープンカーの集まりやアバルト124スパイダーのオーナーズクラブのツーリングにも参加したりして、屋根を開けて走っています。アクセルもちょっと元気よく踏みますよ(笑)。500Cは街中が楽しくて、124スパイダーはワインディングロードを自分なりのハイペースで走るのが楽しい、っていう感じかな。スイスイ行けちゃうんですよ。パワーも十分で、とてもコントロールしやすい。アバルトに乗るようになってから外に出ることが増えたのですけど、124スパイダーにしてから、さらに弾けた感じです。今は何よりクルマで走ることが楽しくて、周りから“そういう人だったっけ?”って驚かれるぐらいです。新たな楽しみ、見つけちゃいましたね(笑)。オーナーズクラブの友達との交流も、すごく楽しいです。自分の知らない道に連れて行ってもらったりとか、色々と教えていただいて影響も受けて、レコードモンツァのマフラーにロングテールのフィニッシャーをつけたりとか。このクルマを買ったことによって、すごく世界が広がりました。楽しいことも増えました」

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イタリア行きのツアーで、アバルト本社にも訪れている今瀬さん。そしてイタリアで、新たなトキメキを見つけたようです。

今瀬さんとお話をしていると、ピニンファリーナとかフィニッシャーとか、一般の女性からは出てこない言葉がサラッと出てきます。チンクエチェント博物館が主催する、かなりマニアックなイタリア行きの自動車ツアーにも5回も参加されているのだとか。
「でも私、ちっともマニアじゃないんです(笑)。アバルトがすごいチューナーだったことぐらいは知っていますけど、歴史とかに詳しいわけでもないし、うんちくもあんまり知りません。ただ、チンクエチェント博物館のツアーのときにアバルトの本社を何度かお邪魔していて、ブランドに対する関心はあるのですけどね。

──そもそも、なぜアバルトに? というのをうかがっていませんでした。
「まず最初に、屋根が開くというのがとっても重要でした。最初はフィアットの方の500Cを考えたんですけど、2011年に乗り換えを考えていたタイミングでちょうどイタリア行きのツアーに参加して、トリノの街中でアバルトを見掛けたんです。すごくいいサウンドを出しながらピューッて走り去っていったんですよ。そのときの印象が強く残って、帰ってきてすぐにディーラーに行ってアバルト500Cを買いました。グレーのビコローレで、真ん中に赤いストライプが入っていて。とても素敵でした。……何で手放しちゃったんだろう?」

──なぜ……ですか?
「500Cとの別れはとっても辛かったんです。今でも思い出すと涙が出そうになるし、街で500Cを見かけると胸がキュンとする。今も大好き。そのくらい愛していたんです。大好きな男性と別れてしまったというような……でも素敵な別の男性に惹かれてしまったというような。なのにまだまだ未練があって忘れられないというような。勝手ですよね(笑)。でも、たとえるならそういう感じです」

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どうしても気になるもう1台のアバルト

──124スパイダーに乗り換えた理由は?
「最初はスタイリングのカッコよさに惹かれたんですけど、124スパイダーは走らせるのがものすごく楽しいんです。最初に乗ったときに、すごく曲がる! って驚いたことは忘れられません。その楽しさがじわじわときて……。124スパイダーはちょっとよくできすぎちゃってるようなところがあって、500Cのようなクセがないんです。アバルト500Cは、そこも楽しかった。だから本当の楽しさに気がつくまでに、ちょっと時間がかかっちゃったのかな? でも、今はもう、ほぼベタ惚れに近いかもしれませんね。もうちょっと女性好みというか、私好みのお洒落さというかエレガンスがあると、120点なんですけどね」

そこまで惚れているというのに、今瀬さんは別のアバルトにも心惹かれているそうです。
「695リヴァーレが欲しいんです。最初にその存在を知ったときから、ボディカラーの塗り分けだとかすごく綺麗な水色の細いラインが入っているところだとか、ウッドの内装だとかが私の好みにピッタリで……。今年の7月のツアーでアバルトの本社を訪ねたとき、そこに695リヴァーレが展示されていたんですよ。その時点で“私これ買う!”って心に決めちゃったのです。500Cを手放した後悔もあるのかもしれませんね。でも、124スパイダーも楽しいし愛してるから、買い換えるのか2台所有にするのか、ものすごく悩んでいます。父もクルマが好きなので、124スパイダーは父に譲って、とか(笑)。実は……日本にも導入されるかもしれないと聞いて、とりあえずディーラーさんに“もし入ってきたら買います”って伝えちゃったんです……」

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イタリアツアーでたまたま見た限定車の695リヴァーレ。それを見た瞬間、一目惚れに近い感情を抱いたそうです。

イタリアの高級ボートブランド、リーヴァとのコラボレーションモデルである、695リヴァーレ。本国仕様では確かにエクステリアもインテリアもエレガントだし、595コンペティツィオーネと同じ180psのエンジンにコニのサスペンションにブレンボのブレーキに……と走りも期待できそうです。今瀬家のガレージに124スパイダーと2台並んで収まる光景を見たいな、と心から思うのでした。

文 嶋田智之

124スパイダー製品ページ